土地家屋調査士試験の豆知識

登記官は，必要あるときは敷地権の存否，割合等について調査することができるとされる（昭和59.11.10民三第6400号通達第一.三.２）。
　 敷地権は，敷地に登記された専有部分と分離して処分することのできない敷地利用権があるときは敷地権として登記される（登記法44条１項9号）。つまり，区分建物の所有者が土地の登記簿に所有権や地上権，賃借権の名義人であるから，敷地権というわけではない。実体的に分離して処分することのできない敷地利用権がない場合，たとえば，名義はあるが既に所有権を移転していたり，地上権は登記あるがすでに消滅している場合は，敷地権として登記することはできないのである。
登記官はその実体を調査して登記しなければならないということは，代理申請している土地家屋調査士も，実体上敷地利用権として一体化していない事実を知って，敷地権の登記を申請したときは，虚偽の調査（土地家屋調査士法23条）を問われることになるだろう。　

所有権の登記の後に登記された附属建物を

分割するときには，

登記官は職権で，分割した建物について，

「分割による所有権の登記」

をする。へー。

つまり，所有権の登記をした後に登記された附属建物には，

所有権の登記の効力が及んでいないと言うことか？

更正登記は登記事項に誤りがあるときに，その申請が認められています。

たとえば，表題部所有者やその持分に誤りがある場合，地積などの登記事項が間違っている場合。

これに対して，登記自体が無効であるときは，その登記を抹消します。

たとえば，管轄を間違えて登記した，重複して登記した。

その他建物と認められられない建造物を登記した。

権利能力のない人や法人名で登記した場合は，無効であり登記を抹消します。

移記とか転写とかよく出てきます。

どう違うのでしょう。

転写は，甲土地から乙土地を分筆の登記をするとき，乙土地の権利部は転写します（規則１０２条１項参照）。

移記について。

地役権の登記がある甲土地を乙土地に合筆すると，甲土地は閉鎖され，合筆後の乙土地の一部に地役権が存続します。
そのときは，甲土地の地役権を乙土地に移記します（規則１０７条２項）。

わかりましたね。閉鎖されるときコピーすることを移記。閉鎖されないとき転写と言っているようです。

これってほんと。トレビアノ泉。幾つ「へー」がもらえるでしょうか。

登記が完了したときには，登記官は申請した者に登記完了証（A4の紙）を交付する。

登記しましたという証だ。

このほか，登記をしたことを通知（所定のはがきで）することがある。

たとえば，ABが共有する土地の地目変更をAが申請した場合にBに通知する。

登記官が職権でCの建物の表題登記をした場合，

Dの債権者EがDの土地を代位して分筆したときは，申請人であるEに登記完了証を，

申請していないEに登記をした旨が通知される。

登記完了証は当初出すつもりはなかったようだが，

権利証の代わりに何かないと，依頼人に代金を請求しにくいということで急遽，規定されたらしい。

地図に記録しなければならないのは？

一 　地番区域の名称
二 　地図の番号
三 　縮尺
四 　平面直角座標系の番号又は記号
五 　図郭線及びその座標値
六 　各土地の区画及び地番
七 　基本三角点等の位置
八 　精度区分
九 　隣接図郭との関係
十 　作成年月日

方位は？（当然縦の図郭線が北だからいらない。削除された。）

登記官が職権でも登記できるのは，

土地の表題登記，土地の表題部変更登記，土地の表題部更正登記，土地の滅失登記

建物の表題登記，建物の表題部変更登記，建物の表題部更正登記，建物の滅失登記

敷地権に関する変更。更正登記

他にもあるけど，また。