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2019年06月07日

大腸CTアカデミア 鋸歯状病変SSA/Pを違う角度から観察すると興味深い!

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是非、ご参加くださいね。
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PubMedから、今日のつぶやき − 498 −


Pickhardt PJ, et al. Volumetric growth rates of sessile serrated adenomas/polyps observed in situ at longitudinal CT colonography. Eur Radiol 2019 Feb 11. [Epub ahead of print]



論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
リミテーションについて考察する。

本研究は、SSA/Pの罹患率が比較的低い
比較的小規模の対象者の検討であり
単一施設での解析にすぎない。

そうではあるけれども、本研究は生体内のSSA/Pを経時的に観察した
初めての研究である。

比較的長い追跡期間(平均5年以上)の検討ではあったが、
SSA/Pにおける異形成を認めなかったことから
癌化までのの期間は15-20年程度なのかもしれない。

比較的成長スピードが速い高齢者を対象として、
より長い観察期間が今後の研究では必要だと考えられる。

本研究では分子異常(MSI、CIMP、BRAF)について
すべての症例で検査を実施したわけではないが、
分子異常の関する研究はすでに十分な数の先行研究がある。

今後は、SSA/Pの成長率との相関をみるために、
切除病変で遺伝学的検査をさらに進めることを予定している。


(感想)
SSA/Pをまた違う角度からみると
いろいろ見えてきて面白いですね。

この論文の紹介は今回で終わりにしたいと思います。

それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。








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2019年06月06日

大腸CTアカデミア 大腸内視鏡検査の結果が陰性であった場合の中間期癌や見逃し癌は、通常の癌に比べて右側結腸に3倍も多いのはなぜ!?

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PubMedから、今日のつぶやき − 497 −



Pickhardt PJ, et al. Volumetric growth rates of sessile serrated adenomas/polyps observed in situ at longitudinal CT colonography. Eur Radiol 2019 Feb 11. [Epub ahead of print]





論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
大腸内視鏡検査の結果が陰性であった場合の中間期癌や見逃し癌は、
通常の癌に比べて右側結腸に3倍も多い。

右側結腸のがんの検出率が低いのは
見逃されていたSSA/Pが関係している可能性がある。

さらに、これらの中間期癌はCIMPやMSIといった分子異常が
他の癌に比べて4倍高く、これらの分子異常はどちらも鋸歯状経路からの
癌化の特徴である。

(補足)
SSA/PではCIMP(CpGisland methylation phenotype:CpG island methylation の蓄積)や
MSI(microsatellite instability:MLH1高メチル化による マイクロサテライト不安定)
といった分子異常がSSA/P由来の癌化にみられることが多い。

こうしたSSA/Pの経路は高齢者の中間期癌や見逃しがんの原因となってきたのであろう。

大腸CT検査の結果が陰性であった症例の
中間期癌も同様に右側結腸に偏る傾向があり
全体的な割合でみると大腸内視鏡検査と同等
またはわずかに低い程度である。

大腸CT検査は毛な結果を後ろ向きに観察することが可能で
見直したところ中間期癌の90%が見逃されていたことが示された。

この結果は、中間期癌が長い時間の経過の間で見逃された病変から生じたものであり、
急速に成長するde Novo癌ではない可能性が十分に高いことを裏付けている。


今日はこのあたりにしたいと思います。
それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

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2019年06月05日

大腸CTアカデミア タギング粘膜で病変病出能が本当に上がるのかについては再試が必用だと思う

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PubMedから、今日のつぶやき − 496 −



Pickhardt PJ, et al. Volumetric growth rates of sessile serrated adenomas/polyps observed in situ at longitudinal CT colonography. Eur Radiol 2019 Feb 11. [Epub ahead of print]




おはようございます!



論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
経口タギングによる腸管前処置と
2次元画像と3次元画像の両方による読影といった
エビデンスに基づき適切に実施された大腸CT検査であれば、
SSA/Pのような表面型病変も十分な精度で検出が可能と考えられる。

われわれの施設においても大腸CT検査導入早期の頃の症例では
SSA/Pの認識がなく、その多くが見逃されていた。

これらの見逃されたSSA/Pは病変サイズが大きいのにもかかわらず、
5年以上経過したフォロー目的の大腸CT検査において
その成長スピードがとても緩徐であったことが示された。

(感想)
日本で実施された大規模臨床試験JANCTにおいて
表面型病変の感度は低い結果でした。

タギング粘膜で病変病出能が本当に上がるのかについては
きちんとした前向き評価が必要だと考えます。

ピッカード先生だから書ける
考察内容のようにも感じました。

それでは、また。



原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

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2019年06月04日

大腸CTアカデミア 鋸歯状病変SSA/Pの病変を覆う粘液がタギングにより白くコーティングされる所見は大切だよ

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論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
特徴的なSSA/Pに対する認識の高まりにつれて、
大腸CT検査と大腸内視鏡検査の両検査で検出率があがり
おそらく有病率が今後高まっていくだろう。

われわれの施設では現在までに、
検診目的の大腸CT検査で検出された何百もの10ミリ以上のSSA/Pが
大腸内視鏡検査で切除され
病理組織学的に診断が確定している。

SSA/Pの病変を覆う粘液がタギングにより
白くコーティングされる所見は、
大腸CT検査における病変の検出に大いに有用であり、
経口タギングをしなければ
SSA/Pの検出率は著しく低下するであろう。

(感想)
SSA/Pのコーティング所見について
是非、皆さんも注意してみてください。
経験などあれば教えてくださいね。

それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

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2019年06月03日

大腸CTアカデミア 適切な検査技術と病変に対する知識があれば大腸CT検査がSSA/Pを効果的に検出できる

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つぶやきに対する感想をいただきました。
許可をいただきましたのでご紹介しますね。

***********************************
CTC Academy毎日、勉強になります。
画像をみていると病変を覆っている
タギング所見をみる事があります。
今までは病変部のCT値をみてタギングされているが、
部位はマッチングしているしなぁと病変だろうとしていました。
新しい知見ありがとうござます!

SSA/Pの論文の内容に興味が湧き、
数例ですが当院症例を振り返ってみました。
確かに鋸歯状病変は右側結腸に多く、
全体的にタギングで覆われています。

しかし、全ての病変ではないので
出血などがある場合などはつかないのでしょうか?
前処置の種類(バリウム)だとどうなのかも気になります。

また、新しい知識を期待します。
***********************************

わずかでもお役に立てれば嬉しいですね。
研究会でSSA/Pの特集をやっても面白いかもしれません。



さて、
論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
適切な検査技術と病変に対する知識があれば
大腸CT検査がSSA/Pを効果的に検出できることは
まだあまり知られていない。

大腸内視鏡検査と同様に、
以前まで一部のSSA/Pが大腸CT検査で認識されない状態であり、
病理組織学診断においても大きい右側過形成性ポリープとして
誤分類されていることさえあった。

けれども、SSA/Pに対する認識が高まるにつれて、
大腸CT検査によるSSA/Pの検出率も上昇している。

われわれの経験では、10ミリ以上のSSA/PのCTC検出率は、
大腸内視鏡検出率と同程度と見積もっている。

我々が報告したCTCスクリーニング時の10ミリ以上のSSA/Pの初期有病率は1.4%程度であり
Lashらによる大規模な大腸内視鏡検査に基づく先行報告での有病率1.2%と同程度であり、
2つの対象群で年齢や性別プロファイルは同様であった。


今日はこのあたりにしたいと思います。

それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

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2019年06月02日

大腸CTアカデミア 今週の体力つくり

ランニングと筋トレによる
体力つくりを淡々と続けています。

とうとうプロテインにも手を出しました笑
面白いのでいろいろ挑戦したいと思います。


ここのところランニングの調子が悪かった。
波があります。
今回は・・・

ぎりぎり
14キロを越えました!

IMG_20190526_143935.jpg













将来のための
身体、知識つくりはコツコツ続けていきたいと思います。






2019年06月01日

ストイックにやるとひずみが生じる!?

とことん、未来、将来を豊かにできたら幸せですね。

そのためには、今という時間を頑張らないといけません。

自分の糧になることをはじめる勇気

そして

はじめたことをあきらめずにくさらずに
続けていく根性

これを続けていくと
力になっていくのですが
ストイックになていきます。

気を使っているつもりでも
ひずみが生じることがあります。
その方面はいろいろですが・・

ここで大切なこと
このひずみを放置せず
泥臭くても
時間・手間暇の効率が悪くても
修正していくことが大切だと思います。

そうでないと続きません。

未来のために知識も体力も貯めていきましょう!



2019年05月31日

大腸CTアカデミア 大腸CT検査による病変のナチュラルヒストリーの観察

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
日本消化器がん検診学会
第79回関東甲信越支部地方会
2019年9月29日に萩原廣明先生の会長のもと
群馬県前橋市で開催されます!

ナガイチは講演を担当させていただきます。

是非ご参加くださいね。
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PubMedから、今日のつぶやき − 493 −



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論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
大腸内視鏡検査では検出されたすべての大腸ポリープは
一般に切除されてしまうため
生体内での経時的変化をみることができない。

一方、大腸CT検査では、経時的に生体内の大腸ポリープを
非侵襲的に観察および計測することができ、
病変のナチュラルヒストリーをみることが可能である。

しかも、大腸CT検査では病変の解剖学的位置の特定が
極めて正確であるので、時間差のある検査間でも
同一病変の正確な比較を可能とする。

また、大腸内視鏡検査に比べて
病変のサイズ測定は大腸CT検査でより信頼性が高い。

サイズ評価にとどまらず、大腸CT検査による病変の体積測定は、
大腸内視鏡検査による計測よりはるかに正確である。

実際の病変の大きさを反映してい体積は、
直径の計測よりも臨床的に重要である。

今回の検討から、SSA/Pなどの大きな平坦な病変や
一般的なカーペット病変(日本では発育分類としてLSTといわれている)が、
その他の表面型病変瘍と比較して
同じサイズであればより悪性度が低いといえる。


(感想)
一般的に大腸内視鏡検査は大腸診断のリファレンススタンダートとされ
感度・特異度が最も高い検査です。
ですが、大腸CT検査は内視鏡検査に勝る特性をもっています。
検査の特質を利用した研究の裾野はひろいと思います。


それでは、また。


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2019年05月30日

大腸CTアカデミア 鋸歯状病変SSA/Pの表面に豊富な粘液を伴うことは内視鏡検査や大腸CT検査で検出向上の助けになる

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
第15回消化管先進画像診断研究会(GAIA)が
当番世話人の平山眞章先生(斗南病院)のもと
2019年9月8日(日)に開催されます!

身につけるべき最新情報を
今回も企画しています!

是非ご参加くださいね。

事前参加申込み
受付専用メール: gaia15.sapporo@gmail.com
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論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
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【考察】
つい最近まで、検出が難しいSSA/Pは見落とされたり
違う病変として認識されてきた。

病変表面に豊富な粘液を伴うことは
内視鏡検査や大腸CT検査における
検出を助ける特徴である。

現在まで、SSA/Pの自然史はほとんど知られておらず
エビデンスがないため専門家委員会の見解が出される
にとどまっていた。

SSA/Pが内視鏡検診の中間期癌の前駆病変と考えられたことから
SSA/Pの成長・癌化は急速であると推論されたのである。

(感想)
病変表面に豊富な粘液を伴うことは
大腸CT検査においては病変の表面に
タギングされた粘液をまとうということであり、
このことによりSSA/Pの検出能があがること
さらには質的診断に結び付く可能性も示唆されます。

ただ、病変表面に豊富な粘液を伴うことで
SSA/Pと質的診断ができるかどうかについては
慎重に前向き評価されなければいけないと思います。


それでは、また。


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2019年05月29日

大腸CTアカデミア 鋸歯状病変SSA/Pの形態は平坦型が多く、また存在部位は圧倒的に右側結腸に多い。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
第37回日本大腸検査学会総会
国立がん研究センターの斎藤豊先生の会長のもと
2019年11月1日-2日に東京で開催されます!

ナガイチは共催教育講演やハンズオンセミナーを
担当させていただきます。

6月28日まで演題募集中です。
是非ご応募くださいね。
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PubMedから、今日のつぶやき − 491 −


Pickhardt PJ, et al. Volumetric growth rates of sessile serrated adenomas/polyps observed in situ at longitudinal CT colonography. Eur Radiol 2019 Feb 11. [Epub ahead of print]




論文「大腸CT検査の経時的観察による鋸歯状病変SSA/Pの成長速度」
のご紹介です。

【考察】
SSA/Pからの発癌(serrated pathway、つぶやき - 487 -参照)
すべての大腸がんの15-30%を占めるといわれている。

SSA/Pは形態は主に平坦型であり
存在部位は圧倒的に右側結腸が多い。


これに対して過形成ポリープは
左側結腸(直腸とS状結腸が主)に存在し
全大腸鋸歯状病変の70-95%を占め
悪性化のポテンシャルはない。

また注目すべきこととして
鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma, TSA、つぶやき − 486 −参照)
BRAF変異やk-ras遺伝子異常を伴う。

(感想)
内視鏡検査の代替検査として
市民権を得るために
大腸病変の知識をアップデートすること、
そして大腸CT検査の診断役割を把握していくことは
大切ですね。

それでは、また。
良い週末をお過ごしくださいね。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30741343

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。








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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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