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海上自衛隊で勤務しているとき、1佐の人事について上司から思わぬことを聞いたことがあります。
「1佐が不足していて人事上問題になっている」
部隊にいるときは、1佐は結構いたような気がするんだけど「1佐職」なんて言葉もあるし・・
海上自衛隊には、1等海佐は不足しているのか?!
(参考記事):『【軍事技術】P-1哨戒機対艦ミサイル8発搭載はまだですか?!』
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(1)自衛隊の1等海佐について
自衛隊でよくある話として、1佐についても3つの区分に分かれている話です。
図1 1佐階級章
引用wiki
職務と役職の関係上、3つに給料区分の関係で分かれます。
1.1 1佐(一)という「車付き1佐」
たまに1佐(一)なんていう表記を、給与表などで見ることがあるかと思います。
部内では「車付き1佐」なんて呼んでいる場合もあります。
指定職の指揮官配置の場合に、1佐(一)になることが多いです。
図2 1佐の車両(空自)
引用wiki
昭和61年から、5年間かけて行われた人事政策の一環で「将補」から「1佐」に格下げされた職も、1佐(一)になります。
海上自衛隊だと、隊司令(陸上部隊の一部)や、海幕課長などが該当します。
1.2 1佐(二)と(三)について
1佐でも、配置により変化があり1佐で艦長の場合は、1佐(三)に該当します。
護衛隊司令(1佐)の場合は、1佐(二)に該当しています。
以前話題になった、女性初の護衛隊司令となった東良子1佐も該当します。
図3 東1佐
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DXlv5AmU8AA8Giu.jpg
1.3 結構多かったイメージがあったけど?
横須賀勤務が長かったペンギンとしては、海幕や幹部学校で1佐をよく見かけた印象がありました。
そんなに1佐が足りないというイメージはなかったんですけどね?
幹部学校だと1佐がこれでもかといたくらいです。
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(2)1佐職人事という人事問題
防衛省のHPをみていると、人事発令で1佐以上の人事異動の情報が上がります。
この時に、1佐人事と1佐職人事という2つの表現が使い分けられているのをご存じでしょうか?
2.1 1佐人事は、指揮官・補職の職人事
1佐人事は、普通に1佐の指揮官職や「補職の職」と呼ばれる人事で、1佐が配置されるべき時に使用されています。
これであれば問題は、全くない状態です。
問題は、1佐職人事と呼ばれる人事があることです。
2.2 2佐が1佐配置の職に就く1佐職人事
防衛省HPの人事発令にて、ときおり2佐が「1佐職人事」の中に出てくることがあります。
(参考防衛省HP):https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/index.html
これは、本来1佐をつけるべき配置に2佐の人が補職される場合に使用されます。
人事の慣習で、1つ上の階級の配置につくということは昔からありました。
その人の仕事ぶりを買われて、2佐だけど1佐職に配置する栄転でした。
ただ最近は、1佐が付くべき配置に2佐が補職されるのが常態化しています。
陸上部隊だけでなく、艦長職でも1佐職配置が多くなっています。
図4 輸送艦おおすみ歴代艦長
引用URL:https://ihoku.jp/wp-content/uploads/2019/01/IH2_2523-240x360.jpg
輸送艦や補給艦については、1佐が艦長を務めるのが以前の人事では当たり前であり、艦長を何隻も務めた船方の経験豊富な1佐が着任していました。
しかし2019年に撮影された、輸送艦「おおすみ」歴代艦長についてのプレートを見ると2佐が多くなってきています。
2.3 むりやり1佐にさせたれる人も!
中には、仕事ができるため無理やり1佐に昇進させられる人もいます。
艦発隊にいたとき、開発隊群幕僚にに生徒出身/部内幹候で2佐の幕僚の方がいました。
『艦長をやらせてもらえたし、昇進ももうないから気楽に仕事できるぜ〜!』
そんなことを言っていましたが、突然1佐昇進と統合幕僚学校特別課程に放り込まれる悲劇が!
『俺が何をした〜!気楽に仕事をしたいだけなんだあ〜!』
その後、イージス艦2艦の艦長を務めることがありました・・・(汗)。
(参考記事):『【海上自衛隊】『災害派遣を実施する!!』艦長は決断した!』
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(3)1佐問題はもっと取り上げられるべき!
自衛隊の人手不足は、前々から叫ばれていましたが幹部の不足は表立っていない状態です。
今後、自衛隊の任務が増える状況で問題になるかもしれません。
3.1 CS(CGS)偏重主義が問題
ペンギンが現職だったこところから、2佐以上への昇進にCS(幹部式幕僚課程)の修了が半ば必須の状態になり始めました。
かつて海上自衛隊は、CSの成績及び修了を重視していないところがありました。
CSや海幕勤務をしないまま、1佐に昇進する船乗りも珍しくありませんでした。
それが、陸空との統合運用に注力するあまり、人事面でも斉一化するようになりました。
その結果、1佐への昇進する人間が減っている状態と聞いています。
3.2 バブル崩壊後世代の人員問題
もう一つの問題として、バブル崩壊後から2000年頃までに入隊した幹部自衛艦の問題です。
この時代は民間の求人が弱まり、自衛隊幹部候補生にも人気がありました。
本来ならこの10年ほどの世代が1佐の中核世代なのですが、人事で聞いたことで、バブル景気崩壊後から10年ぐらいの幹部自衛官について昇進率が悪いと聞いています。
図5 バブル崩壊
引用URL:https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/3/7/-/img_374880f674a8ce656aefe063b0d0beac89888.jpg
今後、幹部自衛官の人員について適切な配分が必要かもしれません。
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陸警隊・警務隊・保全隊を陸自所管としても、現状では内部から2000名の水上勤務者をひねり出すのは難しいと考えております。
警務隊・保全隊は必要だから編成しているところがあります。
警務・保全隊は陸自に移管することは可能と考えています。
問題は陸警隊で、昔のような水上勤務が難しい人間が行く場所とはならなくなっています。
陸上警備も最近はかなり力を入れている部分があります。
海の人間だから、ここを守るべきとわかる部分もあるので、陸警隊業務陸自移管は厳しいと思っております。
モロにかぶってしまったのですね
世代的な問題点というよりは、2001年以降の情勢激変によりインド洋派遣など仕事量が急増して、昇進を嫌がる人が多くなったのが原因です。
ちょうど初級幹部から中級幹部にかかった時に、仕事の急増でいやになることが多かったようです。
1佐になった人は、これ以上忙しくなってたまるか!という感じで嫌がっていましたね。
ただ仕事ができる人なので周囲が押し上げたというような状況でした。