2015年11月19日
猫の心臓病、その治療法は?
猫は老齢になってくると寝てばかりで運動もほとんどしなくなり、具合が悪いことに気づかずに病気が進行していた、なんて事はよくあることですが、定期的に健康診断することで早期発見につながります。
さて、今回はそんな猫の心臓病について見ていきたいと思います。
猫の心臓病ってどんなもの?
拘束型心筋症や拡張型心筋症、肥大型心筋症などがありますが、中でももっとも多いのが肥大型心筋症。これは心臓の筋肉が厚くなることで心臓の内側の容積が小さくなり、それに伴い心臓の動きも悪くなるために全身の血流が悪くなってしまう病気です。
血流が滞ると…
血流が滞ってくると血液が固まって血栓が発生。これが血管内を移動すると、後ろ肢の動脈に詰まることが多く、足にマヒが出ることもあります。
また、肺への血流が滞ると水分が肺から染み出して胸に水が溜まることもあります。
どんな症状が出るの?
・運動したがらない
・元気がなくなる
・食欲の低下または廃絶
・口を開けて呼吸する
・失神
・歩き方がおかしい
・足を引きずる
・横になったまま動けない
…など。
早期発見のコツとは
・聴診で心音や心拍の状態を診る
・心電図で心臓の電気的な動きを診る
・レントゲンで心臓の大きさや形を、肺の状態を診る
・エコーで心臓の動きや血流の状態を診る
上記方法で確実に病気を把握するためには、定期的な健康診断が必要となります。ワクチンなどで行う一般的な健康診断ですと聴診、触診、視診がメインとなりますが、それだけでは見落としてしまうこともありますので、より詳しく心臓に対する検査も年に1回程度行うと安心ですね。
遺伝的にかかりやすい猫がいる!?
原因は、未だ不明な点が多いのがこの病気の怖い部分でもあるのですが、遺伝的に肥大型心筋症の素因を持っている猫もいるといわれています。その種類がコチラ。
・メインクーン
・アメリカンショートヘア
・スコティッシュフォールド
…など。
有効な5つの内科的治療
1:心臓の動きを休ませて負担を取る
2:血管を広げて血液の通りを良くする
3:利尿により血液量を減らして血流を楽にする
4:心臓の動きを強める
5:血栓ができないように血液が固まるのを抑える
胸水が溜まった場合には酸素室で呼吸の補助や水を注射器で抜く処置をします。足もマヒが生じた場合には血栓を溶かす治療をしますが、これは早急に治療をしないとマヒが残ることがあります。
特に、メインクーン、アメリカンショートヘア、スコティッシュフィールドを飼われている方は、健康状態を日々チェックするとともに、定期的な検診で、イザというときにも早期発見ができるよう意識しておくようにしましょう。
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