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2022年12月25日

キミはボクを レビュー感想 女は「恋」を知り、男は「人」を知った。決して交わらないふたりが出会う時、運命は動き出す。傑作!!

−−君は僕をどう思っていたのか、今となっては知るよしもない

何事にも興味が無い根暗なアユトは大学の広場でミサキさんに一目惚れした。
釣り合わない事を自覚し諦めを決意するが、とあるきっかけで彼女と話し合う事になった。
人生に光を見出せない彼は、ミサキさん率いる友人たちに翻弄され徐々に明るくなるも、悲劇は当然。
残ったのは自分に素直になれなかったことへの後悔。









▼うわぁー凄い。
久々に来たな、大好物の「暗い青春もの」が。




ただ大好物というだけではない。
結論からいうと「キミはボクを」はとんでもなく面白いゲームだった。
そして面白いだけでもなかった。





▼「キミはボクを」最大の特徴は、やはりヒロインの葬式から始まること。



「センチメンタルグラフティ2」みたいに。
(あれは主人公の葬式だが)




つまりヒロインが死ぬことは避けられない運命として、最初から決まってるの。
エンディングも1つだから、トゥルーエンドでヒロイン生存!!…なんて陳腐な展開もない。

メインストーリーではヒロインと過ごした日々が回想され、誰からも愛される優しい彼女がなぜ死ななければいけなかったか…

主人公の後悔が語られる







▼まあなんつっても、片思いの切なさよ、このゲームは。これよこれ。


主人公はいわゆる「陰キャ」の青年、アユト。
田舎から都会の大学へ進学し、彼女はおろか友達もいない。

そんなアユトが一目ぼれしてしまったのは、マドンナのミサキ。


スクリーンショット (767)_compressed.jpg









ひょんなことからふたりの距離は近づくが、ミサキにはイケメンで金持ち、まさにすべてを手にしたような彼氏、ハルキがいた…



人目も憚らず、仲睦まじいふたり…
アユトは叶わぬ恋に苦しむわけだが…







…正直なところ私は、このあたりにあまり感情移入しなかった。


…えっ?
「最重要ポイントだろ?」「傑作なんだろ?」「そこに入り込まなかったのか」って?




だってアユト、あまりにもうじうじしすぎだもの。


自分でいうのもなんだが…私の人格と違い過ぎる。
これに入っていくのは、無理だった。

ストーリー上しかたないが、積極性がなさすぎる。
終盤までずっと受け身受け身で、自分からはほとんど動かない(ネタバレなので伏せるが、実は重要な設定)。

「主人公が鬱陶しい」を理由にプレイを止めてしまう人がいるかもと、心配してるくらいだよ。





▼…でもね、ここがストーリーが上手なところで……




2人目のヒロイン、リナが登場するんだよ。


スクリーンショット (782)_compressed.jpg








アユトとの比較なのか実に積極的な女性で、いわゆる「陽キャ」でありながら読書が趣味なため、アユトと気が合う。ストーリーもここから、一気に動く

アユトは友人が3人もできたことで視野が広がり大学生活を謳歌するも、
ハルキが実はミサキとは単なる幼馴染で、リナに片思いしていると知り、3人から距離を置く…



そして運命は、「最悪」へと動き出す…





▼ストーリー説明をするだけでは単なる解説員でレビュアーでもなんでもないため
ここまでにしておくが、エピローグまで読み終えた私は、本作は青年たちの人生を描いたんじゃないかなぁと思った。

説明には「ごく普通の青春純愛ものです。」とあるが、恋愛系だとは解釈していない

恋愛という経験を経て青年たちが前に進んでいく群像劇であり、成長物語じゃないかと



驚きはラストシーンの後、タイトル画面のミサキの意味を知った時。

このシーンはいつ出るのかと思っていたが、まさか〇〇とは。

細かい伏線を上手に張っているゲームだが、CG1枚にここまで意味を持たせているとは驚きだ






▼印象的な言葉(台詞)も多く良質のストーリーでありながら、「〜〜ずらい」「レールを引く」など、おかしな日本語が使われていることは欠点。

クリア後の作者メッセージもおかしいし、指摘するとキリがない。

だが「流れ星に願いを」のレビュー感想にも書いたが、このように文章が得意ではなさそうな作者が勢いと熱量で書き上げたシナリオを、私はとても好ましく思っている







▼キャラクターイラストは最近フリーゲームでもお馴染みになりつつあるAIだが、本作の世界観にマッチしており、寧ろ人間の手による絵よりいいと思った。音楽とも雰囲気が合っている。

そしてストーリーとも合っている。

ミサキから「黒い服は暑いけど紫外線を防げる」と聞いたリナが黒い服を着ていたり(作者の意図なら)、AI特有の、機械的で無機質な印象が無いからね

前述のCGの件といい、ゲームという媒体で、AIを本当の意味で使いこなしているのでは











評価A+
80点

2022年最後の良作でしょうか?おすすめです。

大学生とはいえまだまだ青い登場人物たちのあまりにも苦く、少しだけ甘酸っぱいストーリーを、ぜひ堪能してください。
こういう方向性のゲームにしては悪人が1人もいないこともよかったです。








【フリーゲーム小話】



▼レビュー記事のキャッチコピーは瞬間的に思いつく…と何度か書いてきた。

先日の「だいすき!くりすます レビュー感想 殺人サンタ」だが、この記事にふさわしいコピーは「人尿ゲーム」ではないかと、投稿した直後に気づいた。

キーアイテムである人尿と「人狼ゲーム」を引っかけたわけだ。

頭の回転はかなり速いと自負しているが、しくじった。
絶対「人尿ゲーム」のほうが面白い







▼ゲームアツマール、サービス終了


残念だ。まずはスタッフをお疲れ様と労いたい。
惜しむ声の多さからも、ゲームアツマールが、いかに愛されていたかわかるだろう。

システムが充実しており、フリーゲームをリアルタイムで実況できるのは面白い(PLiCyの上位互換っぽい)。
また、「自作ゲーム投稿コミュニティサービス」ということで、ここで交流していた人も多くいたんじゃないか。

閉鎖してしまったDLサイトは色々あるが、それらは小規模だった。
だが数々のメディアミックス作品を世に送り出してきたフリーゲームの大手プレイサイトが閉鎖するのは、なかなかの衝撃だ(フリーゲーム3大サイトといえば、ふりーむ!、ゲームアツマール、ノベルゲームコレクションだろうから)




私のベストゲームは「キミガシネ ―多数決デスゲーム―」だ。

連載中に雑誌が休刊してしまうのと同じく、シリーズ継続中にプレイサイトが閉鎖してしまうわけだが、続編はどうなるのか?

作者ツイッターを見たら、「キミガシネの今後についてはこれまで通り遊んで頂けるように、フリー版を閉鎖されるまでにはどこかに移転したいと思います︎」とのことだ。

DL版を一時期公開してたふりーむ!になるのかな?

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