2017年08月29日
Iたんぱく質・アミノ酸の代謝と栄養【ポイント】
今日は、たんぱく質・アミノ酸の代謝と栄養についてお話します。
【たんぱく質の消化】
・胃での消化
摂取されたたんぱく質は、胃液中の塩酸(胃酸)で強く変性されます。
これにより消化酵素の作用が受けやすくなります。
胃から分泌されるペプシンによってポリペプチドに加水分解されます。
・小腸での管腔内消化
胃から十二指腸に送られたポリペプチドは、膵液中の各種消化によって、
さらにオリゴペプチド、トリペプチド、ジペプチドにまで加水分解されます。
・小腸での悪消化
管腔内消化分解物のオリゴペプチド、トリペプチド、ジペプチドは、
小腸吸収上皮細胞の微絨毛に細胞内に存在する各種ペプチターゼによって、
最終的にアミノ酸に加水分解されます。
【たんぱく質の吸収】
たんぱく質、ジペプチド、トリペプチドは、微絨毛膜に存在する輸送担体に介して細胞内に吸収されるが、
アミノ酸とジペプチド、トリペプチドは全く事夏能動輸送系によって吸収されます。
これは、2つの輸送系が互いに抑制することなく共同して機能するためです。
アミノ酸の吸収は、異なった基質特異性と持った複数の輸送担体を介して行われ、
多くがNa+の駆動力を利用して輸送されます(二次性能動輸送)。
一方、ジペプチド・トリペプチドは、H+の駆動力を利用して輸送されます(三次性能動輸送)。
ジペプチド・トリペプチドで輸送系で吸収されたほとんどのジペプチド・トリペプチドは、
細胞内のペプチダーゼで細胞内消化を受け、アミノ酸となって血管へ移行し、
門脈を経て肝臓に運ばれます。
【たんぱく質の合成】
体重1sあたりの1日の体たんぱく質合成量は、
体重増加の著しい新生児や乳児、幼児の方が成人よりも多い傾向にあります。
体たんぱく質合成は、食物由来のアミノ酸と生体内で合成されたアミノ酸の両方が使われます。
たんぱく質の合成は、細胞質内のリボソームで行われます。
DNAの情報をmRNAに転写し、mRNAの情報を翻訳することでたんぱく質合成が達成されます。
【たんぱく質の分解】
障害を受けたたんぱく質や不要たんぱく質の分解機構として、
ユビキチンープロテアソーム系、オートファジー系、カルパイン系などが知られています。
【窒素出納】
一日の窒素摂取量と、体外へ排泄される総窒素量との差を窒素出納と言います。
*窒素出納=摂取窒素量ー体外排泄窒素量
ヒトの体内の窒素のほとんどがたんぱく質由来であるため、
窒素出納によって、体内のたんぱく質代謝の胴的状態をみることができます。
窒素出納が性の場合は、体たんぱく質が蓄積されたことを、
負の場合は体たんぱく質が消費されたことを意味します。
正常な政治の窒素出納はゼロであり、
過剰なたんぱく質を摂取しても体たんぱく質として貯蔵されることもなく、
余分な窒素は尿中に排泄されます。
【食後、食間期のたんぱく質代謝】
食事摂取したタンパク質は、前述のようにアミノ酸となって吸収され、門脈を経て肝臓に運ばれます。
この語、アミノ酸は肝臓から血中に放出されるため、食後には毛中アミノ酸濃度が上昇します。
血中アミノ酸濃度の上昇は、筋肉などの組織での体たんぱく質の合成を促進します。
【アルブミン】
血漿には、通常たんぱく質は6〜8.5g/dL含まれています。
血漿中のたんぱく質としては。アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンがありますが、
アルブミンは血漿たんぱく質の約60%を占めています。
アルブミンは肝臓で合成され、血中へ放出されます。
半減期は2〜3週間です。
【急速代謝回転たんぱく質(RTP)】
癌ゲンキの短い血中たんぱく質が、短期間の栄養状態の評価、術後回復の判定指標として用いられます。
このような代謝回転の速い血中たんぱく質を急速代謝回転たんぱく質といい、
レチノール結合たんぱく質、トランスサイレチン(プレアルブミン)、トランスフェリンなどがその例です。
【アミノ基転移反応】
大部分のアミノ酸は、アミノ基転移反応によってα-アミノ基をα-ケトグルタル酸に渡し、
自身はα-ケト酸となり、α-ケトグルタルさんはグルタミン酸となります。
反応は可逆的です。
*アミノ酸+α‐ケトグルタル酸 ⇔ α‐ケト酸+グルタミン酸
【脱アミノ反応】
アミノ基転移反応で生じたグルタミン酸は、グルタミン酸脱水素酵素の作用を受け、
そのアミノ基をアンモニアとして遊離させるとともに、α‐ケトグルタル酸を生じます。
そのα‐ケトグル立つ酸は、再びアミノ基転移反応において、
アミノ酸からのアミノ基の受け取り手として働きます。
この反応は、NAD+またはNADP+を必要とします。
*グルタミン酸+H2O+NAD(P)+ ⇔ α‐ケトグルタル酸+NH3+NAD(P)H+H+
【窒素の生成】
アンモニアは人体にとって有害であるため、
主に肝臓の尿素回路で毒性の低い尿素に変換されて腎臓に運ばれ、尿中へ排泄されます。
尿素回路をもたない脳や筋肉などの組織で生じた多くのアンモニアは、
一旦グルタミンのアミド基の形に変えられて、血中を経て肝臓に取り込まれます。
グルタミンは肝臓で加水分解されてアンモニアを生じ、肝臓の尿素回路で処理されます。
腎臓で生じたアンモニアは、尿素に変換されることなくそのまま尿中に排泄されます。
【たんぱく質の栄養】
〇生物学的評価法
・生物価(BV):食物から吸収されたたんぱく質は、体内にどのくらい保留されたかと割合で示した値
*生物価=保留窒素量/吸収窒素量×100
=吸収窒素量ー(尿中窒素量ー代謝性尿中窒素量)/摂取窒素量ー(糞中窒素量―代謝性糞中窒素量)
×100
・正味たんぱく質利用率(NPU):正味たんぱく質利用率は生物価に消化吸収率を考慮したもので、
生物価に消化吸収率を乗じることで求められる。
*正味たんぱく質利用率=保留窒素量/摂取窒素量×100=生物価×消化吸収率
・たんぱく質利用効率(PFR)
*たんぱく質利用効率=体重増加量(g)/摂取たんぱく質量(g)
〇化学的評価法
・アミノ酸価:食品たんぱく質の不可欠アミノ酸含有量をアミノ酸評点パターンと比較して、
それよりも低い値のアミノ酸を制限アミノ酸といい、
その中でも最も不足しているアミノ酸を第一制限アミノ酸と呼びます。
*アミノ酸価=食品たんぱく質中の第一制限アミノ酸量(r/gN)/アミノ酸評点パターン当該アミノ酸量(r/gN)×100
次回、問題を出題します。
【たんぱく質の消化】
・胃での消化
摂取されたたんぱく質は、胃液中の塩酸(胃酸)で強く変性されます。
これにより消化酵素の作用が受けやすくなります。
胃から分泌されるペプシンによってポリペプチドに加水分解されます。
・小腸での管腔内消化
胃から十二指腸に送られたポリペプチドは、膵液中の各種消化によって、
さらにオリゴペプチド、トリペプチド、ジペプチドにまで加水分解されます。
・小腸での悪消化
管腔内消化分解物のオリゴペプチド、トリペプチド、ジペプチドは、
小腸吸収上皮細胞の微絨毛に細胞内に存在する各種ペプチターゼによって、
最終的にアミノ酸に加水分解されます。
【たんぱく質の吸収】
たんぱく質、ジペプチド、トリペプチドは、微絨毛膜に存在する輸送担体に介して細胞内に吸収されるが、
アミノ酸とジペプチド、トリペプチドは全く事夏能動輸送系によって吸収されます。
これは、2つの輸送系が互いに抑制することなく共同して機能するためです。
アミノ酸の吸収は、異なった基質特異性と持った複数の輸送担体を介して行われ、
多くがNa+の駆動力を利用して輸送されます(二次性能動輸送)。
一方、ジペプチド・トリペプチドは、H+の駆動力を利用して輸送されます(三次性能動輸送)。
ジペプチド・トリペプチドで輸送系で吸収されたほとんどのジペプチド・トリペプチドは、
細胞内のペプチダーゼで細胞内消化を受け、アミノ酸となって血管へ移行し、
門脈を経て肝臓に運ばれます。
【たんぱく質の合成】
体重1sあたりの1日の体たんぱく質合成量は、
体重増加の著しい新生児や乳児、幼児の方が成人よりも多い傾向にあります。
体たんぱく質合成は、食物由来のアミノ酸と生体内で合成されたアミノ酸の両方が使われます。
たんぱく質の合成は、細胞質内のリボソームで行われます。
DNAの情報をmRNAに転写し、mRNAの情報を翻訳することでたんぱく質合成が達成されます。
【たんぱく質の分解】
障害を受けたたんぱく質や不要たんぱく質の分解機構として、
ユビキチンープロテアソーム系、オートファジー系、カルパイン系などが知られています。
【窒素出納】
一日の窒素摂取量と、体外へ排泄される総窒素量との差を窒素出納と言います。
*窒素出納=摂取窒素量ー体外排泄窒素量
ヒトの体内の窒素のほとんどがたんぱく質由来であるため、
窒素出納によって、体内のたんぱく質代謝の胴的状態をみることができます。
窒素出納が性の場合は、体たんぱく質が蓄積されたことを、
負の場合は体たんぱく質が消費されたことを意味します。
正常な政治の窒素出納はゼロであり、
過剰なたんぱく質を摂取しても体たんぱく質として貯蔵されることもなく、
余分な窒素は尿中に排泄されます。
【食後、食間期のたんぱく質代謝】
食事摂取したタンパク質は、前述のようにアミノ酸となって吸収され、門脈を経て肝臓に運ばれます。
この語、アミノ酸は肝臓から血中に放出されるため、食後には毛中アミノ酸濃度が上昇します。
血中アミノ酸濃度の上昇は、筋肉などの組織での体たんぱく質の合成を促進します。
【アルブミン】
血漿には、通常たんぱく質は6〜8.5g/dL含まれています。
血漿中のたんぱく質としては。アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンがありますが、
アルブミンは血漿たんぱく質の約60%を占めています。
アルブミンは肝臓で合成され、血中へ放出されます。
半減期は2〜3週間です。
【急速代謝回転たんぱく質(RTP)】
癌ゲンキの短い血中たんぱく質が、短期間の栄養状態の評価、術後回復の判定指標として用いられます。
このような代謝回転の速い血中たんぱく質を急速代謝回転たんぱく質といい、
レチノール結合たんぱく質、トランスサイレチン(プレアルブミン)、トランスフェリンなどがその例です。
【アミノ基転移反応】
大部分のアミノ酸は、アミノ基転移反応によってα-アミノ基をα-ケトグルタル酸に渡し、
自身はα-ケト酸となり、α-ケトグルタルさんはグルタミン酸となります。
反応は可逆的です。
*アミノ酸+α‐ケトグルタル酸 ⇔ α‐ケト酸+グルタミン酸
【脱アミノ反応】
アミノ基転移反応で生じたグルタミン酸は、グルタミン酸脱水素酵素の作用を受け、
そのアミノ基をアンモニアとして遊離させるとともに、α‐ケトグルタル酸を生じます。
そのα‐ケトグル立つ酸は、再びアミノ基転移反応において、
アミノ酸からのアミノ基の受け取り手として働きます。
この反応は、NAD+またはNADP+を必要とします。
*グルタミン酸+H2O+NAD(P)+ ⇔ α‐ケトグルタル酸+NH3+NAD(P)H+H+
【窒素の生成】
アンモニアは人体にとって有害であるため、
主に肝臓の尿素回路で毒性の低い尿素に変換されて腎臓に運ばれ、尿中へ排泄されます。
尿素回路をもたない脳や筋肉などの組織で生じた多くのアンモニアは、
一旦グルタミンのアミド基の形に変えられて、血中を経て肝臓に取り込まれます。
グルタミンは肝臓で加水分解されてアンモニアを生じ、肝臓の尿素回路で処理されます。
腎臓で生じたアンモニアは、尿素に変換されることなくそのまま尿中に排泄されます。
【たんぱく質の栄養】
〇生物学的評価法
・生物価(BV):食物から吸収されたたんぱく質は、体内にどのくらい保留されたかと割合で示した値
*生物価=保留窒素量/吸収窒素量×100
=吸収窒素量ー(尿中窒素量ー代謝性尿中窒素量)/摂取窒素量ー(糞中窒素量―代謝性糞中窒素量)
×100
・正味たんぱく質利用率(NPU):正味たんぱく質利用率は生物価に消化吸収率を考慮したもので、
生物価に消化吸収率を乗じることで求められる。
*正味たんぱく質利用率=保留窒素量/摂取窒素量×100=生物価×消化吸収率
・たんぱく質利用効率(PFR)
*たんぱく質利用効率=体重増加量(g)/摂取たんぱく質量(g)
〇化学的評価法
・アミノ酸価:食品たんぱく質の不可欠アミノ酸含有量をアミノ酸評点パターンと比較して、
それよりも低い値のアミノ酸を制限アミノ酸といい、
その中でも最も不足しているアミノ酸を第一制限アミノ酸と呼びます。
*アミノ酸価=食品たんぱく質中の第一制限アミノ酸量(r/gN)/アミノ酸評点パターン当該アミノ酸量(r/gN)×100
次回、問題を出題します。
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