しかし、過度に不安を持つことも考えもの。
しっかりした計画で、生活費の困難が何によって起こるのかを冷静に考え、それに手当する方法を検討しましょう。
フロー・ストックを両方見る
老後の生活を考える上で大切なのは、定期的に得られる「フロー」の収入、そして手持ちの資産「ストック」の2つを確保することです。
フロー収入は、歳を重ね、退職することにより減ることはほぼ確実です。年金は高齢になってからのフロー収入として重要な存在です。
資産運用により得られるフロー収入としては、金利や配当、不動産経営における家賃収入等があります。これらを合計し、生活その他に十分な額であるかを考える必要があります。
そしてストックは、預金や有価証券、実物資産等、所有する資産のことです。
収入が足りない場合、預金を下ろして生活費に充てることができるほか、有価証券や実物資産は売却して現金を得ることも可能。物価や資産価値により額に大きな変動が生まれるのも特徴です。
ある程度のフロー収入がなくては不安ですし、その逆も同様。ストックが少ないと定期収入があっても不安は払しょくできません
資産運用を行う際は、フロー、ストックの両面を確保する、適切な方法を選ぶことが重要なのです。
40代、50代は打てる手が少なくなる
さて、どのような運用を選択するにしろ共通している真理があります。
「資産運用は、なるべく若いうちに始めたほうが良い」ということです。
毎月一定額の給料をもらっているサラリーマンの皆さんは、月々運用に回すことができる金額がほぼ決まっているはずです。
無理をして支出を絞ってみたところで、長くは続きません。
若いうちからコツコツ資産運用を始めれば、月々の投資額は低くても着実に積み上がり、運用益を再投資することで、さらにストックが増加します。いわゆる福利効果といわれるものです
仮に、若いうちのフロー収入をすべて使ってしまい、50代、60代になってから老後の生活に備えるにはどうでしょうか。
できることは限られます。
投資のために月々の収入の大半を投資しても、運用益も積みあがりません。それを補うため、リスクの高い投資に乗り出し、大事な財産を失ってしまう事例も少なくありません。これではまるでギャンブルです。
老後のための財産形成を早くから行っておくことの目的は、必ずしも、自分が高齢になったときの幸せだけではありません。
将来不安が少なくなることで、今現在、若い時期をいきいきと、前向きに過ごすことができます。
余裕資産があるからこそ、リスクをとって勝負することもできますよね
資産運用はそのための味方となってくれるのです。
昨今、高校などで金融教育がスタートしたと話題になっていますが、若いうちから自分自身のライフプランをお金の視点で見ることの必要性は疑いようがありません。
しかし、それは正しい知識と考え方を得てこそ。私自身は、若いうちからの金融教育は、やりようによってギャンブル的な価値観を植え付けてしまう恐れがあり、(短期的には)しょうもない投資詐欺の被害者を爆発的に増やしてしまうのではないかという不安も持っています
しかしそれはある意味で生みの苦しみと呼べるものかもしれません
いずれにしろ、お金の問題に目を背けず、リスクとリターンの考え方を正しく学ぶことは将来のために極めて大切なのだと思います
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