アフィリエイト広告を利用しています
アフィリエイト広告を利用しています

2022年10月23日

人生にXXは必要なのだろうか? レビュー感想 自分の恐れに向き合える?

雨の中に散歩していた男は、あるダンボールを見つける。
その中には真っ白な子猫がいた。
しかし、その猫はただの猫ではなかった………








▼総評から述べると(ノベルだけに)、「人生にXXは必要なのだろうか?」は間違いなく傑作だ







…ただし、「ある層にとっては」…と頭につくかもしれない。
本作が「面白いけど万人向けじゃないよね」と評価されることは容易に想像できる。

決してハッピーエンドではないし、ホラーを含むグロテスクで、プレイヤーを裏切るシーンも多い





▼…というのもこれ、一昔前に「葉鍵系」と呼ばれたジャンル、いわゆる泣きゲーなんだよね(作者がどういうつもりで作ったは別として、間違いなくカテゴライズされるだろう)。

葉鍵系はちょっとばかし感動を狙いまくってるので「感動を強制している」と人を選ぶわけだが、それでも私はあえて、本作を万人におすすめしたい









▼理由は「人生にXXは必要なのだろうか?」の作りこみが群を抜いているというシンプルなものだ



序盤、一山超えたらオープニングムービーが流れる。
今風の、歌って踊るアニメーションだ。

だが楽曲やボーカルはガーネットクロウのような懐メロ…
このミスマッチが実に面白い。リピートするくらい気に入っている



ゲーム画面のような演出が入ったり、
いわゆる「テレビアニメ風」とは一線を画す。

そしてストーリーの核心に触れる伏線がこの時点で張られていたことに、後々気づく

スクリーンショット (71)_compressed.jpg
スクリーンショット (59)_compressed.jpg











▼次にストーリー構成の上手さ


同じ学校の女子である新田に片思いしている主人公が、ある日、猫を助けるところから始まる

次の日、猫は新田そっくりの女性に変貌していた…




「クピドの悪戯」などにもある王道だが……それらの作品と違うのは、出会いの時点で結末が決まっており、主人公はそこに向かって歩かされているに過ぎないという事実だ


そして泣きゲーお約束の、徐々に崩れていく日常…


終盤、ヒロインである猫や新田の正体、真意が明かされるが、
単なる雑談にまぎれて張られていた細かな伏線や、
真相を知って初めて理解できる新田の奇妙な行動に、プレイヤーは度肝を抜かれる








▼グラフィック演出も実にユニークだ

葉鍵系といえば?という質問に多くの鍵っ子(言葉が古すぎる)は「ヒロインが謎の奇病で死ぬ」と答えるだろうが、本作も例外ではなく、ヒロインは消滅の危機を迎える


しかし演出が実に見事で、全くチープではない。


弱っていくヒロイン…

美少女だった姿が、徐々に○○になっていくからだ。
全く同じ○○○なのに、まるで異なる。

このような演出は、まさに漫画でもアニメでもない、「ゲーム」でしかできない。




裸になった彼女に「私、キタナイ?」と言われるシーンでは、憐憫の気持ちと庇護欲が強烈に湧いた。
本作は主人公とヒロインにネーミングするゲームなのだが、私はこの瞬間、初めて、自分の名前をつけた主人公と一体化した







▼そしてテーマにもなっている「人生」





これについては、本作に於ける「人生」は恋愛……




ではなく、「人との向き合い方」だと解釈した





主人公は新田と親密になるにつれ「人間性が豊かになった」と自称するも、
終盤、あることで仲違いした彼女に「本気で人と向き合ったこと、ある?」と激怒されてしまう

このシーンの虚無感は途轍もなかった


このゲームが(主人公の)人生を描いたなら、
その中で受けた強い感情を(プレイヤーの)私が受けた時点で、
作品として成功といえるのではないか







評価A+
80点


ネタバレを防いだこともあり、
私にしてはレビューでも感想でも感情の吐露でもないような説明を長々書いたが、
優良作品であることはご理解いただけたと思う。

葉鍵系が嫌いな人にも、ぜひプレイしてもらいたい









▼月イチ恒例、「1年前の良作プレイバック」
今月は2021年10月にレビューした良作を振り返ります。


今回のおすすめは……













ソフィのメガネ

bl.gl_compressed.jpg









BLに該当すると思うのだが、こんなに可愛らしいBLは初めてだね。
男の子同士がキャッキャウフフすることに、これほど嫌味がないとは…

廃墟を舞台にしながらも、優しい雰囲気漂う良作。

この記事へのコメント
漫画を途中まで、アニメを数話見たむかしの記憶を総動員しましたが、
「ちょびっツ」もヒロインが同じ顔だった気がします。

「人生にXXは必要なのだろうか?」の「見 つ け た 、 本 当 の カ タ チ」の指ビシィ!は「ちょびっツ」のヒロインもやってた覚えがあります。

ほかはわかりません。
動機面とか、ヒロインの存在理由でしょうか?
Posted by 管理人 at 2022年11月29日 13:10
ちょびっツにも似てます笑
Posted by 和泉 at 2022年11月29日 10:45
コメントを書く

お名前: 必須項目

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント: 必須項目

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11646167
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
最新記事
最新コメント
ル・ソレイユの殺人 レビュー感想 好きだから、恥ずかしくて冷たくしちゃうんでしょ? by 管理人 (11/15)
ル・ソレイユの殺人 レビュー感想 好きだから、恥ずかしくて冷たくしちゃうんでしょ? by 面心立方格子 (11/12)
クリエイターズ・デスゲーム レビュー感想 誰もプレイしてくれないと言っても100DLはされてるんでしょ?それって100人が遊んでくれてるって事で、十分凄い事じゃん。その人たち大事にしなよ by 管理人 (09/06)
クリエイターズ・デスゲーム レビュー感想 誰もプレイしてくれないと言っても100DLはされてるんでしょ?それって100人が遊んでくれてるって事で、十分凄い事じゃん。その人たち大事にしなよ by ミカ (09/06)
君のうさミミを鍋にしてたべたい! レビュー感想 Diary by (  ゚д゚ )………………( ゚д゚#)彡 (08/14)
君のうさミミを鍋にしてたべたい! レビュー感想 Diary by h (08/06)
三十路だけど狂戦士やってます レビュー感想 こんな嫌な思いをするくらいなら、世界なんて救わなければよかった by 狂子 (06/29)
三十路だけど狂戦士やってます レビュー感想 こんな嫌な思いをするくらいなら、世界なんて救わなければよかった by 哲学の道 (06/29)
【定期コラム】当ブログのコンセプトと、レビュアーに必要なのは文章力ではなく……というお話 by 私?当然特待生でテスト免除ですよ (06/04)
【定期コラム】当ブログのコンセプトと、レビュアーに必要なのは文章力ではなく……というお話 by 京 (06/04)
おすすめ名作フリーゲーム
  1. 1. 死月妖花〜四月八日〜 レビュー感想 守りたい、この世界
  2. 2. 夜底奇劇・星空物語 プレイ日記2(クリアまで)と総評 夜明け
  3. 3. 夏ゆめ彼方 レビュー感想 将棋を通じて少年の人生を描く一大叙情詩。傑作!(ネタバレ)
  4. 4. ほろびのゆりかご レビュー感想 ラストシーンで判明する真相は、最早SFファンタジーのスケールを超えた(ネタバレ)
  5. 5. 鼓草 レビュー感想 極限の花婿たち
  6. 6. 色は黒に包まれて レビュー感想 深い光に包まれて
  7. 7. 怨溺 ―ONDEKI― レビュー感想 世界は救われる、彼女を失えば
  8. 8. 籠の街 レビュー感想 少年の爽やかな成長物語と思いきや、まさかの欝ゲー展開に…
  9. 9. かわいいは壊せる レビュー感想 七つの愛憎
  10. 10. 決戦前のヒトリ 〜主人公以外全員『カップル』がいるアドベンチャー〜 レビュー感想 うげっ、なんでそこまで分かるんじゃ!!?ロリコンは皆こうなのか……?
  11. 11. 電波障害ノベルADV AlexiA〜アレクシア〜 レビュー感想 もう、勇者しない。
  12. 12. Human killing レビュー感想 東出大好き