2017年07月26日
ブルーライトカット眼鏡は本当に睡眠快眠に良い?体内時計への影響は
数年前からパソコンやスマホのブルーライトを遮断できる眼鏡が流行している。おしゃれも兼ねてもうすでに何本も持っている、なんていう方もいるかもしれない。
ブルーライトカット眼鏡には、睡眠改善効果や目を保護する効果があるといわれていたが、はっきりした根拠がないとも指摘されていた。
しかし、ブルーライトカット眼鏡に効果があるという研究が増えてきた。ブルーライトが睡眠に与える影響と、ブルーライトカット眼鏡を着用したときの睡眠効果の研究についてご紹介しよう。
□サーカディアンリズム(体内時計)は光の影響を受けやすい
人には24時間よりも通常少し長い周期で刻まれる、サーカディアンリズム、いわゆる体内時計という生命活動のリズムが備わっている。通常、24時間ぴったりの地球の自転よりも少し長いが、体内で独立して形成されて、光や温度、食事などで修正される。
このサーカディアンリズム(体内時計)は一定の時間になると自然に眠くなったり、自然に目が覚めたりする、睡眠や目覚めのリズムにも関係がある。
サーカディアンリズム(体内時計)は光の影響を受けやすいため、蛍光灯の下など夜にも昼のような明るい生活を送る現代人はこれが乱れてしまいがちなのだ。
□PCやスマホのブルーライトを見ると睡眠が悪化
特にパソコンやスマホのディスプレーから発せられるブルーライトが、睡眠への影響が大きい。
エヴァリーナ・ロンドン小児病院やサリー大学などの英国の睡眠医学研究チームは、スマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーなどのディスプレーから発せられるブルーライトが睡眠の導入を妨げ、さらに睡眠パターンを悪化させていると発表した。
□まぶしくない電子書籍でもサーカディアンリズム(体内時計)を狂わせ睡眠に悪影響
米ハーバード大学の研究では、夜に紙媒体と電子書籍で読書をするグループを比較したところ、まぶしくない電子書籍でも体内時計を狂わせる作用があった。
そしてブルーライトを防ぐにはブルーライトカット眼鏡や、パソコンの夜間モードの搭載が必要だと訴えている。
□ブルーライト眼鏡で睡眠の質が向上。寝るまでの時間が短縮
ブルーライトカット眼鏡の効果を検証する研究には、スイス・バーゼル大学による、ブルーライトカット眼鏡を掛けると10代の若者の睡眠の質が向上したという研究や、アメリカ・トレド大学による、大人がブルーライトカット眼鏡を睡眠前に使用すると寝つくまでの時間が短くなったという研究などがある。
□安眠対策眼鏡で寝つきまでの時間が短縮
また日本では、オムロンヘルスケア「ねむりラボ」と眼鏡ブランド「JINS」のジェイアイエヌがブルーライトと睡眠に関する共同実験を実施した。
実験では20代〜40代の男女22名が、ブルーライトをカットする安眠対策眼鏡を掛けて、就寝前2時間の中で30分間程度スマートフォンの作業を行った後、オムロンヘルスケアの睡眠測定計を用いて、ブルーライトが睡眠の質に及ぼす効果を調べた。
結果は、約90%の参加者がブルーライトをカットする安眠対策眼鏡非着用時と比較し、着用時の方が「寝る前にリラックスできるようになった」「寝つきがスムーズになった」など、眠りに何らかの良い変化が見られたと回答した。
また、睡眠状態の測定ではブルーライトをカットする安眠対策眼鏡を着用することによって、寝つきにかかる時間が約10%短縮。さらに、眠りに悩む人に限定すると約18%の時間を短縮できた。
□ブルーライトカット眼鏡。昼間の使用のしすぎは悪影響の懸念も
ブルーライトカット眼鏡を夜間睡眠前に使うと、睡眠改善が期待できそうな結果だ。ブルーライトカットの方法には、いろいろあるがブルーライトカット眼鏡も有効といえるだろう。
ただし、ブルーライトカット眼鏡を一日中使用するときは、注意が必要かもしれない。昼間には光を取り入れることが、サーカディアンリズムを保つために必要だからだ。
昼間はブルーライトを浴びて、夜間はブルーライトカット眼鏡を使用するという使い方が安眠には良さそうだ。
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