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2017年11月03日

TwinEgg 〜狂気の村と二つの神〜 レビュー感想 荒唐無稽ながらも勢いがある(ネタバレ)

▼創作同盟くりめいとという、法政大学の学生(現OB)が卒業製作で作ったという、一風変わった同人ゲーム。学部はどこだろうね


最近は卒業製作がゲームってのが増えた。時代だね。











葛場礼、三崎来夢、八代光之助、3人の主人公を選んでいく推理ゲーム…くらいに思ってプレイ





3つのシナリオの攻略順だが、礼、来夢、八代が一番時系列的にも話を理解出来るのでお勧め









・葛場礼ルート





最後まで墓場に見えて仕方なかった








オカルト好きの新聞部の少年が、後輩の女子、真紀と、カルト宗教のあると思しき過疎の村に、完全に興味本位の調査に赴く。






調査の途中で謎の洞窟を見つけるが、先程まで元気娘だったヒロイン真紀は、唐突に我を失って虚ろな目をしている。そこで見たものは、この世のものとは思えない怪物だった
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ファッ!?









このゲーム、そういう世界観なんか…









村にカルトがあるのではなく村そのものがカルトというオチで、二人は信者に追い詰められてしまう。










ヒロイン、唐突に死亡…
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ええええぇぇぇっぇええぇぇ…。






展開、早!!!








礼も殺されそうになるが寸でのところで謎の男に救われる。(この謎の男もまた、SFに被れたようなキャラデザで驚く。)



だが謎の男も味方というわけではなく、カルトに対して怨恨のある反対勢力だった…






真紀の弔いをするためにも、礼は事件について本気で調査を開始する















・三崎来夢ルート


名前がばくおんの川崎来夢にそっくり…川を横にしただけだし。でも多分偶然






脚ほっそ!

優しい世界_No-0005.jpg









3つのシナリオで一番面白かった。なかなかスリリングな頭脳戦で、女子大生来夢と、バスジャック犯の駆け引きが繰り広げられる。



やはり、明確に敵が目の前にいるというのがいい。礼ルートは戦いというより、ただの逃避行だったし






だが最後があまりにもあっけなく、覚醒した来夢が犯人をボコボコにして一応その場は解決。



え?これで終わり?


拍子抜け







しかしウイルス感染は止まらず、犯人には逆らえない乗客一同。試合に勝っても勝負には負けてしまうようなエンディング







福岡が舞台で、モブが全員方言だが、来夢のみ標準語。なぜ?









・八代光之助ルート





八代以外の警察が、無能すぎる。



初期の目暮警部くらい無能。


さすがに八代に通話を交代しろと言われただけで内通者だ!ってのは短絡的過ぎるでしょ。




ヒロインキャラっぽい真壁も非道な無能だし、出した意味あるの?くらいのキャラ





3つのシナリオで一番つまらなかった。理由は間違いなく、刑事ものに見えて捜査が現場ではなく会議室で行われているので、とにかく話が動かないことだろう




これには「事件は会議室で起きてんじゃない!!現場で起きてんだ!!」の青島もブチギレである






そしてやっと始まる捜査





だが、ノートPCのバッテリーを切らし、車もガス欠で無能を晒す八代。早くも敵の工作か!?






と思いきや、まさかの八代の凡ミス。







八代、お前までも無能なのか…











センチュリー(何故センチュリー?覆面パトカー…?)に乗ってきた部下の車で、捜査開始。ここでやっと話が動き出す























▼さて3つのシナリオをクリアすると出てくる完結編だが、選択肢が多く細かく分岐するように見えて、ゲームオーバーが序盤にあるだけで、バッドエンドもないので、気軽に遊べた





私が見たのがトゥルーエンドという前提で語ると攻略難易度は非常に低いので、ADV初心者にもお勧めだ















▼3人の主人公が総登場するが、作者が大学生だったということで、女子大生に羨望でもあるんだろうか。




ここにきて、来夢の強さが完全に現実離れしている








来夢編でもありえない強さだったが、空手を始めたばかりの女子大生が、武装集団をたった一人で無双。


挙句キックで吹っ飛ばして、吹っ飛ばされた相手が何度もバウンドって…




バキかな?









銃まで使いこなすし、倒した敵を盾にするのなんて、アクション映画や龍が如くじゃあるまいし、まあ不可能でしょ。






普通なら取っ捕まって薄い本状態ですよ






完全に現実離れした厨2ファンタジーだが、ここにきて人間のスペックまで現実離れしている。















▼そんな化物来夢を筆頭にテロ集団を壊滅させた主人公チーム。これで解決と思いきや、まだビルを爆破した人物が謎のままだ




そんな時、目の前に現れたのは、死んだはずの真紀だった…
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だが変わり果てた姿で再登場。定番ですな











▼ここまで来たら、まあ生きたまま元の姿に戻るって思うじゃん?






助かると思いきや、極悪非道な化物来夢の射撃により(展開によっては八代)、真紀、今度こそ死亡…








えええええええぇっぇええ…








そこで殺すのかよ。復活した以上、生存ルートじゃねーのかよ!!







しかも来夢たちは知らん顔








▼主人公トリオで真紀の墓参りをして、これからも「生きる」と誓いエンディング。







作品のテーマ性はこれですね、生きるとか、自分の人生とか。


来夢は間接的とはいえ自分の両親を殺してしまった。そして悪人とはいえテロ集団を何人も殺した



礼は自分の好奇心のせいでヒロインが死ぬことになってしまった。最後は自分が殺したも同然







でもこのテーマ、八代には関係ないよね





なのでどうも纏まりに欠けるエンディングで、綺麗に見えて不自然な終わり方でした。これで、トゥルーエンドなのかな








八代にも何かしら生き死にに関するテーマが欲しかったね。



例えば過去に救えなかった被害者がいるとか、刑事ならではのストーリーはいくらでもありそうなものだけどね














▼ちょっとこれはないなあ、という点も幾つか


・敵組織が「神」を作るのに費やした時間がたったの3年であること。新薬を作るのだって何十年も掛かるのに、たった3年で、さも長年苦悩したみたいに言うのは科学者の台詞としてはおかしい気が…。ましてや若手ならまだしも、犯人グループは中年のオッサンたちだしね…






・「神」が閉じ込められた時間を「15年も」というが、これもスケール感としては相当タイニィで、作中ではさも世界征服をするくらいのノリなのに、話が小さくて拍子抜けした





・アイコンやOPムービー、ゲーム紹介ページはネタバレしすぎですね。私はクリア後に見たけど、ヒロイン死亡くらいは伏せた方がいいでしょう。




・礼とヒロインの関係が曖昧な事。作中の関係は、せいぜい身勝手な先輩と、それに嫌々ながらも付き合わされる人のいい後輩程度でしかない。なのに礼は真紀が死亡し、大きなショックを受け、義憤に駆られる。そこまでの描写が浅いので礼がオーバーに喚いて、命懸けで戦う理由が薄い。終盤で唐突に「僕の親友」と言うけど、え?そんな仲良かったか?のレベル。これは恋人同士の設定のほうがマッチしたのでは




・選択肢が他の主人公に与える影響が薄い。街〜運命の交差点〜や428クオリティは期待しないが、もう少しザッピング的なものがあったほうが、臨場感があった





・バスジャックが14か所で行われていたという設定の意味不明さ。全国14か所で、福岡からが一番遠いらしい。一体ほかはどこをジャックしたんだろう?






・それらのテロリストも一切登場しない(エレベーターの前にいたくらい。そういえば彼は一体どこに?)「テロ集団」といいながらたった数名しか出てこない。他のテロリストは一体どこへ?(真紀が倒した?)





・14か所でテロがあったことを主人公たちは知ってるのに、テロリストがたった数名しかいないと認識しているのはおかしい。たった数名倒しただけで壊滅させたみたいな空気になってて凄い違和感






・ビルの警備員とかはどこにいったの?捕虜にされてるにしても、ビル内や周辺にいないのは変。まあこれは殺されたのかもしれないが、なら動き回っても死体がないのはおかしい







・真紀に乗り移った神、過疎の村から東京までどうやって来たんだろう?主人公でさえ夜間なので電車を使うのに苦労していたのに




・来夢がたまたま抗体の持ち主だったりするが、これも特に理由なし。まあバイオの主人公たちもたまたまTウイルスの抗体持ってるけどね。そもそも14人もいるバス運転手も平然としているところを見るに、恐らく感染していない。または感染しても平気。え?何この不完全ウイルス、感染率すげえ低いじゃん






・テロリストを4人は殺した来夢は(ついでに真紀まで殺した)、犯罪者にはならないのかな?正当防衛でもなく、明確に殺意を持って復讐と称し殺しているので、緊急避難も該当しないだろうし…まるでお咎めなしというのは…。ここで八代が来夢を逮捕するストーリーのほうが、まだ締まりが良かった。八代は人殺しはせずちゃんと確保しているしね






・その他ご都合主義が余りにも酷いストーリー。ツッコみ出すとキリがないのでこのくらいにしますが、他にも、「原を突き破る」などの誤字も多く、「檄を飛ばす」などの言葉も、誤用している気がします












▼総評すると、シナリオは緻密でロジカルとは到底言えず、矛盾点が多くツッコミ部分も多いし、相当難アリだが、惹き付ける部分もある。




来夢ルートが面白かった。逆に完結編は長すぎて、中弛みしちゃったかな






絵は画力こそ低いが女性キャラが可愛い







音楽もマッチしてます。


ただ、緊迫した場面で電話の着信音が鳴ってるのが紛らわしい。


フリー音楽なので電話の音もまとめてBGMなんだろうけど、まるで作中で電話が鳴ってると勘違いする場面で流れるのが変









評価B
70点




面白かったです。同人サークルの初作品らしいが、上々の出来栄え。B級映画的な内容と見れば楽しめます





ただ、テロ集団がバイオテロで世界を征服してやるぜ!人類を滅ぼすぜ!と画策し、RPGに登場するようなクリーチャーが出てくる荒唐無稽な厨2ファンタジー+クライムサスペンスで、アオリにあるようなホラー要素は全く無いです。


作者が何故これをホラーと定義したのか、謎なくらい






なのでホラーを期待すると裏切られるので、要注意








▼そうそう、ツッコミといえば、このシーン、緊迫しているのに、腹抱えて爆笑しましたよ。








どう見てもこれ、挿入ってるだろ
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そういえば八代の見た目も、明らかにそれっぽい…







かなり可愛い来夢にもまるで興味を示さなかったし、しかもまだ未成年っぽい来夢を的外れにも「20半ば」と言っていた。



とても敏腕刑事とは思えない洞察力のなさだ。


つまり女性を見る目がなく、あまり女性に興味が無いのだろう。




美人で巨乳の真壁にも興味を示していなかった





そしてずっと礼と行動しており、いい年して独身のようだ





しかも相棒(意味深)は若手のイケメン刑事だし、銃弾からも、身を挺して庇っていた…







あっ…(察し)













【その後の攻略】

トゥルーエンド見ました。

結末としては皮肉なものでヒロインが死んだノーマルエンドのほうがキレイですね。テーマがブレブレではあるんだけど。


しかし、幾らなんでもあれだけ大量に人を殺した来夢が不問ってのは、ありえない…殺さなくても済むところを私怨で殺してるしね。




お前それでどのツラ下げて結婚して子供が欲しいなんて親の墓の前で言ってんねん!!旦那は殺人犯の旦那、子供は殺人犯の子供になるんやぞ!!!



ってのが全部スルーされているし





まあ一応犯人グループにも言い分はあるんだけど、主人公側が完全に「正義」で、人を殺してもOKと開き直ってることが正当化されてるストーリーの書き方はかなり変でしたね。無論葛藤もゼロ。



来夢も闇落ちしてもいいという開き直りで人を殺したのに、それすらも不問じゃあね…


エンタメ的なシナリオは書けてもこういうヒューマニズム的な要素が一切書けてない表層的なストーリーなので、今後の課題として欲しいです

この記事へのコメント
やはりありますか。
分岐があるのではという前提のレビューにしといてよかったです。
再プレイしてみますかね。

でも一応これはこれでテーマを掲げた上で完結しているので、ヒロインが死んだままのほうが「絵になる」気もしますね。
Posted by 管理人 at 2017年11月04日 22:33
ヒロイン死亡とありましたが、生存ルートもありましたよ。
たぶんエンディングが選択肢次第で分岐するんじゃないですかね?
Posted by みっちゃん at 2017年11月04日 19:57
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