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2017年05月22日

「草の乱」秩父事件、緒方直人、林隆三、杉本哲太

明治17年に発生した秩父事件は、士族反乱である西南戦争と違い農民を中心として行われた

明治政府に対する反乱事件である。

そしてこの事件を取り扱ったただ一つの映画が2004年公開の「草の乱」である。

1918年(大正7年)、北海道で一人の老人(緒形直人)が死を迎えようとしていた。老人は今わの際に

妻と長男を呼び寄せ、自分のほんとうの身元を知らせる。

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老人のほんとうの名は井上伝蔵といい、死刑判決を受けて北海道に逃亡し偽名を使って何十年も生活

していたのだ。

時はさかのぼり1883年(明治16年)秋秩父郡下吉田村では生糸で生計を立てていたが、フランスリヨン

の生糸相場の暴落により、蚕の値段が落ちて生活が苦しくなっていた。

それに追い打ちをかけるように薩長藩閥政府は、軍備拡張のため増税につぐ増税を繰り返し

農民の生活はどん底へ転落した。農民たちのほとんどは高利貸しから、借金をしており激しい

取り立てに苦しんでいたのである。

生糸商家「丸井」を営む井上伝蔵(緒方直人)は、そんな仲間たちの窮状を見かねて同志を募り

役所に掛け合いに行くが門前払いに遭う。

おりしも日本全国で自由民権運動が立ち上がり、その中心勢力である自由党の演説会がここ

秩父でも行われることになった。会場は人々の熱気であふれ続々と農民たちは自由党に入党する。


しかし自由党は政府に目をつけられ、人々の改革の希望を失われてゆく。ここに至り井上たちは同志を

糾合して渡世人で村の顔である田代栄助(林隆三)を口説き、総理に就任してもらい、副総理に


加藤織平(杉本哲太)を副総理を任命し、秩父困民党を作り高利貸しとの交渉を行うのだった。

だが敵も応じる気配はなく最後の手段として武装ほう起を企てる。

3000人を超える農民たちは、日本刀や猟銃や竹槍で武装し警官隊を蹴散らすが、信州や上州との

連携がうまくゆかずに孤立する。そして反乱が全国に広がるのを恐れた薩長は鎮台兵を投入し

鎮圧を図ろうとする・・・・

houti762 邦画映画チラシ[秩父事件 草の乱」





明治時代には民衆の反乱事件がかなり起きているが、学校でもふれず創作にもなっていないので

あまり知られていない。しかしこの当時の状況と今の日本と実によく似ている。

権力に近いものだけがおいしい思いをして、民衆は重税に苦しむ構造である。

だがこの時代、普通の農民が銃や日本刀を持っているのは驚く。刀狩にあった今の時代は

ドライバー1本でも逮捕されるので、バカな世襲総理がやりたい放題である。

大衆をいいなりにするにはまず武器を権力は取り上げるのだ。主演の緒方直人は若き日と

老人になってからの演技をうまく使い分けている。

民衆の大量動員のシーンは迫力があるが、ボランティアが8000人集まったという。

監督:神山征二郎。 一度は見ておきたい名作である。


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posted by ハヤテ at 16:22| 歴史映画
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