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2020年5月21日に、ついに令和元年度予算で建造される油槽船(4900トン型)を受注した造船所が発表になりました。
今回初めて、防衛省向けの建造を受注したようですがここから書類地獄が待っています。
襲い来る注文の嵐!大量の書類作成!容赦ない原価監査による利益カット!
防衛省の仕事は、金払いだけはいいだけの苦労仕事だ〜(涙)!
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(1)4900トン型油槽船受注造船所決定!
以前から油槽船について、本ブログでは追跡して記事にしてきました。
(参考記事):『【防衛省】油槽船(仮称)が概算要求項目に登場したよ!』
(参考記事):『【防衛省】油槽船は結構デカい船になるようだね?!』
ついに2020年5月21日に、株式会社新来島どっくが防衛省向け4900トン型油槽船(YOT)の受注を発表いたしました。
(プレスリリース):http://www.skdy.co.jp/news/1245.html
図1 4900トン型油槽船(概算要求時)
始めて防衛省の船舶建造を受注したとのことで、おめでとうございますとお祝いの言葉を述べさせていただきます。
プレスリリースの中で、新来島波止浜どっくでの建造と表記されてましたので、愛媛今治での建造となりますね。
1.1 建造実績は確かな会社だよ!
株式会社新来島どっくは、商用船について幾つもの船舶を手掛けており実績のある会社です。
今回建造される、4900トン型油槽船についてもしっかりとしたものが出来そうです。
図2 新来島どっくの油槽船(商用)
引用URL:http://www.skdy.co.jp/wp/wp-content/uploads/2015/09/35_S5843-501x333.jpg
造船所の位置から考えると、防衛省中国四国防衛局玉野防衛事務所が担当となります。
1.2 防衛省向けは書類が多い!
keenedge1999様のように、マル防関係の仕事をしてる方が口にするのは、
『防衛省の仕事はとにかく提出書類が多すぎる!』
というものです。
ホントに、防衛省・自衛隊向けの仕事の場合は提出書類が多くあります。
これが船舶建造になると、承認図書やら検査書・完成図書などが数多くあります。
図3 艦船承認用図面表紙
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/souhon/contract/kokoroe/arch/bessatu2.pdf
この承認用図面が、搭載機器ごとに提出する必要があります。
さらに
@検査官(担当防衛事務所用)
A海幕武器艦船課(艦船班・武器班)
B艦船補給処
C補給本部
D防衛装備庁
E製造所(機器購入先)
F建造所
といった箇所に全部配布する必要があります。
1隻の船だけで相当量の承認図書が作られ、しかも民間用の承認図書と違う書き方なので一苦労です。
私も検査官の仕事を経験しましたが、ゲンナリするほどの量です。
民間の検査団体日本海事協会(NK)の検査員の人からも、
『防衛省は提出させる書類が多すぎやろ?!』
なんてイヤミを言われるほどでした。
1.3 立会検査も多いよ!
船舶の建造には、立会検査という現場にて検査官が立ち合いの下での検査があります。
民間でも立会検査はそれなりに多いのですが、防衛省はかなり多くなります。
図4 立会検査のシーン
引用URL:https://www.mod.go.jp/rdb/chushi/200_otoiawasesaki/tamano.pdf
なかなか防衛省の艦船建造は、いろんなことが多く苦労しますよ〜!
承認図書や完成図書の半分を電子化したら、結構価格低減になるんじゃないかと思うほど書類地獄です!
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(2)恐怖!無慈悲な原価監査官の会計処理!
今回の4900トン型油槽船の契約詳細について、まだ詳細な契約内容が出ていません。
民間で広く使用されている船舶なので、市場価格方式で契約したのかどうか気になります。
もし原価計算方式で契約していたなら、原価監査官による恐怖の会計処理が待ち受けます。
2.1 無慈悲な利益率計算!鬼!悪魔!!
通常企業から請求額として製造原価に人件費その他を合わせた額に、GCIP率を掛け合わせた額が出てきます。
※GCIP:一般管理及び販売費率、利子率、利益率の総計
しかしながら防衛省で原価監査方式となると、徹底的に計算が行われます。
防衛省側が企業の会計監査を行い、GCIPを決定していきます。
特に最初に受注した装備や初受注の会社では、相当な規模で実施します。
会社側が提出してくるGCIPの、約半分しか認められない場合も結構あります。
もう、会社の営業の人に何回『おに〜!あくま〜!!』と言われたでしょうか?
2.2 カットじゃ〜!原価低減じゃ〜!
原価監査官も、別に会社を赤字にさせようというわけではなく適切な原価と利益を計算しようとしています。
しかしながら、毎度の事いろんな工数や原価カットが行われる悲劇が・・・
図5 防衛装備の製造風景
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn%3AANd9GcTFYuy4SgVkjEtJyFKKfvev_LEjoDMRpQYr59GlCZULTrjdbXCr&usqp=CAU
ホントに何とかならないかな〜?
2.3 船価低減と防御の間で・・・
前に、ひうち型多用途支援船の話を書いたことがあります。
(参考記事):『【海上自衛隊】多用途支援艦の魅力を知ってくれ〜!』
船体については、一般商船用の設計を使い船価低減の処置を行いましたが、海上自衛隊で使用するために要求する強度を求める結果一番艦が結局赤字になってしまう結果となりました。
乗員の要求で各所の強化をしたけど、原価監査で認められずに工数カットが続出したためです。
擦り合わせが結構大変なのが、船舶建造の悩ましいところです。
私も原価監査官に対して、
『おに〜!あくま〜!これだけは認めて〜!』
と泣きついたけど、認知されず涙したことが何度もありました。
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(3)落札価格の発表はまだか〜(怒)!
今回、4900トン型油槽船の受注公表が5月21日になりました。
おそらく防衛装備庁と最終の落札後の調整が済んで公表することになったと思われます。
入札自体は2月に行われたはずですが、最終決定に時間が掛かったのでしょう。
調達でよくある「3月31日+α日」といった事態になったのかもしれません。
(入札で最終的な価格がなかなか決定せず、4月以降に決定がずれこんだ)
3.1 防衛装備庁の契約情報に掲載!
入札結果は、防衛装備庁の「契約にかかる情報の公表」で登場します。
5月下旬になっても、まだ令和元年度3月分の結果が公表されていません。
どのくらいの価格で落札したのか気になるので、早く公表してほしいところです。
もしかすると、なかなか予定上限入札価格を切る入札とならず決定が遅れたのかも?
最終の落札価格がいくらになっているか注目です!
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会計検査院の防衛2課(海上自衛隊担当)を含めて、防衛省担当になる人は配属前に部隊研修などで一応自衛隊のことを学んでくるんですが、やはり銃器については射撃の体験をしていないので説明しても実感として理解してもらえないことが多いんですよね〜。
効率と税金の適正使用の検査という観点から、実地検査をするため部隊を見たときに時たまトンンチンカンな話になってしまいます。
「89式小銃は嫌じゃー!HK416いれたいんじゃ〜!」と実地検査に来た会計検査院の調査班副長に駄々をこねたことがあるんですが「陸自が89式小銃を15万丁も入れただろ!それを分けてもらえばいいやろ!」ていう感じでした。
反動によるコントロール性と弾道特性といった、銃器に対する基礎知識を学んで来いと言いたいです・・・・・
64式で立入検査なんて重さと取り回しで嫌!
89式で洋上射撃も遠距離気味になるので弾道特性上嫌!!
(マニアの感想)
20式小銃は、何とか海上自衛隊にも早めに入ってほしいですよね。
もうこれで会計検査院に「何で海賊対処派遣艦に64式小銃と89式小銃が並列して配備されてるのよ〜?非効率じゃな〜い?不当事項に書いちゃうよ〜((#^ω^)?」なんてネチネチやられずに済みます。
64式から一気に20式になる艦も出てくるでしょう。
1術校射撃科長の「はよ陸自から89式小銃1000丁ほど強奪して来い!」という叫びは、20式小銃で成就するのでしょう。
89式小銃の製造ラインが閉じてしまっているため、新造艦用に調達とか・・・
現に「あさひ」あたりには89式が入ってますし。
ようやく油槽船が形になってきて進水までこぎつけました。
あくまで「支援船」として運用するため「命名進水式」のプレスリリースは出されなかったようです。
古い護衛艦より大きい「支援船」てなんでしょうね(汗)?
ttps://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1450765187519111176?t=N1C0g9XAw8sUs2GoPwF1XQ&s=19
ついに進水まで漕ぎつけた模様
ttps://twitter.com/sp_issa/status/1450641567165808640?t=hHxZ1klYPI4J9KZMg0xifQ&s=19
艦名はYOT01となったようで
20式小銃で結構じゅうような情報ありがとうございます。
海上保安庁の「特別警備強化指定船(特別警備隊)」の船には、結構早くに配備が始まる可能性は速そうですね。
海上自衛隊のほうは、う〜んいつ買うことになるだろう・・・?
某部隊には早期に少数購入して、あとは陸自の調達がひと段落したらということになるかな〜?
>新小銃ネタ。
>豊和工業の2020年3月期の決算説明会資料41ページ
(PDF上は42ページ)
ttps://ssl4.eir-parts.net/doc/6203/ir_material_for_fiscal_ym1/82514/00.pdf#page=42
一応、接触はしたようで(いつ買うとは(ry
新型の20式小銃については、遠〜い将来には多分配備されるでしょう(白目をむきながら)
陸自からのお下がりの64式自動小銃がようやく89式自動小銃に更新されている状況ですので、あと30年くらい先かもしれません・・・
陸警隊には、陸自との共同訓練のため比較的早期に配備される可能性は大きいと思います。
何しろ海自からM1ガーランド自動小銃が退役したのが,2000年頃と聞いています。
20式自動小銃は当分先でしょう。
(私の幹部候補生学校の数期前までM1小銃で訓練していたそうです)
新型9mmSFP9については、導入が早期に進められる可能性があります。
1990年代後半に海自でも、SIGP220の配備が護衛艦を中心に進みました。
需要の多い立入検査隊用で、20式自動小銃より早く海自に導入されると思います。
(結構P220もガタが来ていると聞きます)
間違いなく、海自より海上保安庁のほうが20式自動小銃の配備が早いでしょうね〜(苦笑)
巷で話題の新型小銃20式小銃ですが、海自に配備される可能性は有るでしょうか?
また新型拳銃9mm拳銃SFP9を海自の立入検査隊に配備しても良いのではないでしょうか?