僕が警備員を辞めた理由

今回はサッカーの例えを用いて、
プレイヤーからマネージャーに進化する
ための、ヒントを語ります。



係長として活躍していた人が、自らの
仕事を振り返り、部下に仕事を任せる
能力が大切だ、と語っていました。



係長になる前は、バリバリのプレイヤーで
活躍して、その姿勢で係長として続けて
しまい、後悔している。



組織をより大きく成長させる必要があるのに
自分は逆行してしまった、と反省していると
のことでした。



これ、警備に当てはめるとどうでしょうか。
小さな警備隊なら、隊長クラス。２桁人数の
警備隊なら、副隊長クラスも。



最低でも、検定２級を持っているのが
相場のようです。知識と経験を兼ね備える。



プレイヤーとして動く部分をセーブして
管理しなくてはならない。多くは指導に
なるでしょう。



ここでサッカーの例えですが、アンカーと
いうポジションがあります。文字通り
「錨」を意味します。



チームという、船が漂流しない為のもの。
ちなみに類似ポジションのボランチは、
「舵・ハンドル」と言う意味です。



かつて日本代表を務めた、長谷部選手を
イメージしてもらえると分かりやすい。



アンカーは、守備的ミッドフィールダーの
一部で、中盤の底に位置し自陣の守りを
強化するために配置されることが多い。



相手チームの攻撃を封じる役割を担当し、
プレスやマーキング、ブロックなどの
守備技術を用いてチームを支えます。



アンカーの役割は、中央の深い位置で
得点機が生まれやすいバイタルエリアを
カバーし、相手の攻撃の芽を摘むこと。



敵の花形ファンタジスタを迎え撃ち、
思い通りのプレーをさせない。



特筆すべきは、危機察知能力や守備能力が
高い選手がアンカーを務めることが多い。
警備では、一番求められる能力です。



アンカーの難しいところは、如何に
動かずにその位置にいるか、です。
動き過ぎては仕事になりません。



目立つことは少ない黒子のような存在かも
しれませんが、チームのバランスを保ち、
安定したパフォーマンスを実現できる。



仕事では、部下に任せるより自分がやって
しまった方が早い時も、多々あります。



それをぐっとこらえて、指導しながら
任せてみる、忍耐がいる。



失敗したり、失敗しそうになったら
走っていってフォローを行う。



普段はどっしり構えているけれど、
いざという時は動くイメージ。



アンカーの辛いところは、自ら動きたい
けれど、そこをこらえなくてはいけない。



ポジションを外し過ぎて、敵に決定機を
与えてはいけないのです。



自分が動かない事で、周りを動かす
能力がいる。



過去記事「ゼークトの組織論」で紹介した
有能な怠け者と言えなくもない。
陰の司令塔ですね。



こんな縁の下の力持ち的な存在である
アンカーこそ、理想的リーダー・
マネージャーと観ます。



警備に限らず、目立つ花形ポジションを
やりたくなるのが人情です。



誰だって、エースストライカーや
ファンタジスタになりたい。



しかし、彼らだけでは試合に勝てません。
得点する以上に失点しては、負けます。



そこでアンカーたるリーダーが後ろに
控えている。



過去のサッカー日本代表を見ても、
キャプテンを務めたのは、ほとんど
中盤以前の選手です。



自分は責任者に向いていないと思って
いるけれど、クライアント側から要請され、
リーダーになるのはこのタイプと観ます。



一方誰もがファンタジスタになりたがる
組織は、健全ではないと言えるでしょう。



仕事で、黙々とアンカーのポジションを
こなして、成果を上げていても



使う側が、ファンタジスタばかり
評価する組織であったら？
警備にも多そうです。



アンカーとしての実力を評価してくれる
職場に転職を検討してみる。



もちろん転職は自己責任ですが、ずーっと
冷や飯食いで過ごすのと、どちらが幸福度が
高いのか。



選手としては、目立たなくても
マネージャーやリーダーに向いているなら
見出してくれる人の縁を求めてみては。



自分の実力を高く評価してくれて、活躍の
場を与えてくれる人には、必死で報いようと
するのが人情です。

スキマ時間でちょっとリッチに。｜マクロミル