アスペ嫁と苦悩夫の奇妙な冒険

アスペ嫁、というか自閉症スペクトラム圏の人は、
一緒に生活をしてみた人でないとわからないズレが
たくさんあります。

夫婦という関係だけで見ると、私の中にはどうしても
持ちつ持たれつというのが常識であるという認識が高いせいか、
ギブアンドテイクできない関係は苦痛でもあり、不満でもあり、
なんとも複雑な感情が入り交じります。

自閉症スペクトラム圏の人を配偶者に持つ夫や妻は、
結婚当初はこんな生活になるとは予想していない人が多く、
むしろ、この人が自分を満たしてくれる！自分の居場所が
できる！など共感できる理想を思い描きながら結婚に至ったの
ではないかと思います。

今は毎日が苦しめられて憎らしさや殺意を覚えるような人も
いるでしょうが、結婚する前は、少しでも相手の良い面を受け止める
ということが出来たから結婚に至ったのだと思います。

もちろん、恋愛結婚の場合ですと、脳内麻薬の分泌で冷静に判断でき
なかったという見方もありますが＾＾

つまり、何が言いたいかと言えば、その当時は幸せだなぁって思うことが
出来た日は結構あるのではないでしょうか。

恐らく、パートナーが甘ったれで、嫌気がさしたり、生理的に
受け入れられなくなったりということもありますが、相手の行動って
実は、昔も今も変わっていないのです。

何がわかっているかと言えば、私たちの受け止め方や物の見方が
変わってきているのです。

下から見ているか、上から見ているか。
それによって、日頃の不満も増幅しますし、潜在的には相手に
自分の理想を押しつけて変わってもらうことを期待しています。

満たされていない自分の心を、相手に満たせ！と要求しているわけです。

だって、もう自分は十分やり尽くして、手は打ったのだから、
いい加減あなたが自分で意識して変わりなさいよ！

と言うような苛立ちや満たされない暦年の鬱憤が吐き出されます。

｢もう自分はこれ以上変われない！｣というシグナルを出しているのでしょう。

反面、自閉症スペクトラムの人が変わらないことも、頭の片隅では
理解はしています。それでも意に反して求めてしまうのは満たされていないんですね。

結婚したばかりの、もしくは、結婚する前のパートナーには大抵のことは受け入れることが出来た
はずなのに、色々なことがありすぎて、自分の方が貸しがありすぎるという意識が強すぎて、
不満が募り、その分を相手に返せよとだだをこねるようになります。

これは、私自身が何に対しても
｢ギブアンドテイクの精神｣が当然という意識が根深いという
ことが関係しています。

もっと言えば、この思想の根本は、体裁や世間体を気にする母親の考えでもあります。

愛するということも、ギブアンドテイクだと思っていましたが、
私の根本の考えにも問題があったと言うことです。

愛すると言うことは、｢ただ、そこに居てくれるだけで良い｣ということです。

｢私がこんなに愛しているのだから、もっと愛してくれるべき｣なんて、発想は本当の愛ではありません。
条件付きの愛情で育ったアダルトチルドレンならこう考えてしまうでしょう。

何かを相手に求めすぎてしまう結婚や生活は、その生活を止めるか、自分を変えるかどちらかをすることで劇的に不満は取り除くことが出来るかもしれません。