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2020年02月03日

チャペク兄弟の戯曲(正月卅一日)



 せっかく始めたので、最初ぐらいは何度か連続で書いておくべきだろう。ということで昨日までに引き続いて、チェコ文学の日本語への翻訳の紹介である。カレル・チャペクの作品として日本語に翻訳され刊行された二つ目は、兄ヨゼフとの競作の『Ze života hmyzu』(1921)である。


@北村喜八訳『虫の生活』(原始社、1925年)
 宇賀訳によって『R.U.R.』が刊行されてから二年後の出版。表紙と奥付は『虫の生活』だけだが、扉には「昆虫喜劇」という副題が記される。訳者の北村喜八は、大正末から昭和の初めにかけて日本の演劇を主導した築地小劇場の関係者。この劇場はプロレタリア系の劇団が活動の場としていたから、チャペクの作品も左翼的な文脈で受容されたのかもしれない。
 北村訳は、宇賀訳の『人造人間』とともに、『世界戯曲全集』第22巻(近代社、1927年)にも収録されており、確か築地小劇場での公演の際の写真が付されていたと思う。舞台装置の担当は村山知義だったかな。昔神田の古書市で発見して購入したのだが、戯曲の壁の高さに読まないままにしてしまっている。その結果、この作品の内容については触れようもないのである。


A鈴木善太郎訳「虫の生活」(『近代劇全集』第38巻(第一書房、1927年)
 訳者の鈴木善太郎は、単行本となったのは『ロボット』だけだが、戦前に翻訳されたチャペクの戯曲三作をすべて翻訳し出版した唯一の人物である。『近代劇全集』は、第一書房が1927年から刊行を開始したもので、第38巻は「中欧篇」と題されすべての作品を鈴木善太郎が訳している。


B新居格訳「虫の生活」(『世界文学全集』第38巻、新潮社、1929年)
 訳者の新居格は、大学卒業後新聞社を経て大正の終わりから昭和の前半にかけて左翼系の評論家として活躍した人物。翻訳者としても活躍しておりその業績のひとつがこの作品の翻訳である。『世界文学全集』は新潮社から1927年に刊行が開始されたもので、第38巻は最終巻にあたる。「新興文学集」と題されているが、第一次世界大戦後に独立した国の文学ということだろうか。新潮社では戦後も1960年から『世界文学全集』を刊行しているが、こちらには『虫の生活』を含めチャペクの作品は収録されていない。


C田才益夫 訳「虫の生活から」(『チャペック戯曲全集』、八月舎、2006年)
D栗栖茜訳「虫の生活より」(『カレル・チャペック戯曲集』1、海山社、2012年)
 戦後、SFの世界で再評価が行なわれ新訳が出版された『R.U.R.』と違って、『Ze života hmyzu』の新訳が登場するのは2000年代に入ってからになる。どちらもチェコ語から翻訳されただけのことはあって、題名の「ze」がしっかり訳されている。ただ演劇の題名としてあったほうがいいのかは、また別問題のような気もする。意外なのは栗栖継の翻訳がないことだが、十月社から刊行していた『カレル・チャペック戯曲集』が二冊目の刊行を見ることなく終わってしまったせいであろうか。






 チャペク兄弟の合作した戯曲はさらに二つ存在しており、どちらも田才益夫 訳『チャペック戯曲全集』(八月舎、2006年)に収録されている。『Lásky hra ostudná』(1910)は「愛・運命の戯れ」、『Adam stvořitel』(1927)は「創造者アダム」と題されている。これが日本にいるときに出版されていたら、迷わず購入していたんだろうけど……。
2020年2月1日16時。















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