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人間の舌は、基本バカ

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たんなる栄養摂取だけでなく、人間の楽しみでもある「食事」。これから夏に向けて旬を迎える食材が多いので、楽しみにしているひとも多いだろう。

お菓子や調味料の組み合わせによって、別の食品の味に変わるのはなぜか? 人間の舌は敏感なようで、甘さやうまみなど5つの味しか分からないので、バランスが同じ食品なら「同じ食べ物」と誤解してしまう。なかにはアボカドとマグロのように、何か加えなくても「同じ」と感じる食品も存在するのだ。

■麦茶とコーヒーは同じ味

人間が感じ取れる味のうち、ちゃんとわかっていると証明されているのは甘味/塩味/酸味/苦味/うまみの5つしかない。「キレ」「コク」などは味の感じ方でしかなく、辛みや渋みは触覚なので味ですらない。脂については「どうやら味がわかるようだ」とされているもののメカニズムは完全に解明されていない。

五味といわれる5つの味は、食べてすぐ感じる「先味」、時間が経ってから感じる「後味」に分かれ、

・苦味の先味 … 雑味

・うまみの後味 … コク

などと表現されている。いまでは味を計測できる機械も存在し、異なる食品でも、バランスが同じであれば「同じ味」に感じることが判明している。もちろん食感や温度、においも「おいしい」に含まれる要素ではあるが、これらに違いが生じないようにして試してみると、「○○の味がする!」とカンタンに誤解してしまうのだ。

甘/塩/苦/うまみ/コクの強さを機械で測定し、-10〜30に分類すると、麦茶は、

・麦茶 … 甘:0 / 塩:0 / 苦:10 / うまみ:10 / コク:5

おおよそこんなバランスで、濃度20%のコーヒーに近い。

これに牛乳と砂糖を加えると、

・コーヒー牛乳 … 甘:10 / 塩:5 / 苦:5 / うまみ:10 / コク:20

となり、コーヒー牛乳とほぼ一致する。つまり、薄めのコーヒーは麦茶味、コーヒー牛乳らしさは牛乳と砂糖のおかげ、と表現できる。

別の例として、成立しがたい組み合わせではあるが、

・牛乳+たくあん … 甘:20 / 塩:10 / 苦:10 / うまみ:10 / コク:10

となり、これは「コーンスープ」の味になる。プリン+しょう油=ウニの味と言われるのも同じ理屈で、味のバランスが同じだと、舌はカンタンに誤解してしまうのだ。

■アボカド−苦味=マグロ味?

なにも足さずに、そのままでも「同じ味」と表現できる食材もある。アボカドとマグロだ。

・アボカド … 甘:10 / 塩:-5 / 苦:10 / うまみ:20 / コク:20

・マグロ … 甘:10 / 塩:-5 / 苦:0 / うまみ:20 / コク:20

と、おおまかな数字で表しても、大きな違いは「苦味」しかない。アボカドが寿司に使われても違和感が少ないのは「マグロ味」だからで、日本人のマグロ好きは、同時にアボカド好きとも表現できる。がんもどきやうなぎもどきは、精進料理にも使われる古典的な「もどき料理」だが、アボカドに苦味をちょい足しし、食感を同じにできれば「スーパーもどき料理」も夢ではない。

豆腐にヨーグルトでレアチーズケーキ、ようかんにバターでスイートポテト味など、組み合わせは山ほどあるので、食費抑えながらもいろいろ食べたい!と思っているひとは、身近な食材の組み合わせにチャレンジして頂きたい。


・味のバランスが同じだと、違う食品でも区別が難しい

・麦茶と薄いコーヒーはほぼ同じ味なので、麦茶でなんちゃってコーヒー牛乳が作れる

・なにも加えなくても、アボカドは「ほぼマグロ味」




タグ:健康

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