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2020年03月27日

よきもあしきも(三月廿四日)



 最後に職場に出たのは先週の金曜日だから、かれこれ十日以上も部屋からほとんど出ない生活をしている。その間、一回車で買い物に出たのと、二、三回ゴミ捨てに出ただけだから、我ながら立派に引きこもりぶり、いやチェコ政府の出した外出禁止令の遵守ぶりである。そんな生活をしていても、完全に気のめいることばかりというわけではない。たまには嬉しくて喜びたくなるようなこともあるのだ。大半はうんざりすることばかりだとしても。
 それで、いいこともあれば悪いこともあるという意味の言葉を探して、「悲喜こもごも」とか、「禍福はあざなえる縄の如し」とか、「塞翁が馬」なんて言葉が思いついたのだけど、どれもこれもこちらが求めるとは微妙に違っているような気がして、最終的にはこんな微妙な題名になってしまった。バカの考え休むに似たりだったなあと反省している。

 それはともかく、うんざりするニュースとしては、チェ国内の感染者の数が順調に増え続けていて、政府が当初今朝の6時で終わるはずだった外出禁止令を四月一日まで十日ほど延長したことが真っ先に上げられる。予想されていたことではあるけれども、実際に決まるとまたうんざりするものである。日本の自粛とか要請というあいまいなものではなく、禁止命令で政府の責任で命令しているところはありがたいかな。

 仕事に行くのは外出禁止の例外に当たるから、行ってもいいのだけど、職場のほうでも出てこないで家で仕事してろというから、引きこもり生活はもうしばらく続きそうである。これで仕事がなければ最高なのだが、オンラインで継続ということで、メールで処理するものも増えているし、ビデオ会議なんてものもある。直接職場であって話せば、2、3分で住むようなことでも、やたらと時間がかかってしまう。なんか出勤してたときより仕事しているような気がする。
 確かアメリカのジャーナリストが、自宅勤務に切り替わって1週間ぐらいで精神的におかしくなりそうだなんてことを書いていたのを読んだが、気持ちはわかる。こっちはそこまでひどくないけど、仕事の時間と自分の時間という区別がしにくいのが困る。他に手はないから仕方ないとは思うんだけど。

 もうひとつの憂鬱なニュースは、チェコで二人目と三人目の犠牲者が出たことだ。ただこの二人も最初の方と同様に、ウイルスに感染する前から闘病を続いていたらしい。一人は50前と、高齢者と呼ぶにはまだ早い年齢だったが末期の癌で、もう一人は高齢者で肺炎も患っていたため最初は持病の肺炎が悪化したものだということで病院に運ばれたようだ。最初の方もそうだが、コロナウイルスの件がなく、単なる持病の悪化で亡くなっていたら、ニュースに取り上げられることもなかっただろう。
 ニュースに取り上げられたことが、亡くなった方々にとってよかったのかどうかはともかく、万人に平等に訪れるなんて言われることのある死ですら、その死に関する情報は、実は平等ではないということを今回の騒ぎが暴き立てたのだ。インフルエンザで亡くなっても縁者を除いては無関心なのに、コロナウイルスで亡くなったら、マスコミがお祭り騒ぎを始めてしまう。いやな世の中になったなあなんて不毛なことを考えてしまうのは、たぶん自宅勤務が続いて気分がめいっているからなのだろう。人の死というものは、知らない人のものであっても、知らされると気分が沈むものである。

 ちょっと気分を変えるために、いいニュースを思い出そう。いいニュースではないけど、笑ってしまったのが、鳴り物入りで中国から輸入して各地で使用が始まったコロナウイルスの簡易検査キットが、誤作動率が80パーセントを超えるという話だ。言い換えれば、このキットを使って検査した人のうち正しく陽性、陰性が判定されるのは20パーセント以下だということになる。これなら全員まとめて陰性と判断した方がまだ的中率が高い気がする。
 簡易検査なのでこの結果だけで感染したと確定させずに、これで陽性の判定が出た人だけ、本来の検査に回してその結果で最終的な判定としているようだが、陽性として回されてきた人の80パーセントが陰性になるのでは、検査する人もやりきれないだろう。全検査数と陽性の人の割合に比べればまだ高いと言えなくもないけど、これがくれば検査が楽になるという期待があっただけに、失望は大きい。さすが中国といっておこうか。

 本当にいいニュースはプロスチェヨフからやってきた。以前オロモウツ地方で最初に感染が確認された人が、実は日系企業の日本人社員だったという話は書いた。この方はプロスチェヨフの病院に入院して闘病していたらしいのだが、昨日病気が完治したことが認められて退院した。続報がなくて、どなたかは知らないけれども、心配していただけに一安心である。入院当初は病状が安定せずに心配されていたようだが、それが収まってからは、陰性が確定するのを待つだけになっていたという。
 そして、今日はオロモウツ地方で2人目の完治者が出た。こちらについては、細かい情報は知らないが、チェコで7人目と8人目の完治者がオロモウツ地方から出たのである。二人という数字は現時点ではウースティー地方の5人についでチェコで二番目に多い数字である。こんなことで他の地方と競い合ってどうするよというのもあるのだけど、気晴らしの一環である。

 その一方で、プラハの日本大使館からは、現地職員の感染が確認されたため、開業時間や受付のしかたを改めるという連絡がきた。大使館に用事がある人は事前に連絡をする必要があるようなので、HPなどで確認することをお勧めする。来期から日本に留学する予定の学生たちがビザの申請をするのは6月か7月だから、それまでには元に戻っているといいのだけど。

 最後は、心の底から嬉しいニュースで終わろう。ちょっと前の話になるが、オロモウツの医学部を卒業して日本に帰った知人から、日本の国家医師試験に合格したという連絡が届いた。すでに自宅勤務状態に入って鬱々としていただけに喜びは大きく、即座に、オロモウツに来たら飲みに行こうねというちょっとずれた返事をしてしまった。この喜びで外出禁止を今のところは乗り越えられているようなものである。
 とまれ、プロジェクトの開始から十年ちょっとで三人目の合格者である。外国で外国語で医学を勉強するという困難な道に挑み、夢を実現させた方々には賞賛と尊敬の言葉しかない。オロモウツで医学を学ぶ方々が、一人でも多く日本での医師免許まで到達されることを願ってやまない。この騒ぎで授業が休止になって大変だろうけど、日本に一時帰国中の人もいるのかな。
2020年3月25日8時30分。












posted by olomoučan at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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