梅尾の明恵という人。
華厳宗。
法然上人と同じ時代。
法然上人にたてついた男。
聖浄廃立のできていない人には、大変な人気。
大変に気をはりつめていた、と言われていたのですね。
雑炊が好物で。
それを知った弟子が、明恵の所へ、とびきり美味しい雑炊を作った。
一口入れた所、眉がぴくぴくっと動いて、
サンをすーっと指でこすって、ホコリを雑炊に入れて食べた。
掃除っていうのが、非常に重要で、ちょっとでもホコリがあってはならない
弟子達は、お師匠さまに、やられる〜、と思っていた。
そうじゃないそうじゃない。
あまりにも美味しかったので、食した瞬間に、
もっと食べたい、執着の心が、むらむらっと出てきたから、
味を落として執着を起こさないようにしたのだ。
それくらいぴりぴりだった。
念珠ってありますよね。
数珠は煩悩を表したもので、
正式なものは108ある。
折りたたんでつかっている。
地べたに放り投げるなんて、もっての他。
歩いていた時に、ふっとした事で、落としてしまった。
ところが、ぴりぴりに気をはっているのですから、右手で落と
したのを、左手で、すっと地面すれすれで拾い上げた。
ところが、すれすれの所でキャッチした時に、よかったー、あぁよかったーと思った。
その心によって、明恵が今まで悟ってきた悟りはがらがらがらっと崩れ去ってしまった。
さとりを開くことがいかに大変か、が知らされます。
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