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「質の良い睡眠がとれている」と思い込むだけで、認知機能が向上することが判明

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実際には何の効果もない偽薬(プラセボ)なのに、医者から「これは◯◯にとてもよく効く薬なんです」と言われてそれを飲むと、本当に体調がよくなってしまう「プラセボ効果」については皆さんもご存じかと思う。米国コロラドカレッジの研究により、実際の睡眠の質の良し悪しにかかわりなく、「あなたは質の良い睡眠(=プラセボ睡眠)がとれています」と知らされた人は、その後、認知機能が実際に向上することがわかった。

コロラドカレッジの心理学者Kristi Erdal教授の研究チームが学生164人に、実際には存在しない「新しいテクニック」を用いて「あなたの睡眠の質を判定します」と告げ、彼らの脳波を測定した。その後、被験者を2つのグループに分け、一方のグループには「あなたのREM睡眠は総睡眠時間の28.7%、平均の20%を上回り、質の良い睡眠がとれています」と告げ、もう一方のグループには「あなたのREM睡眠は平均以下。わずか16.2%でした」と告げる。もちろん、これは実際のデータではなく、当人の睡眠の質とは無関係の情報だ。それから、どちらのグループにも「睡眠の質が認知機能にいかに影響するか、質の良い睡眠をとることがいかに大事か」という話を5分間聞かせ、その後、集中力や記憶力など、認知機能を評価するテストを受けてもらったところ、「質の良い睡眠がとれている」と告げられていたグループは、もう一方のグループより良い成績を収めていた。

これまでのプラセボを用いたい実験では、心の持ちよう、考え方が体調や健康に影響を与えることが証明されてきたが、今回の研究により「それが認知機能にも影響をおよぼすという仮説が裏付けられたことになる」と Erdal教授は言う。

だとすれば、たとえば今の時期、受験生に「睡眠時間が短くても、あなたみたいにぐっすり眠れてる人は記憶力が上がるんだって」と言ってあげると、相手はうまく暗示にかかって、実際に良い結果を出してくれるかもしれない。

コロラドカレッジの研究結果は学術誌『Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory and Cognition』に発表された。






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