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2020年03月10日

チャペクのエッセイなど(三月七日)



 コロナウイルス関係の話が続いてしまったけれども、久しぶりに最近続けているシリーズに戻ろう。日本語に翻訳されたチェコ文学の紹介である。今回もまたチャペクの作品。

 動物文学とも児童文学とも分類できた『ダーシェンカ』を除けば、カレル・チャペクの戯曲、小説以外の作品で、最初に日本語訳されたのは、『Zahradníkův rok』(1929)である。「Zahradník」は「園芸家」と訳されることが多いが、作家のチャペクの趣味の一つは園芸だったようだ。動物を飼ったり写真を撮ったり、当時の人としては多趣味な、多才な人だったのだろう。
 園芸、というよりは庭弄りは、チャペクに限らずチェコの人たちにとっては重要な趣味の一つである。共産党政権化でさえ、都市の住民の懐柔のために、郊外や田舎に別荘地を整備ししていたらしいし、別荘に手が出ない人向けには小屋付きの庭が準備されていたという。週末になると別荘や庭に出かけて畑仕事をしたり庭弄りをしたりというのが、都市部に住むチェコ人にとっては理想の生活だったのだ。

 田舎に住んでいる人は大抵大きな庭付きの家に住み、一番奥には鶏を飼い、その手前で野菜を育てたり、果樹を育てたりしている。自宅の庭で取れた、否、庭に落ちた果物を拾い集めて発酵させ、蒸留所に持っていくのがスリボビツェなど自家製の蒸留酒の本来の造り方である。スリボビツェを造るのはモラビアが中心で、ボヘミアの山間部の出身のチャペクが造っていたかどうかは知らないけど。
 そんな、庭好きのチェコ人の特性が、第二次世界大戦以前にもさかのぼることを証明するのが、チャペクのこの著作なのだが、実はチェコ人だけではなく、オーストリア、ドイツなどの人々にも同じような傾向がありそうである。チェコ中にチェーン店を持つ園芸用品の専門店は、ドイツ系のものばかりだし、旧神聖ローマ帝国全域に広まる趣味と考えたほうがいいかもしれない。ヨーロッパ全体というのは話の都合上考えないことにする。
 日本語訳の刊行は、国会図書館で確認できる限り以下のものがある。

@ 小松太郎訳『園芸家12カ月』(誠文堂新光社、1959)
 小松太郎訳としては、『世界少年少女文学全集』(東京創元社、1958)に収録された「ダーシェンカ」に続くものということになる。チェコ語ではなく、英語かドイツ語からの翻訳だったはずである。ドイツ語だったかな。小松太郎ってドイツの児童文学者のケストナーの作品もいくつか訳していたような気もする。
 この小松訳は、1975年に中央公論社から再刊され、96年には中公文庫に収録された。その後改版され、現在でも手に入るから息の長い翻訳作品である。この文庫版の刊行と同時期に恒文社から「エッセイ選集」の刊行が始まり、以後続々とエッセイ集が刊行されることになる。その中には日本で翻訳者が収録する作品を選んで編集したものも多い。


園芸家12カ月




園芸家12カ月改版 (中公文庫) [ カレル・チャペック ]





A飯島周編訳『園芸家の一年』(カレル・チャペック<エッセイ選集> 4、恒文社、1997)
 もともと「エッセイ選集」の一冊として刊行されたこの飯島訳は、2008年には新装版として単独で再刊され、2015年にはチャペクのエッセイを積極的に刊行している平凡社ライブラリーに収められて現在でも手に入る。

園芸家の一年【電子書籍】[ カレルチャペック ]





B 栗栖茜訳『園芸家の十二ケ月』(東京、海山社、2013)

園芸家の十二ケ月 [ カレル・チャペック ]

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 1996年から刊行が始まった「カレル・チャペック<エッセイ選集>」(恒文社)には以下の作品が収録された。

1飯島周編訳『チェコスロヴァキアめぐり』(1996)
 原題は『Obrázky z domova』でチェコ語版のウィキペディアによれば、チェコスロバキアでの刊行は、1953年。第二次世界大戦後に編集されて刊行されたもののようだ。「小説選集」とは違って「エッセイ選集」は親本はすでに絶版になっているが、2007年に筑摩文庫から「カレル・チャペック旅行記コレクション」の一冊つとして再刊された。こちらも紙の本は手に入らないが、電子書籍版(2010)が今でも購入できる。

チェコスロヴァキアめぐり ーーカレル・チャペック旅行記コレクション【電子書籍】[ カレル・チャペック ]




2飯島周編訳『イギリスだより』(1996)
 原典は1923年に刊行された『Anglické listy』。飯島訳は、雑誌「ユリイカ」(青土社)の1995年12月号に一部紹介されている。これが初出といえば初出。その後筑摩文庫版(2007)とその電子書籍版(2010)が刊行されたのは『チェコスロヴァキアめぐり』と同じ。
 また伊藤廣里訳『イギリス便り』が2001年に近代文芸社から刊行されているが、英語訳からの翻訳である。出版社の性質を考えると自費出版に近いものだったのかもしれない。

イギリスだより ーーカレル・チャペック旅行記コレクション【電子書籍】[ カレル・チャペック,飯島周 ]




3飯島周編訳『犬と猫』(1996)
 チャペクが亡くなった1939年に刊行された『Měl jsem psa a kočku』の翻訳は、同年に石川達夫訳『チャペックの犬と猫のお話』が河出書房新社から刊行されている。売れ行きも悪くなかったのか98年には文庫化されている。一方飯島訳は再刊されることはなかった。


4飯島周編訳『園芸家の一年』


5飯島周編訳『スペイン旅行記』(1997)
 原典は、1930年刊の『Výlet do Španěl』。その後筑摩文庫版(2007)とその電子書籍版(2010)が刊行されたのは『チェコスロヴァキアめぐり』と同じ。

スペイン旅行記 ーーカレル・チャペック旅行記コレクション【電子書籍】[ カレル・チャペック ]




6飯島周編訳『新聞・映画・芝居をつくる』(1997)
 原典は『Jak se co dělá』(1938)。「エッセイ選集」6冊の中で、現在新本、電子書籍の形で手に入れることのできない唯一の作品となっている。ただし、他のチャペックのエッセイ選集の中に、一部が収められている可能性はある。

 筑摩文庫の「カレル・チャペック旅行記コレクション」には、さらに以下の二冊が収められ、現在では電子書籍で入手可能になっている。

  飯島周編訳『オランダ絵図』

オランダ絵図 ──カレル・チャペック旅行記コレクション【電子書籍】[ カレル・チャペック ]




 飯島周編訳『北欧旅行記』

北欧の旅 ──カレル・チャペック旅行記コレクション【電子書籍】[ カレル・チャペック ]




 飯島周編訳のチャペックのエッセイ集は、平凡社ライブラリーに以下の二冊が収められており、どちらも現在では電子書籍版が手に入る。

 飯島周編訳『いろいろな人たち : チャペック・エッセイ集』(1995)
 飯島周編訳『未来からの手紙: チャペック・エッセイ集』(1996)

いろいろな人たち チャペック・エッセイ集 平凡社ライブラリー / カレル・チャペック 【全集・双書】





 田才訳のチャペク作品についてはまた稿を改める。
2020年3月7日24時。












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