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ステイツボロへ帰る

 「久しぶりにブルース・ロックを聴いたなあ」
 そう思いました。
 正しくは、サザン・ロックと言うべきかも知れません。
 70年代の懐かしいスライド・ギターの、あの感じが蘇ってきました。


Build Your Own Fire
Jimmy Hall
& The Muscle Shoals Rhythm Collective

1. Still Want To Be Your Man (E.Hinton)with vocals on Delbert McClinton 
2. Salty (E.Hinton)with vocals on Kira Small 
3. Here I Am (E.Hinton)with vocals on Bruce Dees
4. Poor Old Me (E.Hinton, Donnie Fritts, B.Bluckburn) 
5. Coming After You (E.Hinton)
6. Cover Me (E.Hinton, M.Green)
7. Build Your Own Fire (E.Hinton)(add.lyrics.K.Small, J.Hall, T.Ware)
8. It's All Wrong (E.Hinton, M.Green)
9. Watchdog (E.Hinton)
10. What Will I Do Without You (E.Hinton, D.Fritts)
11. I Found A True Love (E.Hinton)
Bonus tracks
12. Coming After You (Greg Martin Mix) (E.Hinton)with vocals on Kira Small
13. Salty (Greg Martin Mix)
14. David Hood Interview On Eddie Hinton

 ウェット・ウイリーは、数枚聴いただけで、例えばオールマンだとか、レーナードなどほど熱くならなかったバンドでした。
 でも、マーシャル・タッカー・バンドと並び、何とも愛おしい魅力を感じずにいられず、頭の隅で気になっていたバンドだったのです。

 このアルバムは、ウェット・ウイリーのリード・ボーカリスト、Jimmy Hallが、Zohoレコードから07年にリリースしたソロ・アルバムです。
 "Jimmy Hall & The Muscle Shoals Rhythm Collective"という、どうにもそそられる名義で出されています。

 ただ、別会社から、"Shoals Rhythm Collective"というタイトルでも、全く同じ内容のアルバムが出ていて混乱します。
 そちらは、本作のジャケット写真を裏焼きしたものを使用していて、不思議です。

 さて、前作"Rendezvous with the Blues"から、約10年ぶりとなる今作の陣容は次のとおりです。

Jimmy Hall : Vocal, Harmonicas
Clayton Ivey : Keyboads
Larry Byron : Guitars
Gregg Martin : Guitars(except track2,3,5)
David Hood : Bass
Johnathan Dees : Drams

 私には、デイヴィッド・フッド以外は馴染みがない人ばかりです。
 この手のファンにはよく知られた人たちなのでしょうか。
 
 わざわざマッスル・ショールズと謳っているのが味噌でして、本作は、Eddie Hintonの作品に真正面から取り組んだアルバムになっています。

 同じJimmyという名から、Jimmy Thackeryを連想します。
 Jimmy Thackeryもまた、エディ・ヒントンの作品集"We Got It"を02年にリリースした、レイ・ヴォーン・スタイルのブルース・ギタリストでした。

 リリース時期に違いはありますが、この2枚には、ある共通点があると思います。
 それは、00年ころから発掘されだした、エディ・ヒントンの一連のレア音源集の存在です。

 おそらくは、これらの音源集が、彼らの創作意欲に火をつけたのでしょう。
 とりわけ、その第一集となる"Dear Y'all The Songwriting Sessions"の衝撃は大きかったと思われます。
 このアルバムから、複数の曲がチョイスされています。
 次のとおりです。

00年 "Dear Y'all"収録曲(カッコ内は、Dear Y'allでの表記)
1. Still Want To Be Your Man (I Still Wanna Be Your Man)
2. Salty (Things Got To Get A Little Bit Salty)
5. Coming After You (I'm Coming After You)
6. Cover Me (同)
7. Build Your Own Fire (同)
8. It's All Wrong (It's All Wrong But It's Alright)

 その他の曲についても、エディ盤の出典を記しておきます。

99年 "Hard Luck Guy"収録曲
3. Here I Am
9. Watchdog
10. What Will I Do Without You

93年 "Very Blue Highway"収録曲
4. Poor Old Me

91年 "Cry And Moan"収録曲
11. I Found A True Love

 さて、ジミー・ホールですが、この人はブルース・ハーピストでもあり、それがサウンドにジミーならではの味付けをしています。
 ボーカルは、デルバート・マクリントンのハスキー・ヴォイスを若干控えめにした感じで、本作の1曲目でデルバートとデュエット(?)しているのが興味深いです。

 ハープ以外では、やはりスライド・ギターの存在が、全体の印象を決定づけています。
 特に、スライドが大活躍する、"Poor Old Me"などは、70年代へとタイム・スリップさせられるかのような、「酔い」の感覚に囚われます。

 これはもう、雰囲気勝負の面もありますが、懐かしさとか、様式美とか、どんな言葉でもいいですが、よいものはよいと言いたいです。
 "Poor Old Me"の出だしは、オールマンのステイツボロ・ブルースを連想せずにはいられません。

 さらに、本作での私のお気に入りは、ミディアム・スローの2曲、"Salty"と"Cover Me"です。
 "Cover Me"は、本作収録曲の中で、最も有名な曲ですね。
 ジミー・ホールは、ディープ・ソウル・シンガーの名唱に迫る熱演で聴き手に迫ってきます。
 雰囲気たっぷりに聴かせる、オルガンとスライドをバックに展開する、ジミーのハスキーなボーカルが素晴らしいです。

 "Salty"もいいです。
 この曲は、ヒントン盤が素晴らしいですが、ボビー・ウーマック盤も負けず劣らずの素晴らしさです。
 
 "It's All Wrong"も、多くのソウル・シンガーに歌われている曲です。
 ここでも、ジミーのパフォーマンスは、先達たちに負けまいと必死にくらいついています。
 この曲は、少し厳しいでしょうか。 

 やはり、"I Found True Love"のような、ミディアム・リズム・ナンバーのほうが実力を出せるように感じました。

 本作は、思わず、ソウル・シンガーたちの様々なカバー・バージョンを振り返りたくなる、そんなアルバムに仕上がっています。


The Same Old Moonです。


Saltyが削除されため、差し替えました。1stソロ収録曲、これもいいです。

こちらは80年代の録音で、まるでイーストコースト・ロックみたいです。



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