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2016年09月04日
要約・天声人語(9/4)
格差婚…松山善三さん逝く
若い助監督・松山善三さんの月給は1万2500円。妻で俳優の高峰秀子さんは映画一本100万円級。
高峰さんに憧れ、脚本家の卵となり撮影現場で高峰さんと出会う。
つき合う事を監督に認めてもらおうと進言するも「身の程を弁えなさい」と。
(斎藤明美著「家の履歴書 文化人・芸術家編」)
正直さが高峰さんの心をつかみ1955(昭和30)年に結婚。
「3年ともたないのでは」とささやかれたが、おしどり夫婦となった。
妻を「負けず嫌いで頑固一徹、明治生まれの爺ィに似ている」といいながら「大恩人」とあがめた。
弱者の命が輝く映画を残した。
デビュー作は「名もなく貧しく美しく」。
「典子は、今」は大ヒット。
高峰さんが亡くなって6年、松山さんが亡くなった。91歳。
「格差」を補って余りある夫婦だった。
感想とか…
まさに映画のようなご本人の人生です。
松山善三監督も高峰秀子さんも知らないのですが、有名映画女優と助監督の結婚となれば当時のマスコミはこぞってその話題をとりあげたと思います。
「3年ともたない…」とささやかれるあたり、今も昔も変わらないのだなと思い残念です。
残念というのは、約60年経ってもあまり世間が成長していないというか成熟していないと思うからです。
人間の恋愛についての事なので、60年やそこらでそんなに大きくは変わらないと思いますが、社会の受け止め方が変わっていないことに成長がないなと思います。
成長しなければいけないのか?
やはりこれだけメディアは発達すれば芸能人であれスポーツ選手であれ、著名人に対するプライバシーの保護は難しくなるとは思います。
でも、だからこそ彼らに配慮できる成熟した社会必要なんじゃないかなと思うんです。
私が見たいのは彼らのパフォーマンスであって、裏側ではありません。
そのプライベートも含めて商業活動であるというのであれば、本人たちにとっては利益なのかもしれませんが、それを知らされる側はあまりいい気がしないと思います。
少なくともわたしはそうです。
個人情報の保護がさけばれて時間が経ちますが、そういいながら他人の隠しておきたいことは覗き見したい…。
そんな大人げない風潮が、私には成熟していない社会だと感じられて残念でなりません。
本人と他人の意識には差があります。個人の間にも差があります。
すべてを何かのモノサシで推し量ることはことはできませんが、相手に対する配慮がもう少しあっていいと思います。
そうなれば、「格差」を話題にすることもなくなるような気がします。