ネコと贅沢　ボンビーライフ

安倍首相：消費増税の２年半延期を正式発表−参院選で信問う
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-01/O82GWE6KLVRN01



消費税い引き上げ延期の首相の会見を聞いたけど
なんだか言い訳じみているし
占い師の話法のようであった。

サミット時の「リーマンショック」発言に対して
各国のメディアでも批判されていたから
火消しのために世耕官房副長官が
「あの発言は私の言葉足らずだった」と泥をかぶったのだが、
安倍首相はこの会見で
リーマン・ショックとは全く違うが
リーマン・ショックに似た状況だという訳の分からない説明をした。
世耕氏の訂正が意味を失ってしまった。

占い師の話法というのはどういう事かといえば、
今回の会見で首相は
「経済の流れがリーマン・ショックの頃と同じような状況にある。
だから手を打たなければいけない。
そのために増税を延期する」
という説明を行った。
これはリーマンショック級の経済危機が起これば
「私の言ったように起きたでしょ。
だから各国は真剣に私の意見を受け止めるべきだった」と言えるし、
危機が起きなければ
「だから言ったでしょ。
私が対処したからこそ危機を回避できた。」と言える。
つまりどちらに転んでも自分の手柄になる
という賢い説明の仕方なのだ。

占い師も同じような論法を用いる。
あなたに病魔が迫っている、と恐怖を煽り、
この〇〇を買いなさい。これがあれば病魔を避けることができる、と説く。
相談者が病気になれば
「あなたが〇〇を買ったからこそこの程度の病気ですんだ。
〇〇を買わなければもっと重病になっていた。」と言い、
病気にならなければ
「〇〇があなたを守ってくれたおかげで
あなたから病魔が去ってった。」と言う。

この論法を安倍首相はもう一つ使っている。
「次の参議院選で増税延期の信を問う。」

財務官僚でもなければ増税を望む人はいないはずだ。
誰だって税金は安いほうがいい。
しかも間接税である。
誰にでも平等に買い物をすれば取られる税金なのだから
免れようのない税金である。
消費しない人はいないのだから
税金は安ければ安いほど嬉しいのは当然である。

だからこの論法はズルい。
信を問うのなら
「将来に向けて国の借金を先送りするかどうか」
とするべきである。

ただ今ひとつ分からないのは
増税すると税収が減るから増税しない、
という理屈である。
単純に考えて増税して税収が減るのなら
増税する意味がないではないか。

つまり１０％くらいの増税では意味が無いということだ。
１０％くらいでは税収アップの分岐点に達しておらず、
財務省の想定を鵜呑みにすれば
２０〜３０％まで上げなければ税収が上がらないことになる。

だが、そんなことを説明しても
こんなに極端に増税すれば
間違えなく選挙で自民党は負ける。
だから税収を下げることなく維持するためにも
自民党が選挙に勝つためにも
消費税増税は延期するしかなかったのだ。

衆参同日選挙踏み切らなかったのは
自信の無さの現れだろう。
なにせ増税延期は公約違反である。
選挙投票日までに世間がどのように変化するか、
またどんなスキャンダルが出てくるか分かったものではない。

果てさてこの延期判断、
吉と出るか凶と出るか。