キャラデザのみ3人の友達に依頼したそうだが、鏡子と陽太郎が作者で、あとは1キャラずつ描いたのだろうか(「ただ、君が」は作者の絵じゃないっぽいが)
作者がバックログの実装ができなかったというだけあって技術が未熟なのだろう、やや動作が重かったりおかしな部分がある。
背景が変わるシーンで絵が紙芝居のように動くのだが、重くて切り替わらない事があった。ティラノはやっぱり重い
タイトル画面のままゲームに入ったときなんて、なんかもう怖い怖い
さて肝心のシナリオレビュー、ネタバレあり
背景、世界観。
本来人を幸せにするはずの座敷童子の一族が人を不幸にしてしまい、森の奥に隔離されている。そんな一族の物語。
通常座敷藁子といえば子供の姿のままが多いが、本作では大人の姿のキャラクターが多く登場するし、性別も問わない。
妖怪の一種といった扱い
鏡子たちが和服を着ているしまるで明治大正のような世界観だが、現代が舞台のようだ。現代ファンタジーにしても座敷童子の祟りを信じてるのにアルビノという病気が知られてたり、ややムリあるかな
さて肝心のシナリオの中身。虐げられ隔離されている主人公がある日ふとしたことで知り合った少年陽太郎と恋をするが、触れ合ってしまったらお互いが不幸になるという不幸体質のせいで苦しむことになる
母親を幸せにするため、陽太郎への感情を封印し、自分の不幸体質を吹き飛ばすくらいのエリート座敷童子のイケすかないチャラオとお見合いすることになるが、このチャラオ座敷が主人公一家に恨みを持ち殺しに来たという展開も意外性があって素晴らしい
最後は自分の気持ちに正直になった主人公が、陽太郎と駆け落ちをするも、母親に追い詰められ自殺を選ぶ。陽太郎もそれを助けようとして共倒れしてしまう、というなんとも報わないお話だ
更に追い打ちをかける様に、不幸体質そのものがやぶ医者による間違い、主人公一家は最初から何一つ悪くなかった、という余りにも報われないオチのまま、本作は幕を下ろす
非常に悲しいストーリーだが、起承転結が丁寧で、何一つ無駄のないストーリーだった。
惜しいのは鏡子と陽太郎の交流の中身がダイジェスト的であること
この程度で恋に落ちる?って素で思った。
だがこれは、まあ、特殊な環境下の物語なので時間ではないのだろうとも思う
ラストの一枚絵、おしまいという子供っぽい文字がなんとも切ない
評価
80点、せつないながらもクオリティの高い良作。だがハッキリ言ってバッドエンドなので人を選ぶだろう
ところで作者がどの程度の高校に通っていたかは謎だが、本作の日本語がややおかしいことには触れておかないといけない。例えば「激似している」なんて言葉が平然と出てくるが、これは変だ。酷似しているが正しいだろう
まあそもそもアルビノが近親相姦で生まれるってのも真っ赤なデマだと聞いた事もある
なんでも本作にはフリゲでは珍しく18禁版があるらしい。作者は高校生の時から作っていたようだが、それを意識してか卒業後に配信している
完全版的にハッピーエンドがあるだろうから、そちらも遊んでみたい
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