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フレッド・スタイルズと友だちの輪

 これは驚きのアイテムです。
 あるいは、ファンの間では有名なものかも知れませんが、私は初めて知りました。
 この何とも手作り感たっぷりなジャケット・デザインをご覧ください。
 60年代の、どこかのカレッジ・バンドの写真かと思いました。

 このアルバムをご存知ない方の大半は、ガレージ・サウンドを連想されたのではないでしょうか。
 私もそうです。
 しかし、驚くべきことに、ここに展開される音は、素人ぽさとは無縁のプロ集団のサウンドなのでした。
 

Bandcestors
Fred Styles
with a whole lotta help from his friends

Tuscaloosa Allstars Demo Sessions 75,76 Birmingham rec.
1. Nice Girl (Fred Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
2. Keep On Goin' (F.Styles)
3. I Could Fall in Love With You (F.Styles)
4. Just Another Wild Love Affair (F.Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
5. I Didn't Wanna Lose (F.Styles)(Vo.Mike Duke)
5 Minits (45rpm Fame Recordings) 65 Muscle Shoals rec.
6. Old Man (David Morrison)
Tuscaloosa Allstars Demo Sessions 75,76 Birmingham rec.
7. Come With Me (F.Styles, K.Cater)
8. Irene, the Soap Opera Queen (F.Styles, K.Cater)
9. You Made Me Sing (F.Styles, K.Cater)(Vo.Eddie Hinton)
5 Minites Sessions Live 66
10. Blue-Blue Feelin' (Fred Neil)(Vo.Eddie Hinton)
11. You're Gonna Lose That Girl (Lennon, McCartney)
12. Neighbor, Neighbor (Meaux)(Vo.Eddie Hinton)
13. The Night Before (Lennon, McCartney)(Vo.Eddie Hinton)
14. Turn On Your Love Light (J.Scott, D.Malone)(Vo.Eddie Hinton)
Bozos Live 88 New York City rec.
15. Bozo Band Medley
5 Minite Sessions Live 66
16. Walkin' With Mr. Lee (L.Allen)(Lead Guitar: Eddie Hinton)

 このアルバムは、一言でいえば、Eddie Hinton絡みのバンドのレアな音源集です。
 私は、ヒントン以外の参加メンバーを良く知らず、ほとんど語る言葉を持っていませんが、ヒントンがフロントに出ていない曲も含め、全てが素晴らしいと言いきってしまいたいです。

 また、60年代、70年代、80年代と各年代の録音が混在しており、60年代録音に若干の青臭さを感じなくもないですが、そんなことが些細なことに思わせる、その音楽性の豊かさに、ただただ驚くばかりです。

 とりあえず、各曲名のあとに作者名を追記し、さらにヒントンがリード・ボーカルをとっている曲は特記しました。

 まず、一見して思うのは、ヒントン作の曲が1曲もないことです。
 このことに気付き、聴く前は密かに、期待外れではないかと予想していました。
 しかし、音が始まると、杞憂であったことがすぐに分かりました。
 繰り返しますが、これはよいです。

 ライナーから参加メンバーを引用します。

The Original 5 Minites
Paul Ballenger、Carlie Campbell、Paul Hormsby、Johnny Sandlin、Fred Styles

Tuscaloosa All Stars
Tippy Armstrong、Bill Connell、Mike Duke、Eddie Hinton、Joe Rudd、Jennifer Toffel Townsend、fred Styles

The 5 Minites
Eddie Hinton、Paul Hormsby、Johnny Sandlin、Fred Styles

The Bozo Band
John de Forest、Robert Nickson、Charlie Peak、Phil Shafer、Fred Styles

各メンバーの中に、Fred Stylesという名前が必ず参加していることに気付かれたかも知れません。
 そうなのです。
 このアルバムは、Fred Stylesが序文を書いており、どうやら彼の思い出の音源を拾い集めたもののようなのです。
 つまり、フレッド・スタイルズこそが、このレア音源集の仕掛け人と見て、まず間違いないのでした。

 その証拠に、主要参加メンバーの簡単な略歴が掲載されていますが、どうみても主要メンツであるフレッドの経歴が紹介されていません。
 これは、フレッド自身が懐かしい友人たちを紹介している文章だからなのでしょう。

 略歴が紹介されているのは、Tippy Armstrong、Bill Connell、Mike Duke、Eddie Hinton、Paul Hormsby、Joe Rudd、Johnny Sandlinの7人です。
 ここでは、関わりを持った有名アーティストの名前が、次から次へと列挙されています。
 
 主なところを何人か紹介しますと、まず、Tippy Armstrongは、Muscle Shoals Sound Rhythm Sound Sectionの一員として、Albert King、Bobby Womack、Tonny Joe White、Wilson Pickett、Johnnie Taylor、Linda Ronstadt、Roy Orbisonほかのセッションで、リード・ギターを弾いたと記されています。

 また、Bill Connellは、ドラマーとして、Allman Joys、Bobby Witlock、Derek & Dominoesらとプレイしたとのことです。

 Mike Dukeは、キーボードとボーカルで、Wet Willie、Huey Lewis & The News、The Outrows、Delbert McClintonらのセッションに参加したほか、彼が書いた曲は、Huey Lewis、Kitty Wells、Wet Willieらが録音しているとのことです。
 (Wet Willieの創立メンバー?だという話も…。)

 Paul Hornsbyは、キーボードとギターで、The Hour Grassとプレイしたほか、South CampでChuck Leavellとともに、Allman Brothers、Clapton、Stonesらのセッションに参加したとのことです。
 また、Capricorn Studio Rhythm Sectionの奏者及び制作者として、Eddie Floyd、Livingston Taylor、Auther Conley、Dr.Johnらとのセッションに参加したとのことです。
 さらに、プロデューサーとして、Marshall Tucker Band、Charlie Daniels Band、Wet Willie、Bobby Whitlock、Kitty Wellsらのアルバムを制作したとも記されています。

 Johnny Sandlinは、ドラマーとして、The Hour Grass、Debert McClintonらのセッションに参加したほか、奏者に加えエンジニアとしても、Capricorn Studio Rhythm Sectionの一員として関わったとのことです。
 そして、プロデューサーとして、Allman Brothers、The Outlows、Greg Allman、Greg & Cher、Bonnie Bramlett、Wet Willie、Alex Taylor、Eddie Kendricks、Delbert McClintonらのアルバムを制作したと記されています。

 かってに整理してしまえば、紹介されているメンバーは、主にマッスル・ショールズのスタジオ・エースと、カプリコーン関連のミュージシャン、プロデューサーだということでしょう。

 彼らがバンドとして関わったレアな音源が、このアルバムに集約されたというわけです。
 悪いはずがないですね。
 不思議なのは、エディ・ヒントンがボーカルを取った曲は、他人(主にFred作)であるにも関わらず、まるでエディが書いた作品であるかのように聴こえることです。
 あるいは、Fred Stylesとエディは、相互に影響を与えあっていたのかも知れません。

 とりわけ、1曲目のNice Girlなどは、ブラインドでもエディの声だと分かるほどで、これは曲調も含めての印象だと思います。
 この曲は、エディ・ヒントン作だと言われたら、多くの人が疑わないと思います。

 デモ録音主体でも、70年代の録音全体に、あのころの南部最高の音が詰まっています。
 また、60年代の録音では、レノン、マッカートニー作品を歌うエディの歌声が珍品です。

 そして、80年代のライヴとして、Bozo Band Medleyというのがありますが、多分、8曲ほどメドレーでやっていると思います。
 全くノー・クレジットですが、私の分かる範囲では、次のような曲をやっているのではないかと思います。
 
1. J.J.ケイル作のCrazy Mama
(standing on the corner、crazy mama when you been so longと歌っています。)
2. タウンズ・ヴァン・ザント作のPoncho and Lefty
3. マール・ハガードのToday I Started Loving You Again
4. 不明、ジョー・サウス作のWalk a Mile In My Shoesでしょうか? …違う気がする。
5. 多分、ロドニー・クロウェル作のTill I Gain Control Agiamでしょうか?
6. 不明
7. 不明、weepin like a willowと歌い始めるフォーク調の曲
8. 不明、Honky Tonk Aangelというフレーズが耳に残るカントリー系(ブルーグラス?)の曲  

 比較的長くやっている曲と、すぐ次の曲に代わるものがあって、難易度に差が有りました。
 このアルバムを聴かれた方で、誤りを指摘してくださる方を募ります。(…汗。)

 最後に、ナビゲーターに徹して、経歴が明かされていないフレッド・スタイルズは、ソングライター、そして、味のあるシンガーとして、素晴らしい才能の持ち主だと思いました。


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