三省堂の新明解国語辞典は現在第8版を数える老舗の国語辞典
解説のわかりやすさが特徴で、難解な言葉や表現でも、分かりやすく誰でも手軽に利用できます。また、例文も豊富で、文脈や用法を理解するのに役立ちます。
さて、この新明解、人気の一つとして言葉の魅力を引き出すような解説があります。これにより、辞書そのものが読み物として楽しめる要素を持っています
そしてとくに人気があるのが1989年発行の四版なんです。
この解説の魅力は、現代アーティストであり芥川賞作家でもある赤瀬川源平の『新開さんの謎』などで取り上げられ。一時カルト的人気を得ました。
例えば【恋愛】の解説
特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態
妙に情念のこもった記述です。
そのほか「動物園」
生態を公衆に見せ、かたわらに保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
言い方
「マンション」
スラムの感じが比較的少ないように作った、鉄筋のアパート式高層住宅。
言い方!
などなど、盛んに引用される解説文は数多くあります。
なお、後に続く版では、基本は受け継がれつつも、表現がどんどんマイルドになっているのは残念というかなんというか。
だからこそ、第四版は、中古市場で数多く出回っていながら多少のプレミアムが付いています。
アマゾンマーケットプレイスやメルカリがポピュラーになってからはいくらか値段は落ち着いているのですが、状態が非常に良いものは3000円から4000円で取引されることもあったりします。
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これからも美品は高値必至。きれいなものが安くなっていたらチャンスかも
ちなみに第五版はAmazonで常時1円〜であり、この版の人気がうかがえます
最後に新明解の編者は日本を代表する言語学者の金田一京助さんですが、いわゆる「名義貸し」でほとんどこの辞書の編纂にタッチしていないという都市伝説?もあります。
そんな「謎」多き新解さん、ぜひ一度手に取ってみては
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