2015年05月13日
鼻かぜ、喉かぜ、お腹のかぜ…症状で治し方も違う! 「種類別」原因と対処方法
風邪の原因ウィルスの半分以上は鼻風邪、「風邪は他人にうつすと治る」のはあながち嘘ではない!? 「風邪」にも、咳、鼻水、熱など、症状はさまざま。風邪の種類と、症状別の対処方法を医師が紹介します。
「風邪」とひと言でいっても、咳、鼻水、熱が出るものや出ないものなど、症状はさまざまです。どのようなパターンがあるのかみていきましょう。
そもそも風邪とは?
医学書によって定義はさまざまですが、主にウィルスの感染による上気道(鼻腔や咽頭等)の炎症性の病気にかかった状態をいいます。頭痛、発熱、鼻水、くしゃみ、喉の痛み、咳など、風邪の症状の程度や続く期間は、まちまちです。
なぜ、同じ風邪なのに症状が異なるの?
症状の差には個人差だけではなく、原因となる微生物による影響もあります。頭痛と発熱は、原因がウィルスの場合にしばしば認められます。
症状と対処法1:鼻風邪(普通感冒)
風邪の原因の80%以上はウィルスです。
ウィルスの半分以上は鼻風邪ウィルス(ライノウィルス)とされています。くしゃみ・鼻水・鼻づまりが主な症状です。
このウィルスは高い温度が苦手なので、外気の影響で温度が低くなりやすい鼻や喉の粘膜には感染しますが、体の内部にあり温度が高い肺では増加しにくいため、肺炎を起こす事はありません。
ライノウィルスは100以上の型があるので、ワクチンは作製されていません。罹った人の鼻水中にウィルスがいるので、鼻をすすったりした手指が触れたものや、鼻をかんだティッシュペーパーにもウィルスが付着します。
症状が出る前から鼻水中にウィルスがあるので、同居している人や会社で同室の人は感染を免れるのは難しいです。
俗説で「風邪は他人にうつすと治る」と言われていますが、それはこの鼻風邪ウィルスの可能性が高いです。病期が短いため、治った頃に周囲の人が発症することが多く、「うつしたら治った」ように感じます。
症状と対処法2:のどの風邪(咽頭炎)
微熱があって喉が痛い場合があります。頭痛もしばしば伴います。声がかすれたり、犬が遠吠えをするときのようなせきが出たりするクループ症候群もこれに含まれます。
喉の炎症が非常に強くて、喉が赤く腫れて痛みが強い場合は、溶連菌(化膿性連鎖球菌、A群β溶血連鎖球菌)による感染を起こしている場合があります。ウィルスには抗生物質は無効ですが、細菌である溶連菌に対しては有効です。
風邪による喉の痛みは軽視してはいけません。
この菌に対する免疫反応が、発熱や喉の腫れがひいた頃に、別の病気を引き起こす事があるからです。心臓疾患や関節の炎症を伴う疾患をリウマチ熱と呼びます。急性糸球体腎炎という血尿と浮腫と高血圧を起こす疾患もあります。
対処法3:インフルエンザ
インフルエンザを風邪に含めるかどうかは賛否両論ありますが、冬に流行るウィルスによる病気です。
筋肉や関節が痛くなったり、体がだるくなったりといった症状が強く、高い熱が出ます。ワクチンでの予防も重要ですし、近年ではインフルエンザウィルスに直接効く薬も出ていますので、早めに病院を受診する必要があります。
症状と対処法4:お腹の風邪
風邪症候群は気道感染による疾患とされていますが、「お腹の風邪」という表現が使われる場合があります。微熱があって嘔吐や下痢症状がある場合に、この表現を用います。
ウィルス性腸炎の原因としては、ノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスなどがあげられます。細菌性の食中毒でも嘔吐や下痢症状を来します。
治療としては脱水症状の改善が重要です。ひどい脱水症状の改善には点滴が必要な場合もあります。
症状と対処法5:夏風邪
夏風邪には複数のウィルスが関係しています。下痢や腹痛などの胃腸障害を伴うことも多いです。
咽頭結膜熱は代表的な夏風邪のひとつです。発熱に加えて、2の咽頭炎の症状や、結膜炎の症状が出ます。同じプールに入った人からうつることが多いので、「プール熱」とも呼ばれます。
夏かぜのウィルスを退治する有効な薬はありません。安静を保ち、栄養と水分を補給することが大切です。
タグ:健康
【健康 美容 ダイエットの最新記事】
この記事へのコメント