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2020年03月10日

シベリアに「抑留」されて居た女たちの生き様




 管理人・・・・新型コロナウィルスの事を一旦忘れ、70年以上も昔のお話へとタイムスリップしてみましょう。戦後直ぐのシベリア抑留のお話は、記録映画や特番・ドラマや小説、又は何かの話の中で聞いた事が有る人も少なくないと思いますが、其の酷寒の厳しさと食べものの少なさで、総勢60万人以上の収容者の一割以上が亡く為った・・・悲劇です。しかし、この収容者達の中に、数百名とも言われる若い女性達も存在して居た云う記録があるのです。今回は、その記事を取り上げます・・・2020・3・11








 シベリアに「抑留」されて居た女たちの生き様

              〜東洋経済オンライン 3/10(火) 16:10配信〜


              3-10-29.jpg

             シベリア抑留者60万人の中には、数百人の女性が居た

 戦後、満州や樺太から日本人がソ連に連行されたシベリア抑留。数々の生々しい証言や記録・小説で極限状態での強制労働等過酷な実態が明かされて居る。
 その抑留者60万人の中に、実は数百人の女性が居た。準備期間8カ月・延べ数百人に当たってドキュメンタリー番組を制作した記録。『女たちのシベリア抑留』を書いたドキュメンタリーディレクターの小柳ちひろ氏に聞いた。


       3-10-25.jpg

            ドキュメンタリーディレクターの小柳ちひろ氏

 シベリアでは辛いと思った事は無かった

 ・・・満州からの引き揚げでは、開拓団の女性達がソ連兵による暴力に逃げ惑った話が真っ先に浮かびます。でもコノ本では、主人公である佳木斯(ジャムス)第一陸軍病院の看護婦さん達の気丈さ、逞しさの方がより鮮明でした。

 ソウ、逞しい。最初に話を聞いた元看護婦さんの第一声が「シベリアでは辛いと思った事は無かったわね」でしたから。でもそれは、彼女達が年を経て強く為り語れる様に為った部分と、社会が彼女達の語りを知らずに来た面が強いのかなと思うんです。所属が陸軍病院なので、仲間の衛生兵や士官達は彼女達を好奇の目から守りました。
 戦後、戦友会で手記をまとめた時、彼女達の手記に付いては内々で配付し、住所録も省いた形跡が有ります。日本政府やソ連に対し賠償金を要求する際、その大きな連帯に女性は含まれ無かった。本当は自分の体験を知って欲しくても、黙って居ざるを得ない環境でした。男性抑留者にも取材した事が有りますが、女性の方が辛い思い出を過去のものにして居る印象は有りましたね。

 ・・・或る日突然「ダモイ・帰国だ」と騙され、又次の収容所病院に送られる。それでも開拓民の女性に比べれば危険は少なかった? 

 佳木斯(ジャムス)の看護婦さん達は150人単位で収容されて結束して居たし、同じ部隊の男性軍人に守られた希有なケースでした。属人的なレベルで部隊長・病院長・上官達に女性を守ると云う人が多く居た。他の病院では、ソ連軍の「女を差し出せ」と云う要求に従った例も多かった様です。

 ・・・そもそもソ連は何故女性達を抑留したのか。労働力に為ら無い上に食糧だけは余分に要る。収容所に取っては非効率そのもの。

 ロシアの日本人抑留問題研究第一人者の話では、どうも大した意図は無かったらしいと。単なる手違い。偶々虜囚に女性が交じった程度らしいです。それを聞いて、サモ有りなんと思いました。日露戦争の捕虜でも将校の奥方・その女中さん何かが交ざって居たと云う資料が有ります。その雑さなら、女性が交ざっちゃったと云うのは全然有り得るなと。

       3-10-27.jpg

 事実の残酷や極端さより重要なこと

 ・・・彼女達の場合、抑留期間は1〜2年と比較的短く、軍人達に守られ民間女性に比べれば環境はマシだった。それでも矢張り、記録に残さねばと思われたのは、ドンな思いからですか。

 歴史の本に書かれてる事は、どうしても政治家や外交官・学者の記述で事実関係が主に為るんですけど、同じ時代を生きた当事者の話を聞くと全然違うドラマが有る。事実の残酷さや極端さより私に重要なのは、その場に居た人が何に葛藤したか、良心に従ってドンな行動に出たか、或は見ぬ振りをした事に苦しんで居たりする事。今生きてる自分達と同じ人間なんだと感じて、とても揺さぶられるんです。

          3-10-28.png

 ・・・本の後半、抑留中皆の先頭に立った日赤派遣組の看護婦さんの手記が胸に響きました。

 彼女は帰国後真っ先に地元日赤病院へ行き、軍靴をカチッと合わせて挙手の礼をし「只今帰りました」と報告します。この言葉が言いたくて生きて来た、赤十字の従軍看護婦だからと云う思いを常に抱えて来た。その後故郷へ戻る汽車の一隅で「一人相撲だった様な・・・そんな思いで酷く力が抜けた」と綴って居ます。凛々しさを貫いた中で、フッと素の人間の実感が零れ落ちた。

 ・・・最終章、唯一帰国を拒否した村上秋子さんの話は、重たい余韻を引きズリました。彼女が語る事の無かった余白の深さは、どれ程のものだったかと。

 1956年の最後の引き揚げ船1025人中、1人だけ帰国を拒んだのが彼女でした。収容所群の中でも囚人の墓場と呼ばれたマガダンで受刑者として9年間服役し、その後、地元官舎の守衛として生計を立てそのママソ連人に為った。
 生前の彼女は、常々日本を突ッパねる言葉を吐いて居たけど、最期に「早く帰りたかった」と涙したと云う話を聞きました。

 当時の看護婦さんは一見花形の存在だったけど、彼女の場合、元は貧しい一家を支える為20歳前後で朝鮮半島へ娼妓として売られた娘さんだった。戦後はソ連将校の相手もしたかも知れない。娼妓と云う別の世界に落ちてしまった、故郷に帰れる人間じゃ無いと自ら身を引いたんだと思いますね。
 ソンな彼女の運命には、近代から現代に掛けての日本社会と女性と云うテーマに通じる問題が込められて居ると思います。彼女が生きて居た証しを届けたかった。

 時代が違えば全然違う生き方をして居た

 ・・・晩年を知る現地の人達からはトテモ愛されて居た様ですね。正しいロシア語では無くても、罵り言葉だけは饒舌だったとか。
 
 強い人だから言われたら言い返す。皆懐かしそうに話して呉れるんです。それだけ魅力のある人で、時代が違えば全然違う生き方をして居たかも知れません。私は秋田出身なのですが、1930年代の恐慌時、東北の子供が裸足で大根齧ってる姿や「娘売ります」って札の写真を日本史の教科書で見ると、もし同じ時代を生きてたら秋子さんの人生は決して他人事じゃ無かったと思いもしました。

 ・・・本の中の「記録され無かった事実が如何に忘れ去られてしまうものか痛感する」と云う小柳さんの言葉は重いですね。
 
 この本で伝えた事は囁かな事実だと思うんです。女性抑留者は本当に小さな存在でした。公式記録から零れ落ちた人達で、何か大きな事件が有った訳でも、彼女達が何かを成し遂げた訳でも無い。けど少なくとも、男性達が経験したシベリア抑留とは一寸違う見方を教えて呉れた。
 ドンなに過酷な環境でも生き甲斐を持って生きる事が出来ると云う、人間の強さ健気さ逞しさ。それさえ伝われば意味が有ったのかな・・・記録として。


        3-10-26.jpg 著者 小柳ちひろ氏
 
          聞き手 中村 陽子 東洋経済記者     以上











 【関連記事】 NHK特番と新聞記事から 女性抑留者に付いて

 シベリア抑留者の中に女性が居た事は、今迄余り知られて居なかった。が、2014年7月26日の読売新聞に「看護婦の証言」と云う記事が掲載された。次いで、同年8月にNHKで「女達のシベリア抑留」と云う二回のシリーズで放映され、女性抑留者達の証言が歴史的事実の裏付けと共に公表された。
 新聞記事は、次ページにそのママ紹介。そして、NHKの番組に付いては、大変貴重な内容なので、その概要を此処に纏めてみたい。

 ロシア軍事アカデミーのウラジミールガリツキー海軍大佐は、初めて日本人の女性抑留の問題に触れ、公式には判って居ないが、第二極東戦争の捕虜の中に367名の女性が居たと語った。1945年11月11日迄にその内102人が解放110人が中国側に引き渡され155人が収容所に送られた。
 NHKの取材班は、日本人抑留者70万人の公文書が保管されて居たロシア国立軍事公文書館で、8名の女性のファイルを発見した。分類には性別が記載されて居ないので抽出が難しい。

 それ等の女性達は、終戦時に撤退が間に合わ無かった看護婦達・軍の補助的役割を担って居たタイピスト・秘書・大使館の日本語教師等で有った。女性の抑留に関しては、1945年9月2日スターリンの極秘指令9898には指示されて居ない。
 日本人抑留の目的は石炭・鉄鉱石等資源の豊富なシベリアを開発させる重労働が目的だったので、この指令に書かれて居た50万人の日本人の抑留の目的の中には女性は考えられては居なかった様だ。だが、スターリン文書の目標を果たす為に、現場の指揮官が軍事捕虜として、男性と共に女性で在っても連行したと考えられる。

 その中には「反ソ活動計画」と云う名目で裁かれた受刑者達も居た。 適応されたのは、ロシア刑法第58条による「反逆罪」その結果1946年から1955年迄10年の間、帰国の適わ無かった女性も在る。又、日本への帰国後、故郷の人々に「罪人」として後ろ指をさされる恥を恐れ、家族の恥とも為らぬ様、獄中よりロシア国籍取得を願い出て一生日本へ帰ら無かった人も在る。
 本当は、当時マッチ箱一つ盗んでも10年間の投獄と為ったソ連の法律をそのママ日本人に適応するのでは無く、国際裁判がされるべきであった。その結果送還されたアレクサンドロフスク監獄は、厳寒の中、廊下に次々と死体が山積みと為る様な場所だったと云う。


 このNHKの前編と後編の番組の中で、高齢と為った証言者達は、今言わ無ければ風化してしまう悲痛な思いや当時の思い出を、夫々に次の様に語った。

 齋藤治子さん 

 抑留当時17才。女学校卒業後、直ぐ陸軍看護婦として働いて居た。2年ハバロフスクに抑留。ソ連軍が侵攻して直ぐ仲間と引き裂かれ、直ぐ「移動だ!」と言われた。何時さツされるか、何をされるか判らなかった。毎日毎日が死と紙一重で、恐怖の連続だった。
 「日本に返す」と言われて居たのに、ハバロフスクに着いたら、ソコは地獄だった。特に、一軒家でシャワーを浴びる為に極寒の外で仲間全員が裸にされた時には殺されるかと思った。言う事を聞か無いとソ連兵士に機関銃を背中に突き付けられた。
 日本人の収容者の病院で看護をして居た時、夜に為ると、病人達が「お母さん!」と呼んでは、ヤガテ死んで行く事が毎晩続いた。15才位の二人の少年が、堪えられず脱走した時には直ぐに射殺され、その凍った死体が見せしめの為、皆が通ら無ければ為ら無いトイレへの道の真ん中に置かれて居た。
 この少年達は、満蒙開拓青少年義勇軍として、満州開拓と警固を担う為に国策によって満州に送られて居た10代半ばの少年達だった。この少年達には伐採・石切り等特に大変な重労働が課され、僅かな食べ物しか与えられ無い中で、急速に疲労困憊して行って居た。

 高場経子さん 10才の時に家族と一緒に満州に開拓団として入り、14才で従軍看護婦と為り、初年兵と同じ訓練を受けた。収容所では、四隅に櫓を組まれ、その上でロシア兵が銃を持って番をして居た。回りには四重位に有刺鉄線が張り巡らされて居た。女性も男性に混じって、毎日の労働に駆り出されて居た。
 寺崎信子さん 行く先は日本人収容者の為の看護病院で、男ばかり1400人の所に連れて行かれた。日本の軍の方に「皆さんをこんな風にしてしまって、申し訳無かった」と言われた。
 松本フミさん 8月9日、不可侵条約を破ってソ連が満州に侵攻して来た時、ダブダブの軍服を着て丸坊主にして男として逃げる準備をした。ソ連兵に捕まった後は「ダモイだ」と言われて、20人が一つのグループにされ恐怖に陥ったが、大きい日本人だけの病院に着いた。チョロプオーゼロ収容所病院だった。ソコで看護婦として働いた。

 太田秀子さん 抑留当時15才だった。氷点下30度の寒さの中を手袋もせずに働かされた。雪が降っても外へ薪を拾いに行った。銃を持ってソ連の監視兵も付いて来た。大豆だけの様な僅かな食料で過酷な労働を強いられ、皆次々と栄養失調で亡く為って行ったので、自分も生きて帰れるかどうか判らなかった。
 亡く為った人達の死体が雪の中に積み上げられて行くのを見て居た堪れ無かった。イヨイヨの時には恥ずかしめを受け無い様に、青酸カリを飲んで命を断つ覚悟が出来て居た。「日本の女らしく堂々と死になさい。逆らっても無理だから」と婦長さんに言われて居た。
 だが、現地の人との交流が生まれた事も在った。一緒に歌ったロシア語の「カチューシャの歌」を未だ覚えて居る。又、汽車でハバロフスクへ行った時「日本のお嬢さん、此処へお座り」と親切に言って呉れたロシア人も居た。

 佐々木一子さん 満州の役所でタイピストをして居たが、看護婦が足り無くて軍に招聘された。ロシア軍が侵攻して来た時、軍と共に行動する事を決めたが、父が家族と一緒に行く様に迎えに来た。
 父とは共に行かず・・・抑留へ。その父は、自分に会いに来た事が原因で汽車に乗り遅れ、帰らぬ人と為った。ロシア人は人懐っこくて優しい人も居た。好く「恋人が居るか」と聞かれた。
 井上ともえさん フィリピンで戦死した兄を思って、自ら志願して看護兵と為った。ソ連が侵攻して来た時、病院に入院して居た傷病兵達を共に連れて逃げる事は出来なかった為、静脈注射を打つ係と為った事は辛い思い出。その後病院に火が放たれた。
 寺崎のぶ子さん ソ連侵攻後、満蒙開拓団の人達が現地住民から襲撃を受けて続々と大変な格好で逃げて来た。子供が一緒に逃げられ無い事から、自ら子供を手に掛け、自分も自殺した母親達も居て、悲惨な光景だった。

 高亀カツエさん 従軍看護婦の経験も有り、従軍看護婦養成の班長だったので、捕虜とされてからズッと班の中の女性達を思い遣って行動して居た。
 女性達が自分の身に危害が及ぶ様な時には、自決で切る様にと軍から100人分の青酸カリを渡された。 しかし、女性の一人がロシアの兵隊に強制的に連れ去られる事件があり、その時「班長、助けて!」と云う声を聞いた。その声は今でも耳から消え無い。
 80歳を過ぎてから、四国のお遍路さんに行き、その哀しい経験の答えを探した。 もう一つの辛い思い出は、ソ連侵攻後に150人の女性達が部隊と一緒に逃げて居た時、女性達が軍の行動の負担と為って行った。それで、看護婦はもう用が終わったので解散する様にと言われて必死に反対した。
 本当に命が危険な状態の中で女性が一人に為って逃げ切れる事は考えられ無かった。この解散命令は、実行はされ無かった。この様な経験は、人として女性として極限状態のもので在った。それでも、命を惜しんではいけ無い、大変な仕事も、始めたら終わる迄やら無ければ為ら無いと思って働き続けた。


 ・・・これ等の女性達は国の求めに応じて看護婦としての誇りと使命感を持って軍の為に働いていたが、シベリア抑留と云う思い掛け無い悲惨な経験が待って居た。以下、此処に記載する読売新聞の記事は、上記高亀カツエさんの経験を更に詳しく述べて居る。









 看護婦の証言 (新聞記事)

    読売新聞 シベリア抑留 看護婦の証言 2014年(平成26年)7月26日(土曜日) 

 終戦当時、派遣されて居た旧満州からシベリアに抑留されて居た99才の元日本赤十字社従軍看護婦が来月下旬、東京・京都・大阪で上映される記録映画で体験を語る。シベリア抑留には、看護婦や電話交換手ら女性も居た事が知られて居るが、軍人と比べ資料が乏しい。戦後69年「歴史の空白」に目を向けさせる証言である。
(大阪本社編集委員 井手裕彦)

 広島市在住の高亀(旧姓・林正カツエさん。28才だった1943年7月、日赤広島支部から旧満州北東部のチャムス第一陸軍病院に配属。45年4月からは現地の高等女学校卒業生らを看護婦に養成する教育隊の班長に就いた。ソ連軍の侵攻を知ったのは8月9日未明。爆撃音が鳴り響き、入院患者の移送後逃避行が始まった。

「助けて」部下の悲鳴

 渡された青酸カリ

 上司の大尉に呼ばれて渡されたのは、100人余りの隊員全員分の青酸カリ。もしもの時の為だった。髪を短く刈り、軍服姿に為って胸ポケットに青酸カリを忍ばせた。
 ソ連軍は直ぐに部隊を取り囲んで全員を捕虜にし「女性を差し出すように」と強要して来た。司令部がソ連将校に懇願して難を逃れた。だが、8月末、女性部隊で夜道を移動中、ソ連兵の四輪駆動車が近づいて来て、一人の隊員が車に連れ込まれた。
 戦地の勤務経験が在った班長の高亀さんは最後尾に居て「もう歩けない」と云う年下の隊員を励増していた。点呼をとると、拉致されたのは同じ班の班員と判明。草むらで亡く為って居た事が約50年経ってから判った。「『班長殿、助けてっ!』と云う悲鳴が今も耳に残って居ます」 思い出す度、涙が零れる。

 厳寒の収容所生活 重労働で倒れる

 1945年10月、女性部隊は、ハバロフスク郊外の将校収容所を経て、山奥の収容所へ移送され「囚われの身を思い知った」 自動小銃を構えたソ連兵の監視の下、薪取りと農場でのジャガイモ堀の毎日。素手で雑木を折ったり、土を掘り返したり。凍て着く寒さで感覚を失った手から血が流れた。
 食事はコーリャンに水を加えて炊き、上澄みの汁を啜る。床に毛布を敷き、仲間と体をくっ付け合って寝た。
 ソ連兵が「ダモイ」(帰還)と触れて回り、喜んで荷物を持って出て行くと、ウソで腕時計や万年筆を没収された。暫らくして、発熱と下痢に襲われた。意識朦朧となり、痩せこけた日本兵等と一緒に病院送りと為った。

  ソ連婦長の看護

 気が付いたのは、ソ連の婦長から風呂に入れられて居る時。栄養剤をスプーンで口に運んで呉れ、元気に為った。「あの手厚い看護が無ければ、命を落としていたかも」
 病院では、収容所の記録で高亀さんが看護婦と知って居た。別の病棟の婦長から「静脈注射が出来るか」と聞かれ、約80人の日本兵が入院して居た内科病棟を手伝う事に為った。彼らから「収容所で戦友の死体がトラックに薪の様に積まれ、何台も運び出された。自分達は生き残りだ」と聞き、懸命に働いた。 婦長に拉致された隊員の事を話したら「自分も戦火に追われて体一つで逃げて来た。親も兄弟も家も無い。貴女は帰る家が有り必ず帰れるのだから」と言われた。戦争の犠牲は戦勝国も変わら無い事を知った瞬間だった。

 1947年6月、婦長から帰国指令を聞いた。案じて居た女性隊員等と日本への出発港のナホトカで再会した。アチコチの病院や収容所に分かれ働いて居た。舞鶴港に引き揚げ、原爆投下の惨状が残る広島へ。1年10か月の抑留を終えた。戦後も、広島赤十字・原爆病院の総婦長や夫の歯科医院の手伝いで看護婦を続け、2人の娘を育てた。

 解説スペシャル

 「捕虜イコール軍人、男と云う観念が強く、女性の抑留者は忘れられ勝ちな存在だった」と、シベリア抑留研究の第一人者、富田武、成蹊大名誉教授は言う。全国抑留者補償協議会会長だった故斉藤六郎氏が著書で
 <二百数十名の女性が抑留され、内三十数名が受刑者だった>と記して居るが、総数はハッキリせず、1000 人以上との説もある。捕虜にされたのは、軍や特務機関に居た看護婦や電話交換手、タイピストら。通訳らはスパイ容疑を掛けられ、「戦犯」にされた。抑留中に死亡したり、ソ連に残留して帰国出来なかったりした女性も居た。

 ジュネーブ条約では1949年迄女性の捕虜への配慮の詳細な規定は無く、処遇は収容所の裁量だった。富田さんは推測する。手記や記録も僅かで、抑留を紹介する国の施設、東京・新宿の平和祈念展示資料館でも従軍看護婦がソ連の婦長に貰った軍服と、引き揚げ時の写真があるだけだ。
 ロシアから提供された70万件の捕虜登録記録カードを保管する厚生労働省は生別の分析をして居ない。シベリア特別措置法で国の責務に定める強制抑留の実態調査の一環として女性抑留の解明を進め無い限り、風化する恐れがある。

 * シベリア抑留

 日本降伏後、ソ連軍が旧満州や樺太等から日本兵や軍属、民間人57万5000人(厚生労働省推計)をソ連領やモンゴルの収容所に送り、鉄道敷設や森林伐採などの強制労働を課した。抑留は最長11年に及び、餓えと寒さで5 万5千人(同)が死亡したとされる。


               久芳健夫            以上





















「コロナ不況」対策として 有志が「国民1人当たり20万円」の支給を財務省に申し入れ




  「コロナ不況」対策として有志が
 
 「国民1人当たり20万円」の支給を財務省に申し入れ


          〜HARBOR BUSINESS Online 3/10(火) 15:32配信〜


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                厚生労働省記者クラブでの会見

 名目で2.3% 実質で2.2%のGDP押し上げ効果が期待出来る!?

 イベント中止や株価低迷、飲食店や宿泊施設は閑古鳥・・・新型コロナウイルスによる経済的な打撃は深刻で「コロナ不況」による企業倒産・失業者・生活困窮者の増加が危惧されて居る。

 そうした中、日本経済復活の会や就職氷河期当事者全国ネットワーク、ベーシックインカム学会の有志が「国民一人当たり20万円」の配布を求め財務省に申し入れ。厚生労働省記者クラブで会見を行った。
 会見で「日本経済復活の会」の小野盛司会長「新型コロナウイルスや米中貿易摩擦・日韓経済摩擦・消費税増税等が重なり、日本経済は急激に落ち込む可能性が出て来て居る。緊急策として、全国民一人当たり20万円を配布すべきだ」と訴えた。

 小野氏によれば、今回の提言は、2009年に菅義偉氏や安倍晋三氏等20人超の国会議員有志で発足させた「政府紙幣及び無利子国債の発行を検討する議員連盟」から着想を得たのだと言う。菅氏が同年2月1日放送のフジテレビ「報道2001」の中で「政府紙幣を発行し国民一人当たり20万円分を配る」と提案して居り、小野氏は「その提案を今コソ実行すべき」と語る。

 国民全員に20万円を配布すると「名目で2.3% 実質で2.2%のGDP押し上げ」!?
 
 小野氏が日経新聞社のNEEDS日本計算モデルを使って試算した処、国民全員に20万円を配布すると「名目で2.3% 実質で2.2%のGDP押し上げ効果が期待出来、実質民間消費を15兆円押し上げる」と云う。
 その一方で「消費者物価押し上げ効果は0.05ポイント 長期金利は0.02ポイントの上昇で留まる。ハイパーインフレや国債の暴落等のリスクは無い」との事だ。

 小野氏は「先進国の中で日本とイタリア以外は、年収が大きく伸びて居る。可処分所得を増加させ経済を拡大すべき」「国債発行で財源を確保しつつ、ベーシックインカム*を行う事が日本経済復活の為の特効薬と為る」と主張。
 又「20万円給付で個人消費が活発に為れば企業の賃上げも進み、人々に取っては二重の喜びと為る」と期待を寄せた。

 *ベーシックインカム・・・政府が国民全員に無条件で、生活に最低限必要な現金を支給する政策
 新型コロナ不況対策を皮切りに格差是正も

 会見には、経済学者で駒沢大学准教授の井上智洋氏もメッセージを寄せ「デフレからの完全脱却を果たして居ない今、マクロ経済政策に対する考えを抜本的に改め無ければ、失われた30年は、40年・50年と為るだろう」と、20万円配布と緊縮財政からの脱却を呼び掛けた。
 介護労働者で就職氷河期当事者全国ネットワークのメンバーの諸星たおさんも会見に参加。

 「少子高齢化が進む中、介護現場の人員不足が危惧されて居ますが、低賃金・長時間労働で私達は既に限界です。例えば、職場で誰かが新型コロナウイルスに感染したら、その穴埋めするのは難しい」
 と語る。「人員を増やす為には介護労働で生活して行く事が必要です。日本の社会保障制度の持続性は、現場で働く人々一人ひとりの生活の持続性に懸かって居ます」と新型コロナ不況対策を皮切りに、格差是正や労働者が安定して働ける環境造りをして行く事の重要性を強調した。

 新型コロナ経済対策で進む各国の現金給付

 映画監督でベーシックインカム学会理事の増山麗奈氏「現金の配布と云うと、日本ではバラマキだの・財源はどうするだのと批判されますが、ベーシックインカムやそれに類似したものは、各国で試みられて居ます」と語る。

 「新型コロナウイルスによる経済低迷の打開策では、香港政府は18歳以上の全ての市民・約700万人に日本円で1万香港ドル(およそ14万円)を配布する事を打ち出して居ます。韓国では、昨年、同国北西部の京畿道(キョンギド)行政区で、若者を対象に年間100万韓国ウォン(約9万円)を配布する社会実験が行われました。米国のカルフォルニア州でも、遂先日、月1000ドル(約10万7000円)相当のベーシックインカムを配布する法案が州議会に提出され、その動向が注目されて居ます」(増山氏)

     文・写真 志葉玲 ハーバー・ビジネス・オンライン    以上
















新型コロナで浮き彫りになる安倍首相の独り相撲




 新型コロナで浮き彫りになる安倍首相の“独り相撲” 

 英首相は科学主導の三人四脚 ドチラが立派?


           〜在英国際ジャーナリスト 木村正人  3/10(火) 12:00〜


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              在英国際ジャーナリスト 木村正人

 米CNNが WHO無視してパンデミック宣言

 [ロンドン発]新型コロナウイルス感染症が中国から世界に広がり、イタリアやイランで死者が急増して居る事を受け、米CNNは、9日から世界保健機関・WHO米疾病予防管理センター・CDCの宣言を待たずに「パンデミック(世界的な大流行)」と云う言葉を使い始めました。

 イギリスのボリス・ジョンソン首相もこの日緊急会見し「我が国は未だ封じ込めフェーズだが、世界の状況を見るとそれだけでは足り無い。次の遅延フェーズの準備に入る」と述べました。英国の感染者は321人・死者は5人ですが、変化は急激に訪れ急増する恐れがあるそうです。
 クリス・ホウィッティ・イングランド主席医務官は「恐らく10〜14日間の内に熱や軽いインフルエンザの様な症状の有る人には1週間、自宅で自己隔離をお願いする事に為る」と述べました。休校や集会禁止の様なドラスティックな手段を執る事は当面は無いそうです。

 ジョンソン首相は前回、行動計画を発表した記者会見と同じ様にホウィッティ主席医務官とパトリック・ヴァランス政府首席科学顧問を従えて、医学と科学に基づいて行動計画を実行に移す姿勢をアピール。イギリスの行動計画は約10年掛けて更新されて来たものです。
 ホウィッティ主席医務官は「感染しても殆どが軽症なので自宅で療養して貰う。こうした人達にはPCR検査もしない」と強調しました。ヴァランス顧問は「空港での発熱者スクリーニングや大規模な集会の禁止は殆ど効果が無い」と述べました。

 日々のモニターから感染の拡大を予測して適切なタイミングで適切な対策を執ります。感染者のピークを50%に抑え、高齢者や持病の有る人の死亡率を20〜30%減らして感染のピークを夏にズラスのが目標です。感染のピークを減らし過ぎると今度は来シーズンに反動が来ます。
 前回の記者会見では訪れた病院で感染者と握手した様な発言をして物議を醸したジョンソン首相ですが、この日は「握手をし無い事が、相手に手洗いが大切だと伝えるサブリミナルなメッセージに為る」と云う無難な答えにまとめました。

 科学の影が薄い日本

 一方、日本はイギリスに比べて科学の影が薄いので気に為ります。新型コロナウイルスの流行で専門家会議の初会合が持たれたのはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する検疫の破綻が明らかに為った直後の2月16日です。
 安倍晋三首相は2月27日に突然、全国の小・中・高校の休校を要請。専門家会議のメンバーが「休校は諮問されて居らず提言もして居ない。将来の可能性も含み議論した事すら無い」と暴露してから、専門家会議は29日〜3月2日の2回とも持ち回り開催に為ってしまいました。

 当の安倍首相は3月2日の参院予算委員会で「直接、専門家の意見を伺ったものでは無い。時間を掛ける暇(いとま)が無い中で私の責任で判断した。事前の準備に掛ける時間が少なかったのは、その通りだと思う。負担を掛けるのは本当に申し訳無い」と述べました。
 「専門家は1〜2週間が瀬戸際で正念場だと云う認識を示した。時間を取って居る暇は無い中で判断した。学校で新たなクラスター(患者集団)が発生する事だけは避け無ければいけ無いと判断した」と言います。官房長官も文部科学相も知ったのは当日と云う首相の独断専行でした。

 日本では2009年の新型インフルエンザを受け、新型インフルエンザ等対策特別措置法が制定されました。当初、新型コロナウイルスは特措法の対象外と云うのが政府見解でしたが、安倍首相は突如として新型コロナウイルスを期間限定で特措法の対象とする法改正を目指し始めました。
 泥縄式とは正にコノ様な事を言うのでしょう。7月24日に開幕する東京五輪・パラリンピックを無事開催したいと云う強いプレッシャーでしょうか。しかし封じ込めに失敗した国が出て来た以上、幾ら日本が頑張ってみた処で一国だけでは封じ込めは成立しません。

 日本は目標を共有出来て居るか

 イギリスの行動計画は(1)封じ込め(2)遅延(3)緩和・・・に加えて(4)研究と云う4つのフェーズから成り立って居ます。
 未だイギリスは封じ込めフェーズですが、ヴァランス政府首席科学顧問の話を聞いて居ると集団免疫が出来る時期迄頭に描いて居る事が伺えます。

 新型コロナウイルスは患者1人から2.6人に感染するので集団免疫レベルが50〜60%に達した時点で流行は終息に向かうと考えられて居ます。イギリスは感染のスピードを遅らせながら、来シーズン以降に終息に向かう集団免疫の獲得も視野に入れて居る様です。
 3月2日に開かれた日本の専門家会議の参考資料「新型コロナウイルス感染症の流行シナリオ・2 月 29 日時点」を見ると、厚生労働省は(1)封じ込めフェーズでは無く(3)医療崩壊を防ぐ緩和フェーズに備えて居る様に見受けられます。

 イギリスではパフォーマンス好きのジョンソン首相でサエ医学と科学に頭を垂れ、チームプレーに徹して居ます。欧州連合EU加盟国とは異なるアプローチを執るホウィッティ主席医務官とヴァランス政府首席科学顧問からは、科学に基づく確固たる自信が覗きます。
 不安を覚えるのは安倍政権の政策決定にドレだけ科学的知見が生かされて居るかです。新興感染症の流行に対する行動計画のフェーズと目標が首相・厚労省・自治体・病院・現場の医療従事者・市民の間で共有されて居るか・・・と云う点です。

 安倍首相は新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正して緊急事態宣言を行い、新型コロナウイルスをネジ伏せて五輪開催に漕ぎ着けたいのでしょうか。首相がこれ迄以上に“独り相撲”を取り出すと、戦いの最前線である医療現場が大混乱してしまう恐れがあります。


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            在英国際ジャーナリスト 木村正人 おわり









 「新型コロナ特措法」すら政局に利用する安倍政権の苦しさ

            〜プレジデントオンライン 3/10(火) 18:16配信〜

 新型コロナウイルスの感染拡大に備えた特別措置法の改正案を巡り、安倍晋三首相が立憲民主党など野党党首に協力を呼び掛けて居る。超党派の話し合いの枠組みが出来た様にも見えるが、実態は権力闘争の色彩が濃い。国民の健康が危機に瀕するナかで、繰り広げられた「政局劇」とは・・・

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け会談に臨む 安倍晋三首相・公明党の山口那津男代表・社民党の福島瑞穂党首等

 熊本地震以来「4年振りの党首会談」だったが・・・

 与野党の党首会談は3月4日夕、国会内で枝野氏・国民民主党の玉木雄一郎代表・共産党の志位和夫委員長・日本維新の会の片山虎之助共同代表・社民党の福島瑞穂党首の順で、夫々20分程度行われた。
 与野党の党首会談は2016年4月の熊本地震の対応を話し合った時以来、4年振りだ。過つては国会や政策決定の節目で与野党の党首会談が行われて来たが、最近は回数はメッキリ減って居る。国会の中では「安倍1強」が進み、与野党で協調して議論を醸成しようと云う空気が乏しく為って居る事の証左とも云える。

 会談は安倍氏が各党首に「ココ1・2週間が、感染が急速に拡大するのか終息するのかその瀬戸際だ。その中で最悪の事態も想定しながら、緊急事態宣言等、もう一段の法的枠組みの整備が必要であると判断し、その協力をお願いしたい。1日も早く、法案の成立をさせ無ければいけません。協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
 枝野氏は「協力は惜しま無いが、現行法で対応出来る」玉木氏は「スピード感が必要なので最低限の特措法なら協力する」等と応じた。

 何故4年振りの党首会談と為ったのか「2つの疑問」

 安倍氏がこのタイミングで党首会談を呼び掛けた大義名分は、新型コロナに対応する為の特別措置法の早期成立へ向け協力を求める事にある。特措法が成立させる事で、新型コロナ対応の為に緊急事態宣言を出す事も念頭に置く。只、それで何故4年振りの党首会談と為ったのか。疑問が2つある。
 先ず、新しい特措法を創る必要があるのかと云う問題だ。実は、政府が成立を目指して居る特措法の概要は、既に存在する新型インフルエンザ等特措法の内容とホボ同じだ。だから枝野氏等は、現行法を新型コロナに適用出来ると訴えて居る。
 これに対し安倍氏は、現行法は「新感染症」が対象と為って居り「新型コロナは原因と為る病原体が特定されて居るので現行法に適用するのは困難」と説明、飽く迄新しい法律が必要だと語って居る。

 現行法の解釈変更は得意技なのに、何故今回は新法なのか

 ドチラが正しいかは置いて置くとして、この論争が、極めて奇妙なものである事に気付いた人が居るかも知れない。新しい事態が発生した時に「現行法を適用するか、新法を作るか」と云う議論が起きる事は政治の世界ではシバシバ有る。
 しかし、ホボ例外無く政府・与党が現行法を適用しようとし、野党側は現行法での適用は困難だと云う展開に為る。政府・与党は一刻も早く政策を遂行しようとし、野党はそれを阻止する為に、新しい法案を準備させて時間を稼ごうとするのだ。しかし今回は、その逆の展開に為って居る。
 現行法や憲法の解釈を変更して迄、自らの思いを達成させ様として居ると云う批判を受ける事が多い安倍政権が、何故今回は新法に走るのか。

 もう1つの疑問「らしく無い」安倍政権への協力要請

 もう1つの疑問は、何故野党の協力を求めるのかと云う問題だ。安倍政権は7年を超える長期政権に為り、数の上でも衆参で多数を誇る。特に野党の協力を求める必要は無い。実際、与野党が対立する法案が有る時、安倍政権は野党側の主張に耳を傾けて歩み寄ったり、熟議を尽くしたりする努力を怠って来た。
 特定秘密保護法・安保法制等多くの法案は、野党側から「強行採決」との批判を受けながら不正常な形で行われて来た。自分達の信じる政策を遂行する為には、現行法の解釈に拘らず、野党の反論には耳を貸さずに突っ走って来た傾向のある安倍政権が、今回に限って野党が不要と言って居る新法を目指し、党首会談で野党に協力を呼びかけた。実に不可解だ。

 「特措法」の狙いは野党の分断か

 一部報道では現行の新型インフルエンザ等特措法が、民主党政権時に制定されたものである為、安倍政権がソレを利用するのを嫌ったと云う解説が為されて居る。そう云う要素も有るかも知れないが、真相は「高度な政治判断が働いた」と云う事ではないか。言い換えれば政府・自民党は、特措法を巡る党首会談を政局に利用した可能性があるのだ。

 新型コロナ対応で新法を作る為に党首会談を呼び掛ける。野党党首達が応じればそれで好い。仮に応じ無ければ「野党はコノ国難の中で協力しようと云う姿勢が無い」と云う印象を国民に宣伝する事が出来る。又、野党の足並みが乱れれば、今後の国会運営を有利に進める事も出来る。ドチラに転んでも、政府・与党として不利には為ら無いと云う判断が有ったのは間違い無い。
 野党側も、党首会談に応じ無いと云う道も有った。しかし、応じ無ければ国民の批判が野党に向けられるのは間違い無い。そこを警戒して会談に応じた。

 但し、野党間の足並みは乱れ始めて居る。国民民主党の玉木雄一郎代表は、他党に先駆けて安倍氏との電話会談に応じて居る。枝野氏は、現行法で対応出来るので新法は不要との立場。共産、社民の両党は反対する事に為りそうだ。野党の間にクサビを打ち込んだ事は、安倍政権に取って好ましい展開と云える。

 失地回復のパフォーマンスもシワ寄せは国民に

 安倍政権は新型コロナ対応の初動に遅れ、国民からの厳しい目に晒されて居る。失地回復の為に、根回しも無いママに、小中高校等の全国一斉休校の要請や、中国、韓国からの入国制限の発表を行って居て、その事にも批判が集まる。
 ソコで特措法を持ち出して野党を土俵に上げ、政府・与党の正当性を強調しようと考えて居るのではないか。政治は権力闘争と密接不可分ではある。とは言え、今回の新型コロナ対応問題は、国民の生命・安全に関わる話。もしパフォーマンスによって国民の健康が危機に晒されるとしたら聞き捨て為ら無い話だ。

 特措法は13日にも成立する方向と為って居る。しかし現行法を適用すれば、既に対策を講じる事も出来た。党利党略の為に数日間の空白が生まれたと考えればコレは、背信と言われ兼ね無い。


           永田町コンフィデンシャル      以上









 小林よしのり氏が立憲枝野代表の政府支持を危惧
 
 「個が弱い日本人は戒厳令に従うかも」 


             〜デイリースポーツ 3/10(火) 17:53配信〜


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                 小林よしのり氏

 漫画家の小林よしのり氏が10日、自身のブログを更新。個人の権利を制約する「緊急事態宣言」が出される可能性を指摘し、特措法の改正案に協力姿勢を打ち出して居る立憲民主党の枝野幸男代表が「政府の独裁体制を支持してしまうだろう」と危機感を示した。更に、同氏は「日本人は『個』が弱いので、戒厳令を出されても従うかも知れ無い」と警鐘を鳴らした。

 小林氏は「コロナのピークは3か月後に為るとか、東京で病院に1日4万人が押し寄せる事態に為るとか予想が出る内に、これに乗じて、政府が『緊急事態宣言』に踏み切る可能性も出て来た」と指摘。更に「コロナ対策で『特措法』の改正案を政府は出す積りの様だが、立憲民主党の枝野幸男がコレに賛成するらしい」と現状を説明した。

 同氏は「外出自粛要請等の私権制限をされるかも知れず、憲法で保障された集会の自由も制限されるかも知れず、今後の『ゴー宣道場』の開催も危うい」と問題点を挙げ「立憲民主党の山尾志桜里氏が、枝野幸男に独裁に繋がる法的な欠陥を指摘して警告をして居るが、枝野は『個』が弱いから政府の独裁体制を支持してしまうだろう」と危惧した。
 小林氏は「最早コロナの集団ヒステリー状態に為って居るので、戒厳令敷いても国民は従うかも知れない。それ程迄に日本人は個が弱い」と、今後に不安を寄せた。


                  以上









 【管理人のひとこと】

 安部氏をコノ問題から外しては如何だろうか・・・遣る事為す事ピントが大きくズレ、自分の出した要請に対し、余りにも多くの関連機関が意とも簡単に従ってしまい、その結果大きな影響が社会全体に広がる事に恐れを為して居るのだろう。無論、その出したもののケツも拭けずにオロオロして居るだけ。
 彼に国を任せた有権者がその尻拭いは出来ないし、一体多くの国民は誰に文句を言って好いのだろうか。此処は、現在指名されている専門家にプラスして、社会学・哲学者・・・免疫学等、幅広い有識者を交えた「総合対策会議」でも設け、新型コロナウィルス対策専門の機関を造り対処すべきだろう。臨時首相を置き、ヘラヘラと言訳と誤魔化しを続ける安部氏には一切口は出させ無い!・・・そう云った不断の覚悟と努力で対処すべきだろう。





















安倍首相が「新型コロナに打ち勝った」と宣言した時 バンザイするのは誰だ




 




 安倍首相が 「新型コロナに打ち勝った」 

 と宣言した時 バンザイするのは誰だ


 〜プレジデントオンライン 元木 昌彦(もとき・まさひこ)ジャーナリスト 3/10(火) 15:16配信〜


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            元木 昌彦(もとき・まさひこ)ジャーナリスト

 外に居る殆どの人がマスクをして居る

 私はマスクをした事が無い。只でさえ息苦しい世の中なのに、アンなものをすれば窒息しそうに為る。晴れた朝、冷気を含んだ風を胸一杯に吸い込んで「春は名のみの〜」と早春賦を口ずさみながら歩く。コンな素敵な季節にマスク等野暮である。
 だが、街を行く人、電車に乗って居る人の殆どはマスクで顔を覆って居る。中には、黒いマスクに黒メガネ、野球帽を被り、昔のコソ泥の様な格好の人も居る。マスク無しの高齢者である私が、軽い咳をするだけで、目だけ出した乗客達の視線が身体に突き刺さる。

 咳をしただけで車掌に通報され、電車から降ろされた人も居たと云う。喘息の持病を持って居る人等、電車は勿論、タクシーやバスに乗るのにも神経を使わ無くてはいけ無い。マスクでは新型コロナウイルスの感染を100%予防出来ないと、WHO・世界保健機関だって云って居るではないか。そんな事常識以前だと私が云うと、周りの人間は顔を顰め、マスクの紐を確り絞めて離れて行く。

 コロナ騒ぎが残すものは「マスク依存症」だけ
 
 社会心理学者の吉川茂阪南大学教授が朝日新聞(2月22日付)の「耕論」でこう云って居る。

 「私は新型コロナウイルスの脅威が去っても、多くの人達がマスクを着け続けるのでは無いかと思って居ます。一度顔を隠す事に慣れると、今度は見せる事が返って恥ずかしく為ってしまう。一部の人に取っては、マスクを着けて居る方がコミュニケーションを執り易い事もあり、依存してしまうのです」
 
 このコロナ騒ぎが残すものは「マスク依存症」だけかも知れない。日本人はパニックに為り易い民族だが、忘れるのも驚く程早い。私は「健忘症型民族」記憶力を失いつつ有る民族だと思って居る。そうで無ければ、今回のコロナ感染対策でも、安倍晋三首相が独裁者の如く振る舞うのを黙って見て居る訳は無い。

 安倍首相は2月27日、医療の専門家の意見も聞かず、自民党の重鎮達にも相談せず、突然、新型コロナウイルス感染拡大を防止する為だと、全国の小中高・特別支援学校の休校を発表した。中国や韓国からの入国を大幅に制限する措置も、熱心な嫌中・嫌韓論の“お友達”の意見だけを聞き入れ独断専行してしまった。
 その上、人権を大幅に制限出来る「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を改正するとも言い出し、10日に閣議決定したのである。

 強硬姿勢の背景には何が有るのか

 国民を納得させ、安心させる十分な説明もせず、矢継ぎ早に拙速策を繰り出す安倍首相に、国民は返って不安を募らせ、マスクやトイレットペーパーを買い漁る行動に拍車を掛けてしまった。共働き夫婦やシングルマザーの事等考えもせず「私の云う事に黙って従え」と云う強権的な言い方に、国民の多くは反対・反発するだろうと思ったが、中国人もビックリする位の従順さで付き従ったのである。

 新聞も、一面を使ってこの様な発作的な泥縄施策を真っ向から批判する処は、私の知る限り無かった。ワイドショー等は、批判する処か「未だ日本人には危機感が足り無い」と、従わ無い奴は“非国民”と云わんばかりである。
 宰相に取って、コンな扱い易い国民は居ないだろう。戦後最大の危機・国難だと云えば、嫌々ながらも言い為りに為る。反対する者が居れば、ネトウヨや愛国主義者達が寄って嵩(たか)って叩き潰して呉れるのだから。

 これ迄の安倍首相は、口先だけだが「国民の皆様に寄り添う政治」等と言い繕って来たが、今回は、苛立ちを隠そうともせず「ゴチャゴチャ言わずに、オレの云う事に従え」と、ヒットラーもカクヤと云わんばかりの強硬姿勢に出た背景には何があるのだろう。

 “責めて五輪は開催し無ければ”と云う焦り
 
 私が推測するに、安倍は焦って居るのだ。在任期間バカリが長く為ったが、自分のレガシーを何一つ残せず、悲願だった憲法改正も日暮れて道遠しである。レームダック状態に為って居る安倍に残されて居るのは、中国・習近平主席の訪日と東京オリンピック・パラリンピックだけだった。
 だが、中国で発生した新型コロナウイルス感染がアッと云う間に世界中に広がり、全人代さえ延期した習近平に訪日する余裕等無かった。残るは東京五輪ダケである。これダケは何が何でも開催する。その為には早急に国内の感染を抑え込ま無ければいけ無い。その焦りが安倍の判断を大きく狂わせて居ると思う。

 朝日新聞(3月7日付朝刊)は社説で「新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案が成立すれば、人権の制限を伴う措置が可能と為る緊急事態宣言を首相が出来る様に為る。しかし、合理的な根拠と透明性に著しく欠ける意思決定を重ねる首相に、その判断を委ねるのは危うい」と書いた。
 この様な人間に、8年以上もの長きに渉って政権を委ねて来たのは、この国の民の記憶力の脆弱さの為だったと、私は考える。思い出して見るが好い。阪神淡路大震災も東日本大震災さえも、被災地以外の人々の中で風化しつつあるのは何故か。有れだけの原発事故が遭ったのに、政府が主導する再稼働に反対する声が大きく為ら無いのは何故か。

 発言が食い違うと 人事院が「言い間違えた」と撤回

 森友学園・加計学園問題、財務省による文書改ざん、桜を見る会の私物化、カジノ誘致に絡む収賄容疑で現職議員が逮捕され、安倍首相の口利きで1億5000万円も選挙資金を注ぎ込んだ参院議員の公職選挙法違反疑惑、側近・和泉洋人首相補佐官の「老いらく不倫」等、安倍首相とその周囲の人間達の不祥事を挙げれば限が無い。
 極め着けは「安倍の番犬」と云われる黒川弘務東京高検検事長を検事総長に据える為に、検察庁法を無視して定年延長させた事である。過つて「検察には国家公務員法は適用され無い」と人事院は答弁して居たのに独断で覆(くつがえ)したのである。

 三権分立を済(な)し崩しにするこの暴挙に批判が巻き起こった。だが、呆れた事に、安倍首相は衆院本会議で、この問題に付いて「今般、国家公務員法の規定が適用されると解釈する事とした」と、勝手に法解釈を変更したと明言したのである。その答弁の前に、人事院の担当局長は「同じ解釈が続いて居る」と答えて居たのに、安倍の答弁後に「遂言い間違えた」と前言を撤回してしまったのだ。コンな事ばかり遣って居る政権を信頼しろと云う方が無理だ。

 更に、安倍の名を使って獣医学部を新設した加計学園が、韓国からの受験生達の面接試験の点数を全員0点にして不合格にして居た、国籍差別が行われて居たと週刊文春(3/12号)が報じた。昨年11月16日に行われた獣医学部獣医学科の推薦入試の事だと、加計学園幹部職員が告発して居る。文春は合否結果の書いて有る内部文書も入手して居るそうだ。

 都合の悪い事は「外遊」か「解散」で忘れて貰う

 萩生田光一文部科学相は「学園側に事実関係を確認して居る」と云うが、加計学園側は「入学選抜試験は一貫して適正に実施して居る」と、応じる考えは無い様だ。新設迄の経緯を見る限り、今回の加計学園の言い分は信用出来ない。又安倍の威光を笠に着て、有耶無耶にしようと云うハラではないのか。安倍のポチである萩生田に、事実解明を期待する方が無理と云うものだろう。

 国民を舐め切った安倍政権が倒れずに続いて居るのは、我々が安倍官邸の巧妙な戦略にハメられて居るからだ。官邸の遣り方は「遣ってる振り」と、政権を揺るがすスキャンダルが出た時は、時間を稼いで「忘れさせる」この2つである。
 忘れさせる為には、外遊と称して海外に逃げてしまう、突然、解散して選挙に打って出ると云う2つの遣り方が用いられる。

 典型的なのは、2017年の第48回衆議院総選挙だ。アベノミクスの行き詰まりと、モリ・カケ問題で追い詰められて居た安倍首相は、臨時国会を開けと云う野党の要求を無視し3カ月も逃げ回った。挙句に、国会開会の冒頭で行き成り「北朝鮮の危機が迫って居る」等と云う屁理屈を無理遣り着け、解散してしまったのである。

 新型コロナを「神風邪」と考えて居たが・・・

 この時は、安倍にツキも有った。小池都知事が「希望の党」を造り国政へ出ると宣言して、野党が結集するかに見えた。そう為れば、安倍政権に飽いた有権者は雪崩を打って希望へ向かうと予想されたが、小池が一部の民進党議員を排除すると発言して、一気に新党への期待は萎んでしまった。

 今回の新型コロナウイルス感染も、最初、安倍は「神風邪」だと考えて居たと一部の週刊誌が報じて居た。これで次々に不都合な事実が出て来る「桜を見る会」疑惑追及は、一旦休止に為り、コロナ騒動が終わる頃には忘れて呉れる、そう考えて居た様だ。だが、感染は日本にも広がり、このママ行けば東京オリンピックも中止か延期に為る。慌てた安倍首相は、思い付きに過ぎ無い施策を次々に繰り出し、自民党の中からも「殿ご乱心」と云う声が出て居る。

 東京五輪を遣っても遣ら無くても、安倍政権は終焉に向かう。だが、又安倍のソックリさんが出て来る。そうさせ無い為には、国民の側が、このお粗末な政権が遣って来た事を忘れずに記憶して、次の世代に引き継ぐ事である。

 「我々は警笛を聞き取れる人に為ろう」
 
 手元にニューズウイーク日本版(3/10号)がある。村上春樹に続いて中国でカフカ賞を受賞し、毎年ノーベル文学賞候補に挙げられる中国人作家・閻連科(イエン・リエンコー)が2月20日に、彼が教えて居る大学の学生に語った講義録が掲載されて居る。コレが素晴らしい。今の日本人コソ読むべき一文であると思う。

 中国で新型コロナウイルス感染拡大を警告し、自らも感染して亡く為った李文亮眼科医の事を「李の様な『警笛を吹く人』には為れ無いのなら、我々は笛の音を聞き取れる人に為ろう」と話す。閻連科は子供の頃から、同じ過ちを繰り返すと、両親から「お前に記憶力は有るのか?」と問われたと云う。
 「記憶力は記憶の土壌であり、記憶はこの土壌に生長し広がって行きます。記憶力と記憶を持つ事は、我々人類と動物・植物の根本的な違いです」閻連科は、それは食べる事や服を着る事、息を吸う事よりも重要だと云う。「何故なら我々が記憶力や記憶を失う時、料理をする事も、畑を耕す道具も技術も失って居る筈だからです」

 「本当の事を言えば処分を受け、ヤガテ忘れられて行く」

 閻連科は、今コンな事を云うのは、新型肺炎が世界中の災難として、未だ本当にコントロールされては居らず、感染の危機も未だ過ぎ去って居ないからだと云う。湖北や武漢を含めて全国で、家族がバラバラに為り、家族全員が死に絶えてしまったと嘆く悲痛な声が未だ耳から離れ無い。
 新型肺炎でどれだけの人が死んだのかも判って居る訳では無い。だが、その様な調査・確認はトップダウンで行われて居り統計のデータが好転して居る、新型肺炎に勝ったと云う凱歌に掻き消され、時間の経過と共に永遠の謎に為ってしまうと危惧する。

 「我々が後世の人々に残すのは、証拠の無い記憶の閻魔帳なのです」
 
 都合の悪い文書を改ざんしたり破棄したりして、証拠隠滅を図るこの国の為政者の事を記憶して、忘れ無い事コソ重要なのだ。

 「本当の事を言えば処分を受け、事実は隠蔽され記録は改ざんされ、ヤガテ人々の記憶から忘れられて行く」安倍政権の事を云って居る様に私には思える。

 「コノ記憶を後世に伝えられる人に為ろう」

 「我々が身を置く歴史と現実の中で、個人でも家庭でも、社会・時代・国家でも、悲しい災難は何故次から次へと続くのでしょうか。何故歴史・時代の落とし穴と悲しい災難は、何時も我々幾千万もの庶民の死と命が引き受け、穴埋めをし無ければ為ら無いのでしょうか。
 我々には知る事の無い、問い質す事も無い・問い質す事を許され無いから尋ね無い要素は実に多い。ですが、人として・・・幾千万もの庶民或は虫けらとして・・・我々には記憶力が無さ過ぎるのです」


 「記憶の無いものは、本質において、過つて生命を断ち切られた丸太や板であり、未来は何の形に為るのかドンなものに為るのかは、鋸と斧次第なのです」

 安倍政権に翻弄されて居る我々も、命の無い丸太に為り掛かって居る、否、成り果てて居るのか。

 「我々が個人の記憶力と記憶を持って居たからと云って、世界と現実を変える事等出来無いかも知れませんが、少なくとも統一された組み立てられた真実に向き合う時、心の中でヒソヒソと囁く事は出来ます。『そんな筈は無い!』と」
 
 李の様な人に為れ無いのなら「大声では話せ無いのなら、耳元で囁く人に為ろう。囁く人に為れないのなら、記憶力の有る、記憶の有る沈黙者に為ろう」 
 新型肺炎の起こり・蔓延・近くもたらされるであろう「戦争の勝利」の大合唱の中で「少し離れた処に黙って立ち、心の中に墓標を持つ人に為ろう。消し難い烙印を覚えて居る人に為ろう。何時かこの記憶を、個人の記憶として後世の人々に伝えられる人に為ろう」

 日本人コソこの悲劇を受け留め考えるべきだ

 閻連科から「中国国内では発表出来無いものだが、日本語に翻訳して多くの人に読んで欲しい」と送られて来た訳者の泉京鹿は、中国では当局によってブロックされていて居るが、物凄い勢いで転載され、少なからぬ中国人が読んで共感して居ると書いて居る。又、「閻連科が学生達に語らずには居られ無い中国の歴史的悲劇は、日本人に取って『体制の違う隣国のこと』なのだろうか。我々日本人コソ、今起こって居る事・これから起こる事を、確りと見詰め記憶し、後世の人々に伝え無ければ為ら無いのでは無いか」と、閻連科の言葉を日本人コソ受け留め、考えるべきだと云って居る。

 新型コロナウイルスに感染する人の数はマダマダ増える筈だ。マスメディアはこのウイルスの脅威を過大に報じ、政権は早期に収拾しようと国民の生活を蔑ろにし、国民は正確な情報を知らされずパニックに陥る。しかし、少しでも感染の広がりが鈍れば、政権は「国難に打ち勝った」と鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らし、国民は何も知らされずに踊りの輪に参加させられる。
 そうして、今回のコロナ騒動もアッと云う間に忘却してしまうのだろう。同じ様に安倍政権が隠蔽して来た数々の不祥事も記憶の彼方に消えてしまう。

 安倍が居なくなっても、第2・第3の安倍が再び現れるが、記憶を無くした国民は、その事にも気が付か無い。
 (文中敬称略)

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 元木 昌彦(もとき・まさひこ)ジャーナリスト 1945年生まれ 講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する 上智大学・明治学院大学等でマスコミ論を講義 主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)等がある

             ジャーナリスト 元木 昌彦     以上










           自然派 わんこの美味しいごはん

        https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=35SIQS+EV8PMA+33AO+1ZK377









「コロナ危機はリーマンショックの再来」と報じられ無い不気味な真相



  


 


  「コロナ危機はリーマンショックの再来」と報じられ無い不気味な真相

       〜現代ビジネス 町田 徹 経済ジャーナリスト 3/10(火) 7:01配信〜


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 IMFトップの衝撃発言を受けて

 最初に新型コロナウイルスによる肺炎患者が中国で確認されてからホボ3ヵ月経った先週末、日本時間の3月7日午後5時過ぎ、米ジョンズ・ホプキンス大の集計で、世界の感染者数が10万2188人と10万の大台を突破した事が明らかに為った。5万7389人が治癒した半面で3491人と死者も増え続けて居る。
 そんな中で、政治家や経営者に注目されたのが、国際通貨秩序と金融システムの番人とでも云うべき国際機関IMF・国際通貨基金のトップのゲオルギエバ専務理事が3月4日に開いた記者会見で行った発言だ。

 同専務理事は、現時点での予測は難しいとしつつも、新型コロナの影響で「2020年の世界経済の成長率が前年の水準を下回る」と述べたからである。IMFは直近1月の予測で世界経済の2020年の実質成長率の伸びを3.3%として居り、これを近く、ドノ程度まで引き下げられるかが関心の的に為って居る。
 だが、経済が大きく落ち込む事態に直面すると、エコノミスト、特にIMFの様な国際機関も含めて官庁エコノミストと呼ばれるプロ集団は、的確な下方修正を公表するのが苦手である。引き下げのタイミングが遅過ぎたり、引き下げ幅が小さ過ぎたりするのが常なのだ。

 今週は、エコノミストの性癖を含めて、現状をどれ位の経済危機と見るべきなのか、どれ位景気判断を引き下げるべきなのか。長年、経済ジャーナリストとして活動して来た筆者の経験から考えて見たい。先ず、一番最近の世界的な経済危機であるリーマンショックと、その前後の世界経済の成長率の推移を確認して置こう。

 リーマンショック時の過ち

 リーマンショックは、前年から垣間見えて居た米サブプライムローン市場の行き詰まりに伴う混乱が、2008年9月に起きた米投資銀行「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」の経営破綻で一気に顕在化し、世界的な金融・経済システム崩壊の1歩手前まで深刻化したものだった。その影響は実体経済に幅広く及び、期間も2008年に留まらず、2009年も世界経済を揺さぶり続けた。

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 結果として、図表に示した様に、2009年の世界経済の実質成長率はマイナス0.7%と2007年に比べて5.9ポイントも減速した。米国・EU欧州連合・日本は揃ってマイナス成長に転落、中国もそれ迄の様な2ケタ成長を維持出来ず成長率が一けた台に落ち込んだ。
 処が、当時、ショック勃発後も可成りの期間に渉って、世界のエコノミスト達はリーマンショックの影響を過小評価し続けた。IMFも決して例外では無い。

 その証左が、リーマンショックから2ヵ月後に公表した「世界経済見通し・2008年11月版」である。前述の様に、2009年の世界経済の成長率はマイナス0.7%だったが、IMFは2009年の世界経済の成長率を2.2%とし、リーマンショックの影響を過少に見積もったのである。
 IMFは、リーマンショックから4ヵ月後に公表した「世界経済見通し・2009年1月版」でも見通しの甘さを修正出来なかった。この段階でも、2009年の世界経済の成長率を0.5%と予測し、下方修正を打ち出すのに大きく後れを取っただけで無く、修正幅を過少に見積もると云う誤りを繰り返したのだ。

 そしてIMFのエコノミスト達は、世界が新型コロナウイルスの蔓延と云う危機に瀕する中で、再び、同じ間違いを侵しかね無い状況に有る。その危うさを浮き彫りにしたのが、冒頭で紹介したゲオルギエバ専務理事の発言だ。

 控えめな見積もりで好かったのか

 この会見で、ゲオルギエバ氏は先ず「金融システムは健全で、世界金融危機(リーマンショックの事を指す、筆者注)以前よりズッと回復力がある」と強調した上で「我々は不確実性に直面して居り、現時点では2020年の世界経済成長率が前年の水準を下回ると予測するものの、ドノ程度悪化しドレ位の期間に渉って影響を受けるかは、現段階では予測が難しい」と述べて居る。

 発言を分析すると、冒頭の金融システムが「健全で、世界金融危機以前よりズッと回復力が有る」と云う言葉は、聞く者を落ち着かせ様としたもので、IMFのトップらしい言動と評価して好いだろう。しかし、下振れリスクの認識を示すに当たって「現時点では2020年の世界経済成長率が前年の水準を下回ると予測する」と可成り控え目な見積りを口にしたのは頂け無い。
 比較対象とした2019年は米中貿易戦争の煽りで世界経済が下振れを始めて居たとは言え、2018年と比べて0.7ポイントの減速であり、深刻な景気後退と云う印象が薄いからだ。コレでは2020年も若干の減速と云う予見を与え兼ね無い。

 こんな事を言えば、ゲオルギエバ発言に傍耳を立てて居る各国メディアの記者達は、IMFが最新の「世界経済見通し・2020年1月版」で「2.9%」として居る成長予測を多少引き下げる程度と解釈し、そう報じるのが自然だろう。
 事実、日本でも、日本経済新聞(経済紙)が3月5日付の夕刊で「IMFは2020年の世界経済の成長率予測を2%台に引き下げる方向だ。1月時点の予測では3.3%だったが、新型コロナウイルスによって『19年(2.9%)を大きく下回る』と判断した」と報じて居る。

 寧ろ、ゲオルギエバ氏の立場為らば、新型コロナウイルスが影響を「世界金融危機・・・若しくはリーマンショックの様な事は無いだろうが、仮にそう為っても、金融システムは健全で、世界金融危機以前よりズッと回復力がある」とシンプルに発した方が良かったのではないだろうか。

 世界的な「人の移動」が激減

 実際、ここ1、2週間に報じられた経済ニュースを見ても、新型コロナウイルス危機がリーマンショック並みの経済危機に発展しても不思議は無いと予感させるものが溢れて居る。リーマンショックの際は、前年の2007年からショック後の2009年に掛けて2年で世界経済成長率が6.5ポイント減速して、2009年にはマイナス0.7%を記録した。

 今回は、南半球を含めて感染拡大が何時まで続くか、ドノ程度の規模に膨れるかによって大きく左右されるとは言え、2020年1月から、ホボフルに新型コロナウイルスの影響が出る筈なので、2020年の世界経済の成長率は、IMFの推計で2.9%成長と為って居る2019年から3〜5ポイント下がり、ゼロ成長からマイナス3%位のレベルに落ち込むリスクも否定出来ないだろう。そう云う懸念を抱かせても可笑しくない最近の経済ニュースを幾つか紹介して置こう。

 第1は、世界的な人の移動の激減だ。120ヵ国の270航空会社が加盟する国際的な航空会社の業界団体IATA・国際航空運送協会はシンガポール時間の3月5日、新型コロナウイルスの感染拡大が航空業界の業績に与える影響に関する需要予測をホボ半月振りに改訂し、感染拡大を現状で抑え込む事に成功して需要が急回復する楽観シナリオと、感染拡大の抑え込みに失敗するシビアシナリオの二つを発表した。

 2020年の世界の航空会社の旅客収入減少額は、前者の場合が630億ドル・約6兆7000億円・・・旅客収入全体の11%。後者の場合が1130億ドル・約12兆円減少すると云う。
 シビアシナリオの減収額を地域別に見ると、震源地・中国を含むアジア太平洋地域が573億ドル、北米が211億ドルと為って居るのに対し、2003年のSARS・重症急性呼吸器症候群の際はアジア太平洋地域が60億ドル、北米地域が10億ドルの減収だったので、今回の影響は桁違いだ。

 中国経済“大打撃”の実態
 
 今回既に、英国のLCC・格安航空会社で、英国と欧州間に就航して居たフライビーが現地時間の3月5日に経営破綻した。現地の通信社電によると、破綻理由は、新型コロナウイルスによる需要減少と資金調達の失敗だったと云う。

 第2の例は、中国がサプライチェーンの要の一つに為って居る製造業の動向だ。中国国家統計局が2月末に発表した2020年2月の製造業のPMI・購買担当者景気指数は、前月より14.3ポイント低い35.7と、リーマンショック直後の2008年11月の38.8を下回り、過去最低を記録した事が見逃せ無い。新型コロナウイルスが中国経済に与える打撃の大きさを浮き彫りにしたからだ。
 ちなみに、製造業PMIは3000社に対するアンケートを集計して算出するもので、新規受注や生産が50を上回れば景気の拡大、下回れば縮小を示す指標だ。2月の結果を見ると、柱の新規受注が前月比で22.1ポイント低い29.3、生産も同23.5ポイント低い27.8と為り、何れも過去最低を記録した。

 簡単に言えば、新型コロナで新規受注は激減、多くの工場が停止したママ操業再開が遅れて居る事が窺える。輸出に限定した新規受注を見ても、同20ポイント減の28.7と大きく悪化した。もう一つ、クルマや機械に欠かせ無い素材である鉄鋼の在庫も気掛かりだ。
 中国鋼鉄工業協会によると、新型コロナウイルスの流行が続く中で、中国では製鉄所の鋼材在庫量が急増し過去最高を更新した。供給先の工場や建設現場の復旧が進まず、物流業も停滞して居る為だ。世界の鉄鋼生産の半分以上を占める中国で在庫がダブ着き、余剰の鉄鋼が海外市場にダンピング輸出に回された例が過去にあり、日本の鉄鋼メーカーの経営にも影響を及ぼし兼ね無い。

 最早政策を講じる余力すら無い

 第3に、貿易も振るわ無い。中国税関総署が3月7日に発表した2020年1〜2月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同期比17%減の2924億ドル・約31兆円、輸入は同4%減の2995億ドルと何れも減少した。輸出の減少幅は2016年以来4年振りの大きさと云う。新型コロナウイルスの感染拡大で工場の操業が停止し、その影響が貿易を左右する事を鮮明に表した格好だ。

 相手国・地域別に見ると、米国向けが前年同期比28%減、欧州連合が同18%減、日本向けが25%減と主な先進国向けが揃って減少した。商品別では主力輸出品目のパソコンの27%減と携帯電話の16%減が目立っている。輸出から輸入を差し引いた純輸出は71億ドルの赤字で、中国の同期間のGDP拡大の下方修正要因に為る他、輸入の減少は相手国の輸出減少を招き相手国の経済減速要因に為る筈だ。

 第4が、G7・主要7カ国の財務大臣・中央銀行総裁会議が3月3日に緊急電話会議を開き「アラユル適切な政策手段を用いる」とする共同声明を採択、世界の金融市場の安定に向けて財政・金融政策を総動員する姿勢で足並みを揃えて見せたものの、大した措置が期待出来ない事だ。
 日本やEU、特に日本がマイナス金利政策や放漫財政を長年繰り返して来た為、政策に大した余力が残って居ないからである。

 実際、3日の緊急電話会議を受けて、果敢な政策金利の引き下げに打って出たのは米国とカナダだけ。日銀は、3月2日と6日にETF・上場投資信託を過去最大の1000億円規模で買った他、2日と3日には一時的に国債を買い入れて金融機関に資金を貸し出す特別なオペ・公開市場操作も実施したものの、追加の政策対応に苦慮して居る模様だ。

 分水嶺と為るのは3月末か

 ソモソモ、米国・南欧・日本・中国は夫々、リーマンショック以来、不良債権を溜め込んで来たと見られる企業や金融機関が存在して居るとされ、中央銀行の講じる資金繰り支援では非力との見方も有る。米国のバンクローン問題や中国のノンバンク問題はその典型例だろう。
 とは言え、巨額の政府債務を抱える日本が積極的な財政政策を講じれば、長期国債の金利上昇等別の問題を顕在化させ兼ね無い。そして、将来に禍根を残す事に為り兼ね無いのが、各国の中央銀行関係者だけで無く、エコノミストの間に「リーマンショックと新型コロナウイルス問題は全く性格が異なる」との見方が根強い事である。リーマンショックは真の危機だったが、新型コロナウイルスは一過性の感染症の問題で有り、峠を越えれば経済はV字回復をすると云う意識が強く、本格的な対策は不要だと見る向きが多いのだ。

 筆者もその可能性を全否定する気は無いが、分水嶺は3月末だろう。世界規模の感染拡大が3月中に終息し無ければ、速やかに大胆な経済予測の下方修正や積極果敢な金融・財政政策が必要に為る。ここ1、2週間の世界的な株安はリーマンショック以来の事であり、市場は警鐘を発して居る。

 エコノミストには学究肌の人が多く、実体経済の変化を機敏に感じる肌感覚が乏しい人も少なく無い。しかし、悪い時に悪いと言って、益々、実体経済を悪化させるのでは無いかとか、悪化を招いたと批判を浴びる事に為ら無いかと危惧して身構えてしまう人が、エコノミスト、特にIMFの様な国際機関や内閣府の様なお役所勤めの官庁エコノミストに多いのが実情だろう。
 しかし、エコノミストがリスクを捕ら無いと、そのツケは世界経済のリスクと為って回って来る事に為り兼ね無い。何度も同じ轍を踏むのは避けて欲しいものである。


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           町田 徹 経済ジャーナリスト   以上










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新型コロナ論文「日本人の感染リスクが最も高い」の衝撃




 




 新型コロナ論文 「日本人の感染リスクが最も高い」の衝撃

            〜日刊ゲンダイDIGITAL 3/10(火) 9:26配信〜


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         中国人もコロナに感染し易い(C)新華社 共同

 「日本人は新型コロナウイルスに弱い」ネット上にコンな情報が飛び交って居る。出処は「In Deep」と云うサイトに掲出された「新型コロナウイルスに感染するリスクが最も高いのは、日本人と中国人」と云う内容の記事だ。査読前の論文を投稿するサイト「BioRxiv」に掲出された論文を基にして居る。

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 ハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏によると、この論文は中国科学財団・National Science Foundation of China等の支援を受けたウェイ・ツオ氏ら6人の研究者が科学雑誌に送ったもの。
 人間の肺にはタイプTタイプUの2種類の肺胞細胞があり、タイプUを「U型肺胞細胞」AT2と呼ぶ。少しヤヤコシイが、このAT2が発現させるのが「ACE2」と云うタンパク質のレセプター・受容体。新型コロナはこのACE2にクッ付いて体内に入る。

      ・タイプT肺胞細胞
 ・人間の肺
      ・タイプU肺胞細胞(U型肺細胞AT2) ⇒(発現)「ACE2」レセプター・受容体・・・これに新型コロナがフッ付いて体内に入る

 発端は中国人研究者

 ウェイ氏等は、アフリカ系米国人5人と白人2人、それにアジア人1人を調べた。その結果、55歳のアジア人の体に受容体であるACE2が特に多い事が分かったと云う。詰まり、アジア人が一番、新型コロナを取り込み易いと云う事に為った。
 実はウェイ氏等の論文の内容はココ迄。これが「日本人と中国人のリスクが最も高い」と為ったのは「In Deep」が別のデータを使って補足説明したからだ。左門新氏が言う。

 「人間の身体にはACE2の割合に関連する6種類の遺伝子が在ります。この遺伝子の比率が高い程、体内におけるACE2の割合も高まる。詰まり新型コロナウイルスが入り易い事に為ります。
 『In Deep』が根拠としたデータでは、東京に居る日本人と中国南部の中国人はコレ等の遺伝子が平均で92%で最も数値が高い。その為『リスクが最も高い』と云う話に為ったのです。逆に遺伝子の比率が最も低いのは51%のトスカーナ州のイタリア人と為って居ます」


 人種によって遺伝子の割合が違うのは不思議だが、左門氏によると民族毎に血液型の分布に違いが有る様に病気に関係する遺伝子の型にも違いが有るそうだ。日本人が他の民族より糖尿病に為り易いのも遺伝子の違いが関与して居ると云う。同じ様に遺伝子の割合にも違いが有るそうだ。矢張り、日本人は新型コロナに感染し易いのか。

 「ウェイ氏等の論文が科学雑誌に送られたのは1月末の様です。この種の論文は研究者2人の査読と別の専門研究者の追試を待た無ければ為りませんが、査読が済んで雑誌に掲載される迄に平均で半年は掛かる。今は新型コロナウイルスへの不安が高まって居るので早めに結論が出るかも知れませんが、それでも3カ月は掛かるでしょう。只、日本人の感染リスクが高いと云う説は傾聴に値します」(左門新氏)
 
 果たして日本人はリスクが高いのか。結論が出る迄心配は続く。


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                   以上



 





 立憲・山尾氏が枝野代表批判 「可成り杜撰」 

 新型コロナ特措法「私権制限」巡り


               〜毎日新聞 3/10(火) 10:15配信〜


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  衆院予算委員会で質問する立憲民主党の山尾志桜里氏 国会内で2020年2月19日 川田雅浩撮影

 政府が提出する「新型コロナウイルス感染症を、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象」とする改正案への対応を巡り、立憲民主党内にサザ波が立って居る。
 党執行部は改正案に賛成する方向だが、党内には同法に基づく「私権制限」を懸念する声が根強く有る。立憲の山尾志桜里衆院議員は9日、特措法に関する枝野幸男代表のツイッターでの発言に対し「賛成から逆算して居る所為なのか、可成り杜撰」と咬み付いた。

 山尾氏が問題にしたのは、枝野氏が8日に投稿したツイート。特措法に盛り込まれて居る外出自粛要請等行政による「私権制限」に付いて、枝野氏は、災害対策基本法で内閣が緊急に政令制定出来る事等と比べ「抑制的です」と書き込んだ。
 党内には、政府が私権制限の前提と為る「緊急事態宣言」に踏み切る際は、何等かの歯止めが必要との意見が多い。山尾氏は「国会の事前承認」を改正案に盛り込む様訴えて居り、ツイッターに「緊急政令権限迄内閣に渡すと云う私権制限最大MAXでは無いから、国会承認不要とは為ら無いですよね」と書き込んだ。改正案が修正され無ければ、反対すべきだとも主張した。

 その後、枝野氏は再びツイートし「政府与党から提起されている改正に『緊急事態』において政府の出来る事(権限)を変えると云う内容は含まれて居ません」と指摘。改正案は、特措法の対象に新型肺炎を追加する内容で、新たな私権制限等は盛り込まれて居ないと説明した。
 立憲執行部は「新型肺炎対策に後ろ向きと見られる」との理由で、改正案に賛成する調整に入って居る。世論に私権制限への懸念が高まれば、改正案への対応が難しく為る事を警戒して居ると見られる。山尾氏は「民主党政権で創ったメンツ、最低限の修正が適わ無ければキチンと反対し、社会に問題点を明らかにする覚悟の無さ」と更に執行部を突き上げた。

 安倍晋三首相が改正案提出を決めたのは、立憲や国民民主党と私権制限に神経を尖らせる共産党や社民党を分断する狙いも在ったと指摘される。野党間だけで無く、立憲内の火種にも為りつつある。


            毎日新聞 小山由宇   以上









 【管理人のひとこと】

 合法的(立法府の多数により)に法律を作り、時の政権が憲法で守られた個人の権利を強制的に制限する・・・これが「緊急事態法的」な脱憲法色の強い超法律的な強権主義だ。詰まり「緊急事態だ」と政権が宣言すれば、意とも簡単に憲法を超えた強権の発動が可能に為り、止めども無く政権の都合で個人を縛れる様に為る。
 現状の新型ウィルス感染症への対処を理由に、安倍晋三政権は中国に倣って「強権」を振るいたい様だが、この異常時に異常な権限を安倍政権に付与して果たして大丈夫だろうか。

 無論、与党は立法府の多数の為この法律は通ってしまうのだが・・・これに簡単に野党が同意するのは解せ無い。これは、憲法に示された基本的人権を侵す「超法規的」な問題であり、それコソ「国民に問わ無ければ為ら無い」国民投票も必要とする大きな問題だ。この非常時に火事場泥棒と云われる様な卑怯な手段だろう。
 与党は「非常事態宣言」は、事前の国会承認の縛りを否定して居るとされる。スピーディーに対処する為国会での議論を避け閣議決定で済ませたいのが判る。今までの失敗した対処を見ると、限られた少数の思い付きのみで進められ、行き当たりバッタリの無見識なものが続いて居る。これと同じ様な事を「強権」で全て押し通したら、我が国は一体どの様に為るのか・・・先が思い遣られる。
 だから、山尾志桜里氏の怒りは判る。枝野氏は自分達が作った感染症特措法に自信が無いのか、それとも新型コロナウィルス対策に消極的と国民から取れるのが怖いのか・・・余りにも優柔不断な態度だ。




 



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