2020年12月05日
自主的規制緩和?(十二月二日)
今週の月曜日から、規制緩和の一環として、基礎学校で授業が行われる学年が増えた。これまで1年生と2年生の授業だけが許可されていたのだが、5年生までと、卒業と高校受験を控える最終学年の9年生の授業が再開された。他の学年も、一部授業が再開されたのだが、二つのグループに分けて、一週間ごとに学校での授業とオンライン授業を交互に行うことになっている。高校でも、確か卒業試験と大学受験の準備が必要な最終学年の授業が再開され、他の学年が一週間ごとにオンラインと学校での授業を交互に行う点では基礎学校と同じである。
月曜日からの変更点はあくまで学校での授業が増えるということだけのはずなのだが、街を歩くと明らかに人の数が増えていた。ホルニー広場のクリスマスマーケットの準備も進んでいるので、道行く人の数が増えていること自体は、驚きでもなかったのだが、驚いたのは、ジョギングやサイクリングなどスポーツをしているわけでもないのに、マスクをしていない人が多いことだった。
学校以外の規制緩和は明日の木曜日から適用される予定だが、マスクの着用に関しては変更はないはずなのだが、人もそれほど多くないからということで、自主的にマスクの規制を緩和したというところだろうか。これまでもマスクを外して歩いている人がいなかったわけではないが、大抵はマスクは着用しているけれども口と鼻からは外していて、人のいるところでは、ちゃんと口と鼻を隠すというやり方をしていた。それが今週に入ると、マスクを持ってもいないような人が多くなっているのである。
どこまで効果があるのかもわからないマスクをしていると眼鏡が曇るし、息がしづらいし、もううんざりだという気持ちはよくわかる。だから、自分も日本にいたらマスクなしで町中を闊歩しているかもしれないとも思う。ただなあ、外国に住まわせてもらっている身としては、政府の出した規制を無視はしにくい。
ちなみにマスクは、うちののお手製の布のマスクを使っているのだが、先日市販のFFP2というカテゴリーのものを使ってみた。かけ心地自体は悪くなかったのだが、眼鏡が曇るのは布のものと大差なかったし、しばらく歩いていると内側が湿り始め、やがて雨が降っているような何とも不快な状態になってしまった。水蒸気がマスクの内側にこもって、外気に冷やされて結露し、小さな滴となって落ちてきたのだろう。せっかく高性能のものがあるのだけど、どうせ人とも会わないし、こんな不快になるのなら、使う必要はないか。
さて、明日からレストランなどの飲食店は、定員の半分、博物館は4分の1を上限に客を入れることが許可される。生活必需品以外を販売するお店も営業再開が許可され、売り場面積15平方メートル当たり一人が上限になっている。クリスマスプレゼントを求める人で行列ができるのは目に見えているから、買い物に出るのはクリスマス開けになるだろうけど、普通の生活が少しは戻ってくるようで嬉しい。
戻ってくるといえば、スポーツの試合に観客を入れることも許可されるという話があって、木曜日にヨーロッパリーグの試合を行うスラビアの場合には、2万人を超える収容人数を誇るエデンのスタジアムで600人にファンが声援を送る予定だという。この数字がどのようにして出てきたのかはわからないけれども、もう少し多くてもいいような気がする。十分の一で2000人とかさ。規制緩和で一度に集まれる人の数が増やされるはずだけど、それが600人になるのかもしれない。
深夜の外出禁止が解除されるのは悪いとは思わないが、外での、つまり道や広場を歩きながらの飲酒が解禁されるのは、あまり嬉しくない。せっかく飲み屋の営業が再開されるんだから、外じゃなくて中で飲めと言いたくなる。つぶれる飲み屋を減らすためにも、屋台でプンチなんてあまり美味しくもないお酒を飲むぐらいなら、飲み屋でビールを飲んだほうがましだろ。
その飲食店なんかでも、フライングぎみに営業を再開しているところがあるようにも見えたのだけど、あれはこちらの勘違いだったのだろうか。自主的に規制を強化する自粛を強要する人たちがいるのだから、自主気的に規制を緩和する人たちがいても不思議はない。
2020年12月3日14時。
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