2017年08月28日
H脂質の代謝と栄養【解説】
昨日の脂質の代謝と栄養の問題の解説です。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。
リポたんぱく質リパーゼは、リポたんぱく質中のトリアシルグリセロールを
脂肪酸とグリセロールに分解する酵素である。
(2)誤り。
VLDLは、トリアシルグリセロールを肝臓から末梢組織へ輸送するのに役立っている。
(3)誤り。
VLDLはLDLの前駆体である。
(4)誤り。
LDLは、コレステロールを肝臓から末梢組織へ輸送している。
コレステロールを肝臓以外の組織(末梢組織)から引き抜いて肝臓へ移送しているのは、HDLである。
(5)正しい。
【解説】…正答(4)
(1)誤り。
脂肪酸のβ酸化は、脂肪酸アシルCoAのカルボキシル基側から炭素原子を
2個ずつ離脱してアセチルCoAを生成する反応である。
(2)誤り。
ケトン体は、ミトコンドリア内で生成される。
(3)誤り。
食事由来の脂肪酸は、小腸吸収上皮細胞でカイロミクロン(キロミクロン)という
リポたんぱく質になって、リンパ管を経て血中に出る。
(4)正しい。
アシルCoAはそのままではミトコンドリアの内膜を通過できないため、
カル二チンと結合したかたちで通過する。
(5)誤り。
脂肪酸のβ酸化は。ミトコンドリアのマトリックスないで行われる。
【解説】…(2)
(1)誤り。
食後には、血中遊離脂肪酸濃度は低下する。
血中遊離脂肪酸濃度が上昇するのは空腹時である。
(2)正しい。
食後吸収された脂質はカイロミクロンに取り込まれ、末梢組織に運搬される。
末梢組織では、リポたんぱく質リパーゼによってトリアシルグリセロールが分解される。
(3)誤り。
血中HDL-コレステロール濃度は、食事による影響を受けない。
(4)誤り。
食後には、肝臓における脂肪酸合成は上昇し、トリアシルグリセロールの合成が進む。
(5)誤り。
食後には、脂肪組織におけるトリアシルグリセロールの合成が進む。
脂肪組織でのトリアシルグリセロールの分解が進むのは、空腹時である。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
胆汁単の腸肝循環という。
(2)誤り。
肝臓で合成され、分泌された胆汁単は一次胆汁酸(コール酸、ケノデオキシコール酸)である。
二次胆汁酸(デオキシコール酸、リトコール酸)とは、
一次胆汁酸が、腸内細菌によって脱抱合化と脱水酸化を受けたもののことである。
二次胆汁酸には発がん作用がある。
(3)誤り。
抗生物質投与により腸内細菌が減少するため、糞便中への二次胆汁酸の排出は少なくなる
(一次胆汁酸は二次胆汁酸に変換されず、一次胆汁酸のまま排泄される)。
(4)誤り。
コレステロールの合成は、肝臓や小腸などで行われる。
(5)誤り。
肝臓でのコレステロール合成は、フィードバック阻害される。
コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素は、
最終産物であるコレステロールによってフィードバック阻害される。
Q1.ヒト体内での脂質の輸送に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)リポたんぱく質リパーゼはHDLを構成するたんぱく質の1つである。
(2)VLDLはトリアシルグリセロールを脂肪組織から肝臓へ輸送するのに役立っている。
(3)LDLはVLDLの前駆体である。
(4)LDLはコレステロールを肝臓以外の組織から引き抜いて肝臓へ輸送している。
(5)肝細胞はLDLを取り込むための受容体をそなえている。
(2)VLDLはトリアシルグリセロールを脂肪組織から肝臓へ輸送するのに役立っている。
(3)LDLはVLDLの前駆体である。
(4)LDLはコレステロールを肝臓以外の組織から引き抜いて肝臓へ輸送している。
(5)肝細胞はLDLを取り込むための受容体をそなえている。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。
リポたんぱく質リパーゼは、リポたんぱく質中のトリアシルグリセロールを
脂肪酸とグリセロールに分解する酵素である。
(2)誤り。
VLDLは、トリアシルグリセロールを肝臓から末梢組織へ輸送するのに役立っている。
(3)誤り。
VLDLはLDLの前駆体である。
(4)誤り。
LDLは、コレステロールを肝臓から末梢組織へ輸送している。
コレステロールを肝臓以外の組織(末梢組織)から引き抜いて肝臓へ移送しているのは、HDLである。
(5)正しい。
Q2.脂質の代謝に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)脂肪酸のβ酸化は、カルボキシル基側から炭素原子が1個ずつ離脱していく反応である。
(2)ケトン体は、肝臓の細胞質で生成する。
(3)食事由来の脂肪酸は、小腸粘膜細胞内でトリアシルグリセロールに生合成され、
HDLの成分として血液中に放出される。
(4)アシルCoAのアシル基は、カルニチンに転移され、アシルカルニチンとして、
ミトコンドリア膜を通過する。
(5)脂肪酸のβ酸化には、ゴルジ体で行われる。
(2)ケトン体は、肝臓の細胞質で生成する。
(3)食事由来の脂肪酸は、小腸粘膜細胞内でトリアシルグリセロールに生合成され、
HDLの成分として血液中に放出される。
(4)アシルCoAのアシル基は、カルニチンに転移され、アシルカルニチンとして、
ミトコンドリア膜を通過する。
(5)脂肪酸のβ酸化には、ゴルジ体で行われる。
【解説】…正答(4)
(1)誤り。
脂肪酸のβ酸化は、脂肪酸アシルCoAのカルボキシル基側から炭素原子を
2個ずつ離脱してアセチルCoAを生成する反応である。
(2)誤り。
ケトン体は、ミトコンドリア内で生成される。
(3)誤り。
食事由来の脂肪酸は、小腸吸収上皮細胞でカイロミクロン(キロミクロン)という
リポたんぱく質になって、リンパ管を経て血中に出る。
(4)正しい。
アシルCoAはそのままではミトコンドリアの内膜を通過できないため、
カル二チンと結合したかたちで通過する。
(5)誤り。
脂肪酸のβ酸化は。ミトコンドリアのマトリックスないで行われる。
Q3.食後の脂質代謝に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血中遊離脂肪酸濃度が上昇する。
(2)血中カイロミクロン(キロミクロン)のトリアシルグリセロールの分解が進む。
(3)血中HDL‐コレステロール濃度が上昇する。
(4)肝臓における脂肪酸合成が低下する。
(5)脂肪組織におけるトリアシルグリセロールの分解が進む。
(2)血中カイロミクロン(キロミクロン)のトリアシルグリセロールの分解が進む。
(3)血中HDL‐コレステロール濃度が上昇する。
(4)肝臓における脂肪酸合成が低下する。
(5)脂肪組織におけるトリアシルグリセロールの分解が進む。
【解説】…(2)
(1)誤り。
食後には、血中遊離脂肪酸濃度は低下する。
血中遊離脂肪酸濃度が上昇するのは空腹時である。
(2)正しい。
食後吸収された脂質はカイロミクロンに取り込まれ、末梢組織に運搬される。
末梢組織では、リポたんぱく質リパーゼによってトリアシルグリセロールが分解される。
(3)誤り。
血中HDL-コレステロール濃度は、食事による影響を受けない。
(4)誤り。
食後には、肝臓における脂肪酸合成は上昇し、トリアシルグリセロールの合成が進む。
(5)誤り。
食後には、脂肪組織におけるトリアシルグリセロールの合成が進む。
脂肪組織でのトリアシルグリセロールの分解が進むのは、空腹時である。
Q4.コレステロール代謝に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)胆汁酸は、回腸で吸収され、再利用される。
(2)二次胆汁酸とは、肝臓で合成され、分泌された胆汁酸のことである。
(3)抗生物質投与は、糞便中への二次胆汁酸の排出を高める。
(4)コレステロールの合成は、小腸では行われない。
(5)肝臓でのコレステロール合成は、フィードバック阻害されない。
(2)二次胆汁酸とは、肝臓で合成され、分泌された胆汁酸のことである。
(3)抗生物質投与は、糞便中への二次胆汁酸の排出を高める。
(4)コレステロールの合成は、小腸では行われない。
(5)肝臓でのコレステロール合成は、フィードバック阻害されない。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。
胆汁単の腸肝循環という。
(2)誤り。
肝臓で合成され、分泌された胆汁単は一次胆汁酸(コール酸、ケノデオキシコール酸)である。
二次胆汁酸(デオキシコール酸、リトコール酸)とは、
一次胆汁酸が、腸内細菌によって脱抱合化と脱水酸化を受けたもののことである。
二次胆汁酸には発がん作用がある。
(3)誤り。
抗生物質投与により腸内細菌が減少するため、糞便中への二次胆汁酸の排出は少なくなる
(一次胆汁酸は二次胆汁酸に変換されず、一次胆汁酸のまま排泄される)。
(4)誤り。
コレステロールの合成は、肝臓や小腸などで行われる。
(5)誤り。
肝臓でのコレステロール合成は、フィードバック阻害される。
コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素は、
最終産物であるコレステロールによってフィードバック阻害される。
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