2010年08月18日
メヒコ・アメリカーノ
今回は、Los Fabulocosの08年同名アルバムです。
ニューオリンズR&Bや、ロカビリー、ザディコ、ランチェラなどをやっている、ルーツ・ミュージックのミクスチャー・バンドです。
ヒューイ・スミスのEducation Fool、ロイド・プライスのJust Bcause、クリフトン・シェニエのAll Night Long、ジョニー・バーネット・トリオのLonesome Tears In My Eyes、、ロッキン・シドニーのYou Ain't Nothin' But Fineなどをやっています。
そして、サンチャゴ・ヒメネスの曲も取り上げています。また、オリジナル曲には、ブルースっぽいブギ・ナンバーもあります。
1. Educated Fool
2. If You Know
3. Crazy Baby
4. Lonesome Tears in My Eyes
5. Un Mojado Sin Licencia
6. Day After Day
7. Como Un Perro
8. You Ain't Nothin' But Fine
9. You Keep Drinkin'
10. Just Because
11. All Night Long
12. Burnin' The Chicken
13. Mexico Americano
このバンドは、4人編成ですが、ボタン式アコーディオン奏者のJesus Cuevasと、ギターのKid Ramosによる双頭バンドだと思います。
Jesus Cuevasが、主要メンバーであるため、曲の背後で常にアコーディオンが鳴っており、このバンドのカラーを決定づけています。(つまり、どんな曲をやっても、のどかな雰囲気がするということです。)
アコーディオンのことを、スクイーズ・ボックスなどと呼んだりしますが、Jesus Cuevasのアコは、それほどスクイーズしないスタイルで、フラコやオーギーのプレイが標準になっている私の耳には、少しあっさりめの演奏に聴こえます。
一方、ツー・トップの片割れ、ギターのKid Ramosは、かなりのテクを持つユーティリティ・プレイヤーで、バホ・セストや、スパニッシュ・ギターも披露しているスーパー・ピッカーです。
一点、気になるのは、これは完全に好みの問題ですが、彼の弾くエレキ・ギターが若干ディストーションがかかっていることです。
私は、この手のバンドでは、スコーンと抜けるようなクリア・トーンが好きなので、ちょっと気になります。
特筆すべき曲は、Lonesome Tears In My Eyesです。
この曲では、彼の弾くスパニッシュ・ギターが曲を支配しており、原曲はロカビリーですが、こちらはトレモロ奏法を屈指した、スパニッシュ風味たっぷりの、素晴らしいミディアム・ダンス・チューンとなっていて、本アルバムのハイライトと言って良いでしょう。
原曲の原型は全く留めていません。
惜しむらくは、リード・ボーカルが若干弱い(というか、それほどうまくない)という点で、この点を除けば、豊かな音楽性も、高い演奏力も、高評価を与えられるバンドだと思います。
ぜひ、もう一枚聴きたいバンドだというのが私の結論です。
蛇足ですが、Feddy Fenderの持ち歌として有名なCrazy Babyをやっているんですが、作者名がGene Maltaisとクレジットされています。
この曲は、Buck Rogersという歌手がオリジナルで、本人作の曲です。
私は、この曲の本人再吹き込み版と思われるものを、英Aceのコンピで聴きましたが、そのコンピの作者表記は、Buck Rogersでした。
ただ、この名前はマーベル・コミックのヒーローと同じなので、芸名の可能性が高いです。
また、チカーノが、名前の表記を英語表記にするのは、珍しくないので、そういうパターンかもしれないとも思いました。(例えば、リッチー・バレンスの姓は、正しくはバレンズエラでした。)
てもそれでいくと、Gene Maltaisというのは、まるで違う名前です。
単純に、ヒーローの名前を借りて名乗っただけなのでしょうか?
そんな中、CD整理をする中で、作者がGene MaltaisであるCrazy Babyを見つけました。
92年にBear Familyから出たレーベル別ロカビリー・コンピで、That'll Flat Git It! Vol.2というものに入っていました。
このCDは、Bear Familyが当時出していたロカビリーのコンピ・シリーズで、特にメジャー・レーベルのロカビリーをピックアップしたものでした。
このCDは、デッカ録音を集めたものですが、そんなコンピにGene Maltais作のCrazy Babyが入っていました。
聴いた結果ですが、全く別の曲でした。
こちらは、当然ながら完全にロカビリーのカテゴリーに入るもので、哀愁のスワンプ・ポップ曲Crazy Crazy Babyとは同名異曲であることが確認できました。
というわけで、Los Fabulocosのアルバムでの作者表記は、誤りである判断します。
ところで、ギターのKid Ramosですが、David Ramosというのが本名で、93年から02年まで、Duke Robillardともう一人のギタリストの後釜として、Fabulous Thunderbirdsに参加していました。
私は、90年代以降のT-Birdsに興味がなかったため、この事実を最近知りました。
というわけで、今私は、Kid Ramos在籍時のT-Birdsのアルバムにも興味を持っています。
ニューオリンズR&Bや、ロカビリー、ザディコ、ランチェラなどをやっている、ルーツ・ミュージックのミクスチャー・バンドです。
ヒューイ・スミスのEducation Fool、ロイド・プライスのJust Bcause、クリフトン・シェニエのAll Night Long、ジョニー・バーネット・トリオのLonesome Tears In My Eyes、、ロッキン・シドニーのYou Ain't Nothin' But Fineなどをやっています。
そして、サンチャゴ・ヒメネスの曲も取り上げています。また、オリジナル曲には、ブルースっぽいブギ・ナンバーもあります。
1. Educated Fool
2. If You Know
3. Crazy Baby
4. Lonesome Tears in My Eyes
5. Un Mojado Sin Licencia
6. Day After Day
7. Como Un Perro
8. You Ain't Nothin' But Fine
9. You Keep Drinkin'
10. Just Because
11. All Night Long
12. Burnin' The Chicken
13. Mexico Americano
このバンドは、4人編成ですが、ボタン式アコーディオン奏者のJesus Cuevasと、ギターのKid Ramosによる双頭バンドだと思います。
Jesus Cuevasが、主要メンバーであるため、曲の背後で常にアコーディオンが鳴っており、このバンドのカラーを決定づけています。(つまり、どんな曲をやっても、のどかな雰囲気がするということです。)
アコーディオンのことを、スクイーズ・ボックスなどと呼んだりしますが、Jesus Cuevasのアコは、それほどスクイーズしないスタイルで、フラコやオーギーのプレイが標準になっている私の耳には、少しあっさりめの演奏に聴こえます。
一方、ツー・トップの片割れ、ギターのKid Ramosは、かなりのテクを持つユーティリティ・プレイヤーで、バホ・セストや、スパニッシュ・ギターも披露しているスーパー・ピッカーです。
一点、気になるのは、これは完全に好みの問題ですが、彼の弾くエレキ・ギターが若干ディストーションがかかっていることです。
私は、この手のバンドでは、スコーンと抜けるようなクリア・トーンが好きなので、ちょっと気になります。
特筆すべき曲は、Lonesome Tears In My Eyesです。
この曲では、彼の弾くスパニッシュ・ギターが曲を支配しており、原曲はロカビリーですが、こちらはトレモロ奏法を屈指した、スパニッシュ風味たっぷりの、素晴らしいミディアム・ダンス・チューンとなっていて、本アルバムのハイライトと言って良いでしょう。
原曲の原型は全く留めていません。
惜しむらくは、リード・ボーカルが若干弱い(というか、それほどうまくない)という点で、この点を除けば、豊かな音楽性も、高い演奏力も、高評価を与えられるバンドだと思います。
ぜひ、もう一枚聴きたいバンドだというのが私の結論です。
蛇足ですが、Feddy Fenderの持ち歌として有名なCrazy Babyをやっているんですが、作者名がGene Maltaisとクレジットされています。
この曲は、Buck Rogersという歌手がオリジナルで、本人作の曲です。
私は、この曲の本人再吹き込み版と思われるものを、英Aceのコンピで聴きましたが、そのコンピの作者表記は、Buck Rogersでした。
ただ、この名前はマーベル・コミックのヒーローと同じなので、芸名の可能性が高いです。
また、チカーノが、名前の表記を英語表記にするのは、珍しくないので、そういうパターンかもしれないとも思いました。(例えば、リッチー・バレンスの姓は、正しくはバレンズエラでした。)
てもそれでいくと、Gene Maltaisというのは、まるで違う名前です。
単純に、ヒーローの名前を借りて名乗っただけなのでしょうか?
そんな中、CD整理をする中で、作者がGene MaltaisであるCrazy Babyを見つけました。
92年にBear Familyから出たレーベル別ロカビリー・コンピで、That'll Flat Git It! Vol.2というものに入っていました。
このCDは、Bear Familyが当時出していたロカビリーのコンピ・シリーズで、特にメジャー・レーベルのロカビリーをピックアップしたものでした。
このCDは、デッカ録音を集めたものですが、そんなコンピにGene Maltais作のCrazy Babyが入っていました。
聴いた結果ですが、全く別の曲でした。
こちらは、当然ながら完全にロカビリーのカテゴリーに入るもので、哀愁のスワンプ・ポップ曲Crazy Crazy Babyとは同名異曲であることが確認できました。
というわけで、Los Fabulocosのアルバムでの作者表記は、誤りである判断します。
ところで、ギターのKid Ramosですが、David Ramosというのが本名で、93年から02年まで、Duke Robillardともう一人のギタリストの後釜として、Fabulous Thunderbirdsに参加していました。
私は、90年代以降のT-Birdsに興味がなかったため、この事実を最近知りました。
というわけで、今私は、Kid Ramos在籍時のT-Birdsのアルバムにも興味を持っています。
こちらは、T-Birds在籍時の映像です。
一瞬映るキーボードは、Gene Taylorでしょうか?
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