Matzocoatl「毒蛇だって知ってただろ？」

昔、うちの会社の社長が言っていた。

オリンピックで活躍するアスリートでも、

100mを10秒切れるかどうか。

高校生でも早い奴は12秒ぐらいで走るとか。

たった2秒の差しかない…みたい。

どんな凄い奴も同じ人間だから思ったよりもそこまで差はない、

みたいな感じだったと思う。


もちろん、その2秒がとてつもない壁であり、

才能だったり人かたならぬ努力の結果で2秒を縮めるのだが、

とりあえず言いた事は、

その「差」だったんだなと今は思う。


最近、後輩の仕事とかを目にして、

後輩と自分の仕事においての差は何かと考えた時に、

案外僅かな差しかないのだが、

確かにその決定的な差があったのだった。



芸大に行っていたので「細部に神は宿る」なんて言葉は嫌でも聞くのだが、

割と作品だけでなく仕事でもそうなんだなと思う。

ちょっとしたところに気が付くかどうが、

言われれば「ああ」ってなる程度の事なのだけど、

それが出来ているか出来てないか。

そういうもんなんだなと思った。


ただ、これをそのまま後輩に言っても理解してくれないというか、

たぶん頭では分かってるのだろうけど、

実際にそれが目に見えてこないというのがもどかしいところ。

きっと自分も昔はこんなんだったのだろう。


ちなみに芸大で勉強してるときは、

「細部に神は宿る」って言葉はあんまり好きじゃなかった。

細かいところをチマチマやるよりも、

こう、もっとダイナミックな何かが才能だったり芸術じゃないかって。

仕事に置き換えると、

プロは準備なんてしなくても対応できるもんだって。

実際は準備が一番大事だったり、細かいところで差がでたり。

芸術と社会の仕事は一緒ではないけど、

まあ色々考えたりしますよね。

アートとは何か: 芸術の存在論と目的論