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心の扉を開けてくれ

 このアルバムは、Los LobosのDavid Hidalgoの制作により、00年にリリースされました。
 Hidalgoは、このCDの主人公Little Willie G.を、イーストL.A.の最も偉大なチカーノ・シンガーと呼んでいます。


Make Up For The Lost Time
Little Willie G
.
1. Open The Door To Your Heart (Darrell Banks)
2. Don't Let Me Lose This Dream (Aretha Franklin, Ted White)
3. Come Back Baby (Lewis, Lisi)
4. Here I Go Again (Cleveland, Johnson, Moore, Robinson)
5. Make Up For The Lost Time (G.Aguilera, W.Garcia, R.Prado)
6. It'll Never Be Over For Me (Norm Blagman, Sam Bobrick)
7. Joy In The Palace (W.Garcia, B.Henderson)
8. (I Wanna) Testify (G.Clinton, D.Taylor)
9. These Hands (Small But Mighty) (D.Malone)
10. To Be With You (N.Jimenez, W.Torres)
11. Cultura (G.Aguilera, W.Garcia, A.Salas)
12. A World Where No One Cries (Harold Payne, Bobby Womack)

 私が、Little Willie G.の名前を知ったのは、ごく最近です。
 Doug Sahmの没後10年に当たる年、09年に彼のトリビュート・アルバムがリリースされました。
 "Keep Your Soul 〜 A Tribute To Doug Sahm"です。

 アルバムには、Doug Sahmをリスペクトする様々なアーティストが、Dougに関わる曲を持ち寄っています。
 そのオープニングの1曲目で、Dougの代表曲"She's About A Mover"を披露する栄誉を受けたのが、Little Willie G.でした。
 (ちなみに、この曲で"G."のバックを務めたのは、Ry Cooderでした。)

 私は、その時までLittle Willie G.を全く知らず、どれくらい無知だったかというと、名前の印象から、近年売出し中のヒップホップ系のミュージシャンかと思ったくらいでした。
 
 Little Willie G.は、本名をWilliam Garciaといい、60年代にイーストL.A.で活躍した伝説的バンド(イダルゴの表現による) 、Thee Midnightersのリード・ボーカルを務めた人物です。
 私は、かろうじてThee Midnightersの名前は知っていました。

 Thee Midnightersは、8人組という大所帯のバンドで、ローカル・ヒット(?)"Land Of A Thosand Dances"「ダンス天国」他を持つ、ボーカル&インスト・グループです。
 ちなみに、8人組の編成は、次のとおりです。

Little Willie G. : lead vocals, trombone, piano, harmonica, guitar
Jimmy Espinoza : bass, vocals
Romeo Prado : trombone, vocals
Danny LaMont : drums, piano
George Dominguez : lead guitar, mandolin
Roy Marquez : rhythm guitar, vocals
Larry Rendon : saxophones, flute, piano, organ
Ronny Figueroa : organ, conga, vocals

 さて、本作は、いくつかの例外を除き、多くの私の知らない曲で構成されています。
 最初の印象は、ノーザン・ソウル系のカバー中心というものでしたが、通して聴いて思ったのは、とても聴きやすく、表現が適切かどうか分かりませんが、イージーリスニング的サウンドにも思えます。

 ジー・ミッドナイターズが持っていた、だんごのような塊で押し寄せてくる、時代の「熱狂」は感じません。

 私は、フリー・ソウルという概念が分かりませんが、あえて例えに使いますと、そこはかとなく、例えば「ボサ・ノヴァ・ソウル」のようなラテン・フレイバーを漂わせているアルバムです。
 
 このアルバムには、アレサ・フランクリンや、スモーキー・ロビンソン & ミラクルズ、ボビー・ウーマックら大物のカバーが収録されているようですが、残念ながら私の記憶にない曲ばかりです。
 (ミラクルズの" Here I Go Again"は、収録アルバムを持っているはずですが、印象に残っていない曲です。)

 Bobby Blandの"These Hands"も、George Clinton作の"Testify"も例外ではありません。
 知っている曲のカバーという感覚が持てないのでした。
 ブランドの該当曲は、近々聴き返してみるつもりです。

 "Testify"は、そもそも原曲が未聴ですが、私にはスティーヴィー・レイ・ヴォーンの1stで馴染んできた曲です。
 こちらも、聴き返したいです。 

 そんな中、私が強い親しみを感じた曲があります。
 冒頭の"Open The Door To Your Heart"です。
 この曲は、デトロイトのディープなシンガー、ダレル・バンクスのヒット曲のカバーです。
 私は、彼のアトランティック盤(?)のジャケット写真が好きでした。

 かっこいいノーザン・ダンサーであり、かつ歌い手が持つディープな資質がうまくマッチした好例です。
 私は、60〜70年代のチカーノ・グループを意識して聴くようになって、最近、この手のディープ系ノーザンを見直すきっかけになりました。 

 いくつか特記したいことを簡単に整理します。
 タイトル曲の"Make Up For The Lost Time"は、フィリー・ソウルのモントクレアーズに同名曲がありますが、別の曲で、こちらは"G"の自作です。

 また、ギターはイダルゴがメインで弾いていますが、"Testify"と"These Hands"の2曲のみ、Los FabulocosのKid Ramosが参加して、ブルージーなリード・ギターを弾いています。


 本作は、イーストL.A.産60sチカーノ・ロックの逆襲とはならず、出来上がりは、アダルト・オリエンテッドな雰囲気さえ感じます。
 これは時代がそうさせたのでしょう。

 David Hidalgoは、何よりも、偉大な先輩の健在を全国に周知したかったのだと思います。


Little Willie G.のOpen The Door To Your Heartです。




Thee Midnightersの同窓会ライヴでのLand Of 1000 Dancesです。



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