2018年12月07日
鉄分不足で貧血になるのはなぜ!?
鉄といえば紀元前から道具作りなどに利用され、近現代ではさまざまな産業においてもっとも重要な素材のひとつとなっている金属です。もちろん、鉄は道具や産業に使われるだけではなく、人間に必要なミネラルでもあります。この鉄分が不足してしまうと、貧血の原因となることはよく知られています。では、どうして鉄分が不足すると貧血になってしまうのでしょうか。
鉄は血液中で酸素を運ぶ超重要成分!
私たちの全身をくまなく流れている血液。その細胞のひとつである赤血球のなかにはヘモグロビンというタンパク質があります。ヘモグロビンは肺で取り込んだ酸素を血液の流れとともに体のすみずみまで運んでいく重要な役割を果たしているのですが、このヘモグロビンを作るために鉄分が必要なのです。通常、赤血球は約120日で分解されて新しいものと入れ替わります。そのため、常に鉄分を補給していかなければ全身に酸素を運ぶ新しいヘモグロビンが生成されず、その量が不足すると“貧血”を起こしてしまうのです。
さまざまな貧血の症状
貧血は脳や筋肉、心臓といった各器官に酸素が行き渡らなくなることによって、失神、たちくらみ、めまい、肩こり、だるさ、息切れ、動悸、頭痛など、さまざまな症状を引き起こします。こうした「鉄欠乏性貧血」を予防するには、何より鉄分が多く含まれた食物を摂取することが大切です。1日に必要な鉄の摂取量は成人男性で約10mg、成人女性で約12mgとされています。この数値は1日3食、栄養バランスのよい食事を心がけていれば、ほとんどまかなうことができますが、ダイエット中の人は妊婦さん、授乳中のお母さんなどは、鉄分不足になってしまうことが多いので注意が必要です。
鉄分を多く摂取したければレバーが一番!
鉄分を多く含む食品といえば、なんといってもレバーです。豚レバーと鶏レバーでは約一食分の50g中にそれぞれ6.5mg、4.5mgの鉄分を含みます。牛レバーだと少し落ちて2.0mg。また、あさりも一食分、約80g中に3.0mgと鉄分が多く含まれている食品です。そのほか、ひじきやナッツ類、赤身肉なども鉄分を多く含んでいます。日頃、だるさや疲れやすさを感じている人は、もしかしたら鉄が不足しているのかもしれません。意識的に鉄分を摂取するように心がけましょう。その際は鉄分の吸収を助けるビタミンCと一緒に摂るようにするとより効果的です。