円安は、ドル等の外国通貨に比べ、日本円の価値が下がること。円安によって輸入品の価格が上がることになるため、様々なものの値段が上がることになります。
最近5年間の日本円とドルとの関係で見ていきましょう。2012年末に1ドル80円台だったドル・円レートは、円安に振れ、半年で100円を突破。その後、2015年1月時点では1ドル120円前後で推移していました。
そして昨年2022年のウクライナ危機などの世界情勢の変化で、インフレ進行、利上げを行う諸外国との金利差により大きく円安に振れ、現在2023年6月時点では139円台となっています
外貨預金で為替差益をゲット
円安が進む中でお金を日本円で預金したとすると、時間の経過とともにその価値は減ってしまうことになります。それを避けるにはどうすればよいでしょうか。
もうお分かりだと思いますが、手持ちの日本円で外貨を買い、外貨で貯めることです。
多くの金融機関では、ドルやユーロ等の外貨預金口座を作ることができます。
たとえば、手元に100万円があり、1ドルが80円の時にドルに変えると12500ドル。このドルを、1ドル120円の時に円に変えると150000円になります。実際は手数料等がかかりますので、手にする金額は少なくなりますが、なかなかインパクトのある数字です。
また、低金利にある日本の預金より高い金利が設定されている国が多いのもポイントです。
外貨預金は、差益を得るために行うほか、円が上がっても下がっても資産が目減りしないよう、ドルなどほかの通貨と分散して所有することでリスクを減らすためにも行われています
FX投資はハイリスク・ハイリターン
日本円と外貨の価値の差を利用した運用方法には、ほかにFX(外国為替証拠金取引)があります。
FXの特色は、手元に通貨を持っていなくても売ることができることにあります。ある通貨に対して円高が予想される時でも、手元にない外国通貨を売ることができるのです。また、外国との金利の差(スワップポイント)により利益を受けることもできます。
FXによる投資の元手となるのは、FX会社に預ける「証拠金」。FXのもうひとつの特色は、この証拠金の数倍、数十倍に相当する通貨を売買すること。この仕組みを「レバレッジ」といいます。レバレッジは「てこ」のこと。
てこをつかって小さい力で重いものを持ち上げるように、少ない元手でもレバレッジをかけることで大きなリターンが期待できるのです。
ただし、為替の動きは、投資のプロであっても読むのが難しいと言われるものです。
外貨預金であれば、円換算のお金の価値が目減りしても、手持ちのお金がゼロになることは考えられませんが、レバレッジをかけるFXの場合、損失も数倍、数十倍となります。
証拠金を追加する「追い証」を要求されることで、手元のお金がゼロあるいはマイナスになる大きなリスクがあることも忘れてはなりません。
外貨を使った資産運用に限った話ではありませんが、リスクとリターンを知り、方針に合わせて投資方法を選択することが大切です
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