2014年02月12日
ランチ後の歯磨きは必要?
ランチのあとに歯を磨く人が増えました。働く女性に聞いたアンケートでは、朝、ランチのあと、夜の1日3回磨く人が66.5%に達しています。とはいえ、このタイミングで歯を磨くのは正しいことなのでしょうか。歯科医の村田雄子医師(むらたデンタルクリニック)に聞きました。
― ランチのあとに歯磨きをするのは正しい?
口の中に食べ物が入ると、口の中は酸性に傾きます。酸性になると歯の表面が溶けて、虫歯の原因である「脱灰(だっかい)」という状態になります。そうならないためにも、食後に歯磨きするのは大変効果的です。
この脱灰とは、歯の表面からミネラル成分のカルシウムやリンが溶け出す状態のこと。飲食するとプラーク(歯垢)中の細菌が酸を作り出すために起こる現象です。
食べたあとしばらくすると、唾液の力によって、細菌の作り出した酸を中和する作用や洗い流す作用が起こり、溶け出してしまったカルシウムやリンが歯の表面に戻ります。この状態を「再石灰化」と呼びます。つまり食後の歯磨きは、細菌の巣であるプラークを除去する効果があります。
口の中は食べるたびに、「脱灰」と「再石灰化」を繰り返すメカニズムになっているので、再石灰化を促す口内環境作りをすれば、虫歯の進行を抑えられます。
―虫歯になりにくい再石灰化された環境を整えるには?
そのためには、
(1) 糖分の多い飲食物を長時間にわたり摂取しない。
(2) 正しい歯磨き方法でプラークを除去する。
(3) 歯磨き剤の成分にはフッ素が含まれるものを選ぶとよい。
以上の3点がポイント。フッ素にはプラークの働きを抑え、歯質を強化し、虫歯の発生を防ぐ効果があります。そのためフッ化物入りの歯磨き剤などを使用して、歯をコートすると効果的です。
―食後に歯磨きをすることができない場合は?
食べ物が口の中に入れば磨くというのがよいのですが、日常でなかなかそうはいきませんね。虫歯予防に関しては、口の中に残った食べかすをうがいで落とすということで、ある程度の効果はあるかもしれませんが、歯磨きではなくうがいだけでは歯垢が除去できませんので、虫歯を完全に予防することはできません。また、歯周病予防にはまったくなり得ません。
どのような場合においても、「磨いている」と「磨けている」とではちがいますので、定期的に歯科医院で歯の健康をチェックすることをオススメします。
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