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2021年05月14日

暑い(五月十一日)



 五月に入って、気温も上がって過ごしやすい春が来たと喜んでいた。朝の最低気温は零度近くまで下がることはあるけれども、最近あまりないけど、こちらが外に出るような時間帯、午前十時から午後二時ぐらいまでの気温は、十度以上まで上がるようになっていた。今年はすでに三月ぐらいにこの九州の冬のような気温になったような気もするのだけど、その後寒波が再来して、最近まで寒い寒いといい続けていたのである。

 それが、突然、最低気温がそれまでの最高気温を超え、最高気温はいきなり三十度に近づくという事態が発生した。場所によっては三十度に到達したところもあるのかな。チェコの五月というのは、もともと天候が安定しない月で、「アプリロベー・ポチャシー(四月馬鹿の天気)」などと言われる変わりやすい天気は、四月よりも五月のほうが多い気がする。
 今年は五月になっても、標高千メートルを越えるような山の上には雪が残っているが、以前は平地でも雪が残っていたことがあるし、そう考えると、寒さもイースターまでというのは、こちらの願望でしかなかったことが明らかになってしまうのだけど、連日三十度を越える暑さの日が続いて、終わってみれば一年で一番暑かったのが、五月の一時期だったなんて年もあった。五月に三十度を越えたときには、今年の夏は暑くなると覚悟したのに、七月八月は涼しい日が続いて、拍子抜けをしたものだ。

 九州の人間としては、たかだか三十度程度で愚痴をこぼしたくはないのだが、徐々に気温が上がってではなく、十数度からいきなり三十度というのは、身体にも精神にもこたえる。気温の日較差が大きくなると、自分が暑いと感じているのか、寒いと感じているのかわからなくなるのである。外にあまり出ないで自宅で仕事をしているので、必要に応じて着替えられるのはありがたいけれども、自分の感覚を信じきれない状態は、精神安定上よくない。自宅に引きこもっているのもいいとはいえないから、その効果は二倍である。
 これまで何度か、毎日一度は外に出ようとか、着替えて出勤するつもりで外に出て戻ってきてから仕事を始めようとか考えて、始めた事はあるのだけど、すべては三日坊主にもならなかった。買い物の回数を増やしているのも努力の一環なのだけど、毎日買い物に行くというわけにもいかないし、天気が悪いと、外に出たくなくなる。そしてまた今年は、寒かったり雨が降ったりで外に出たくないと思うような日が多いのである。職場で仕事をしていれば、寒かろうが雨が降ろうが出て行くしかないけど、在宅勤務だとついついひよってしまう。

 こんなんで、自分の命が短くなるなんて言うつもりはないけど、この規制のせいで命を縮めた人は多いのだろうなあとは思う。チェコでは、三月の死者数が、月単位では第二次世界大戦後最高の数字を出したというし、しかもそのうち80パーセント近くはコロナウイルスとは直接関係のない死因だったらしいし。
 東京オリンピックに関して、命がどうこう言う人もいるけど、そこまで単純な話じゃなかろう。開催した場合と、中止にした場合のリスクを比較して検討すればいいのに、開催すべき派も中止すべき派も感情論で議論するから、水掛論に終わってしまっている。感情で言うなら、個人的には中止しろと思うけれども、それは命が大事とかいうことではなくて、そもそもオリンピック廃止論者だからである。ちょっと理性的に感染リスクなんかを考えるなら、規模を縮小して開催するのが一番だと思うのだけど、現在のオリンピックの最大の問題の一つは、大会自体が肥大化していることなのだしさ。利権まみれで腐敗しきったIOCが、それを認めるとは思えないのがネックである。
 夜になっても暑くて頭が働かない中書いたら、以前書いたことがあるような内容になってしまった気がする。
2021年5月12日24時。









タグ:失敗 愚痴
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