11月5日午前零時、台東区・浅草近く千束の鷲(おおとり)神社に「一番太鼓」が鳴り響きます
秋の風物詩、酉の市のはじまりです
鷲神社は、天日鷲命(あめのひわしのみこと)と日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る神社。
その一年に一度の例祭が「酉の市」です。
毎年11月、十二支の「酉の日」に執り行われます。年の干支が12年でひとめぐりするように、日の干支も12日めぐり。
11月の酉の日の回数は年毎に異なり、「二の酉」までの場合と「三の酉」まで行われる場合があります
そして今年2024年11月は一の酉が5日(火)、二の酉が17日(日)、三の酉が29日(金)。と「三の酉」まで行われます。
当日、鷲神社の周囲は多くの参拝客、見物客でにぎわい、社の回りの道路には出店が立ち並びます。
酉の市は0時から0時まで終日行われるため、一日中にぎやかです。
とくに二の酉は日曜日、三の酉は花金!多くの来客が予想されます。
酉の市の象徴といえば、「かっこめ」といわれる「熊手」のお守り。
熊手とは、神社やお寺などで落ち葉を集めるときにつかうもの、学校の校庭なんかでも観たことがあるあの道具
これをしめ縄、小判やお多福、七福神等のおめでたい飾りで装飾したものが、境内の露店に所狭しと並びます。
熊手を商う出店は全国ニュースで取り上げられますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
熊手はその形状・用途から、お客様を集める、福を招き、呼び寄せるといった意味合いで大変縁起の良いものとされています
鷲神社の例祭はもともと、多くの日本の秋祭と同様、収穫祭として行われていましたが、いつしか、商売繁盛のお祭りとして知られることとなりました。
「おおとり」という、いっぱいのお客さん、福をとりにいく語感も、その風習につながったことは想像に難くありません。
酉の市の熊手売り場をにぎやかにしてくれるのは、参拝客、見物客の声だけではありません
熊手が売れると、お店の人たちが、いわゆる3本締めの手拍子で威勢の良い掛け声。
この声が、境内あちこちから聞こえてきます。これがなんともいえないハレ感を盛り上げてくれます
酉の市の日は、浅草界隈で、購入した熊手を持っているビジネスマン、家族連れがあちこちでみられます。竹の太い取っ手を肩に担いで歩くその姿は、どこか誇らしげで、観ているこちらまでうれしくなってしまいます
熊手は大小さまざま。大きなものだと、企業等が買い求める数十万円のもの、最高100万円のものまであるといわれます。
なお、福を呼び寄せるためには毎年買う熊手を大きくしていく、という風習もあり、地元企業の方は競うように大きなものを買うわけです
この風習、なかなか面白いのですが、ある意味悪魔的(こら)ともいえる風習でもあります。初めて買う人はちょっと不安かもしれません。
大丈夫、酉の市の露店には、卓上の置物サイズのものや、数百円のストラップのような熊手のアクセサリーなどもたくさん。
ここからはじめればいいのです
ここから毎年大きくして、あと数十年・・・・・、って結局数十万円のものになってしまいそうですね。
まあ、もちろん毎年大きくしていくのは理想であって、懐具合で身の丈に合ったものを買っていけばよいのです。気持ちのモノですからぼちぼちややりましょう。
なお、酉の市の風習は江戸から始まり関東を中心に広がったもので、浅草以外にも新宿の花園神社、横浜金刀比羅大鷲神社などでも行われています
今年は三回、三の市まで開催されます。
ぜひ、立ち寄ってみてください。
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