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2023年6月にイタリア海軍哨戒艦フランチェスコ・モロジーニが横須賀に寄港しました。
哨戒艦だけど7000トン越えという、巨大艦となっています。
図1 哨戒艦フランチェスコ・モロジーニ
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/2
その中で、艦橋上部構造にナゾのはみだし部分が見つかる面白い展開になります。
イタリア海軍の建造技術はいかに?
(前回記事):『【海上自衛隊】艦これついに艦船呼んじゃったよすげえなあ!』
\こちらもご参考に!PR/
(1)艦橋上部にナゾのでっぱり!?
イタリア海軍の哨戒艦が日本に寄港して、いろんな発見がありました。
図2 後ろ姿
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/3
日本では初登場のOTOメララ76mmSovraponteも見えています。
1.1 艦橋上部にナゾのでっぱりが?!
そんな中で、日本に寄港したからこそ近くで写真撮影できたから判明したことがあります。
図3 艦橋上部の拡大写真
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/2
なぜか艦橋上部に、一部不思議なでっぱりがあるとの指摘が出てきました。
一見すると単なる施工ミスのようにも見えますが、そんな単純ミスをするかな?
イタリアのレベルの高い冶金工学が、簡単なミスをするとは思えません。
1.2 1番艦進水時には見られない部分
イタリアの長距離警備艦(PPA)という、フリゲートと哨戒艦を融合したような軍艦は今後の流行となるかもしれません。
図4 図解
引用URL:https://twitter.com/D__Mitch/status/1435167863510376451/photo/1
パオロ・タオン・ディ・レベル型として就役した、フランチェスコ・モロジーニは哨戒艦という位置づけですが今後の改装でフリゲートのような重武装になります。
そんな新型艦の1番艦の進水式の写真を見つけました。
図5 進水式
引用URL:https://www.seaforces.org/marint/Italian-Navy/Patrol-Vessel/P-430_DAT/P-430-ITS-Paolo-Thaon-di-Revel-002.jpg
1番艦の進水式の時には、でっぱりが見受けられません。
なおかつ、しっかりとした艦橋からの切れ目が見えています。
そこで引っかかったのが、PPAパオロ・タオン・ディ・レベルが2022年に就役後すぐに中東に派遣されたことです。
図6 派遣写真
引用URL:https://www.seaforces.org/marint/Italian-Navy/Patrol-Vessel/P-430_DAT/P-430-ITS-Paolo-Thaon-di-Revel-024.jpg
2022年8月に撮影された写真ですが、右舷の艦橋上部にヤバいくらいの痩せ馬が走っています。
1.3 中東の日光でヤバい痩せ馬が!
新造艦であっても、中東アラビア海のような強烈な日光を浴びると鉄板にゆがみが発生します。
図7 痩せ馬
引用URL:http://blog-imgs-49.fc2.com/a/s/a/asahikawa1972/_99002014110001.jpg
本来なら、建造時の技術的加工技術の未熟さであばら骨のように鉄板が歪むのを「痩せ馬」と造船の世界では呼んでいます。
おそらくPPAも設計当初は、しっかりと計算されて建造されたのでしょうが中東の直射日光が外板を歪めた可能性があります。
そのため、2番艦については急遽外板の溶接位置を変更したものと思われます。
だからモロジーニも、変なでっぱりが出来てしまった可能性があるといえます。
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(2)Xバンドレーダーの重量が重い?
今回艦橋上部に変なでっぱりが出来た理由として、装備するレーダーが予想より重い可能性があります。
図8 レーダー部分
引用URL:https://electronics.leonardo.com/o/adaptive-media/image/22483417/w_960/Scalable%20architecture_new.jpg
その重量分散のため、やむなく溶接位置を変更したのかもしれません。
2.1 FCS-3でも苦労した重量軽減
FCS-3を装備した、ひゅうが型護衛艦以降の艦は艦橋構造物を強化して重量のあるレーダーを搭載しています。
図9 FCS-3
引用wiki
すでにCバンドレーダーでかなりの重量となっていたため、Xバンドレーダーは重量軽減のため小さくせざるを得ませんでした。
レオナルド社のKRONOS DUAL BANDレーダーについては、レーダー素子面積を同じ大きさで2つ搭載しています。
そのため、予想以上に艦橋構造物の溶接部に負荷がかかっていいる可能性があるかもしれません。
2022年3月に1番艦が就役してから、修正の必要ありとして急遽外板の張替えが行われた可能性もあるといえます。
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(3)RCS低減用の工夫かも?
また別の見方をすれば、RCS低減のため溶接肉盛り部分を少なくするための工夫がされたかもしれません。
図10 RCS
引用wiki
ステルス性を追求するため、あえて溶接部分をずらしている可能性があります。
3.1 溶接部の肉盛り部分はRCS増大の要因
戦闘機では有名になったステルス性は、軍艦でも取り入れられています。
(関連記事):『【ロシア】ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!』
ここで問題になるのが、構造物の溶接跡の処理です。
護衛艦でも、構造物をよく見ると溶接の跡が残っていることがあります。
ここで問題になるのが、多層構造物の肉盛溶接を行った場合です。
図11 肉盛り溶接
引用URL:http://www.k-kamei.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/2af0d16de804e2fb9256b5053d7fd8bf.jpg
たかが溶接されど溶接であり、肉盛溶接の後には丸みを帯びた部分が残ります。
3.2 丸いものはRCS増大の要因になる
ほんのわずかな溶接の肉盛部分の丸みであっても、RCSには影響が出てきます。
意外と、球体はRCSが高くレーダー反射を起こしやすいところがあります。
(RCS計測を行ったときに、肉盛りの有無で数値に違いがあった)
図12 球体RCS
引用wiki
イタリアの造船所は、この肉盛りが残ることを嫌って溶接位置をずらした可能性もあるでしょう。
かなり深いわけがありそうです。
3.3 真相はいかに?
今回のモロジーニの寄港を機に判明した、イタリア艦の溶接の謎について
@痩せ馬を削るため溶接位置を変えた?
Aレーダー重量を分散するために溶接位置をずらした?
BRCS分散のため、わざと溶接肉盛りを減らす措置?
ということが考えられます。
さあ真相はいかに?!
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世界の艦船の写真でも、ほんの少しだけ出ておりました。
イタリアのサイトでは3番艦以降は修正されているので、設計上の微調整をしているのかもしれません。
なかなか謎が残る状況となっています。
モロジーニの艦橋、そこの出っ張りですか。それなら世界の艦船の表紙に左舷側ですがはっきり見れますね。
何でしょう?ここで外板の傾斜が変わる事と外板の面の接点なので、仰有るようにRCS低減か溶接部のカバーなのですかね。
(RCS低減にしてはしっかり航海レーダーやウィング他が出張ってますが)
ポーヤンマー級はまだ予想図のようですが見るほどに、、、 検索するとロシア系サイト(和文)で"氷上コルベット”とか、航海機器がFurunoとか出てきますね。
モロジーニのでっぱりについては、少し見えづらいところがあります。
一般公開に行った方がTwitterに出した写真の方が良く見えるかもしれません。
「マサイ族のネコ」さまのTwitter(6月28日のもの)
>ttps://twitter.com/Masai_cat/status/1674006660065656833
日差し対策としては、カーテンなどの追加装備をしているかもしれません。
航海レーダーについては、前後のレーダー画面を組み合わせて使用しているものと思われます。
・堤提督の言葉は、やっぱ厳しくも本質をついているところがあります。
海自の「事故調査報告書」が、実態解明をせずに「当たり障りのない文書作成」になっている悪癖が改められていないことに愕然としました。
(しらね火災・あたご事故・ミサイル艇機関砲誤射事故で関わりましたが、まあひどい内容で責任逃れに終始した文署でした)
・フィンランド新型コルベットポーヤンマー級については、お恥ずかしながら情報を教えていただくまで全く知りませんでした。
ホントにもがみ型そっくりで、驚いています。
世界の艦船9月号にモロシーニの拡大写真がありました
ただ、それを見ても管理人様の注目する”でっぱり”がよくわかりませんでした。
艦橋の三角窓上の部分ですか?写真を見ると艦橋の窓の上の層(Xバンドレーダー下)の所だけ痩せ馬が目立つように思います。ここだけ薄い?材質が違う?
あと航海用レーダー(GEM?)の位置が窓上だと後ろが見えないんじゃ?(艦尾側にもあります)マスト下にちょうど良い空き場所あるけど。
また、操舵席がコクピットのように前に出てるけど低緯度域では日射が大丈夫かなと思いました。
・「いなづま」座礁について堤さんの記事ありました。
・フィンランドの新コルベット、ポーヤンマー級が船形といい排水量といい兵装も?もがみ型そっくりで驚きました(掃海でなくて機雷敷設も行うようですが)
最近の艦艇については、やはりAESAやPESAなどレーダーの搭載にて艦橋構造物に搭載することが多くなっています。
レーダー見通し距離を稼ぐためには、どうしても高い位置につけるため頭でっかちになる状況です。
レーダーモジュールが軽量化したとはいえ、重量の問題が出てくるから艦底にバラストを付けて重量バランスを取っているのでしょうがちょっと危ない状況です。
日本の場合は、1934年の友鶴事件でトップヘビーの代償を
嫌というほど味わっています。
そのため日本の艦艇建造は、流血の教訓を徹底的に守っているから変える必要はないでしょう。
荒れる日本海や太平洋での運用を考えると、日本は慎重すぎるくらいがちょうどいいと思います。
(ただし韓国のKDX-1は、ちょっとトップヘビーだからKDX-2で改善されたといえます)
アンザック級やアキテーヌ級、イギリスの45型など、どう見てもバランス悪いですよね。レーダーの大きさは違いますが、もがみ型を並べて見れば一目瞭然です。
韓国の駆逐艦が重装備過ぎてトップヘビーだと言われますが、欧州系のフリゲートも復元性とか大丈夫なのでしょうか?それとも日本の護衛艦が気にしすぎなだけなのでしょうか?