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2020年04月03日

人類悪について

人類悪について


さて、アニメ・絶対魔獣戦線バビロニアで幾度となく出てきた「人類悪」であるが、そもそも人類悪とは何なのか、解説していきたいと思います。

人類悪とは人類が文明を高度に発展・複雑化するほど、巨大な力を増す存在です。人類悪の根底にある感情は「悪意」ではなく「愛情」という点が特徴的です。憎しみなどの感情は一時的なものであり時間の経過と共に薄らいでいってしまうものですが、愛情の方は絶えず一定の濃さを持ち、場合によってはその感情の度合いが深まるため、憎悪などの感情を動力としていません。アンリマユは「必要悪」として生み出された存在であり、人類悪とは明確に異なる存在です。
人類悪の根底をよりよく分かり易く表現するならば、魔法少女まどかマギカの劇場版「叛逆の物語」で悪魔化した暁美ほむらがインキュベーターに対して、『あなたには理解できないでしょうね。絶望よりも深く、希望よりも厚いもの――愛よ』と、言っていた例が一番理解し易いかもしれません。

そして、愛情を基軸とした人類悪ですが、ビーストには厄介な特性を有しており、それはビーストTが現れたら連鎖的に全てのビーストが顕現するというものです。

しかも、ビーストUであるティアマト神がそのまま野放しにしておけば、世界滅亡を容易に引き起こすことから、いずれ人類が立ち向かわなくてはならない強敵です。ギルガメッシュいわく「人類『を』滅ぼす悪ではなく、人類『が』滅ぼす悪。人間が知性を持つ限り存在する癌細胞であり、自滅機構」。

ちなみにビーストはT、U、V、W、X、Y、Zとあり全部で七体だと思われがちですが、正確には七つの座があるだけ。その証拠にビーストVのキアラとカーマ、自分のいた世界ではビーストYを倒したものの片割れの存在を探して、平行世界であるカルデアに訪れたプロト・アーサー(男の父上)から、ビーストの全てではないが、「対」になる存在がいることが判明しています。下手をしたら、人類悪の総数は14体であっても不思議ではありません。

人類悪のそれぞれには「憐憫」、「回帰」、「比較」などの理を有していますが、神・獣・人などの種族の違いがあります。外見的特徴な共通点として、必ず「角」が頭部に生えていますが、それぞれデザインは異なります。

いずれの人類悪もそうですが、ビースト同士は各々独自の愛情を以て、結果的に世界を滅ぼしてしまうため、例え「対」となる存在であったとしても、相互理解することはありません。むしろ、殺し合うほど険悪といっても良いでしょう。
ちなみに「対」になる存在にはそれぞれ左右を意味する「R」と「L」に区分されていることが、BBにより語られています。
ビーストVの基本的な獣性は「愛欲」ですが、キアラが「自己愛」なのに対して、カーマは「他者愛」といった具合に対極な上、通常の人類悪同士よりも分かり合えないものだと推測されています。

なお、人類悪には独自の固有スキルをもっており、

  • 獣の権能
  • 単独顕現
  • ネガ・〇〇


の三つです。

獣の権能とは、対人類に対して特攻効果を持つスキルです。人類が倒すべき悪でありますが、恐らくビーストに対する抑止力でありカウンターとして召喚される安全装置の冠位クラスのサーヴァントに対抗するため、独自に保有しているスキルなのでしょう。獣の権能も、詳しくはネガスキルと同様、個体差がある模様。理の性質によって種類があるものと推測される。

単独顕現とは、人類悪がひとつ現れれば連鎖的に現れることから得ているスキルだと推測されます。その他にもどの時空や世界に対しても存在を立証し、出現する対策として時間遡行などのタイムパラドックスによる未然の出現防止さえも無効化されます。

ネガスキルとは、人類悪の獣性や理が独自に異なっているため、個別により異なる能力を持っています。いずれもビーストの在り方を強調するようなスキル名と性能です。

その他にビーストは通常のサーヴァントが持っていないスキル、「啓示」、「万欲応体」、などを保有しています。


ビーストT ゲーティア
憐憫の理を持ち、七つの特異点に聖杯を贈り込み歴史を塗り替えようとした、人類史を最も利用した災害の獣、72の魔神柱の集合体。意思を持つ召喚魔術。
憐憫たる理を得た経緯は、世界を見通せる目を持ちながらも、人々を救おうとしなかったとある王の人間味の感じられない行いが、発端。ゲーティアの最終目標は2000年以降の歴史を焼却した後、時間遡行を行い人類史をやり直すというものである。
争いなどの悲しみにしか目を向けなかったゲーティアが創りなおそうとした世界は、人類の苦しみを取り除き、人間の不完全性をなくして、死ぬことのない生命体に変えるというものである。なお、原罪といわれているが、マルタ曰く「原罪はあの人が持って行った」と発言されており、原始の罪という意味ではなく、ビーストTであるがゆえの原罪であると推測される。
角のカタチは横向きになった、樹のような形状をしている。

  • 固有スキル

・召喚術
72の魔神がとある王の遺体に巣食い、人間の皮を被ることに成功した。英霊を召喚することはできないものの、多くの特異点で魔神柱を出現させることが可能なスキル。

・ソロモンの指輪(EX)
王の証。左中指には指輪が装着されていないが、残り九本の指それぞれに装備されている。

・啓示
天からの声を聞き最適な行動を取る、「直感」の上位変換スキル。だが、ゲーティアには使用できない。

・ネガサモン
サーヴァントによる一切の攻撃を無効化する、ビーストとしての独自スキル。だが、とある例外たる存在を除いて、ゲーティアに攻撃可能。


ビーストU ティアマト
回帰の理を持ち、全ての生態系を塗り替えて全ての母として君臨しようとした災害の獣。子である神々に虚数空間に落とされた創世の神。産み出すものであるゆえ、死の概念を生まれつき持たない。
回帰の理を持つようになった経緯は、自ら産み出した子である神々に存在を否定され、子供たちの独立を拒んだことによる。そもそも我が子に否定されるようになった理由は、地球上に生命体の生態が確立した原罪、アトランダムに新たな生命を産み出す母としての役割が災いし、肉体は二つに引き裂かれ、人世創造の儀式となった。
母として我が子を愛したい獣性を有して、本能的に活動。本来、「原初の海」と呼ばれている存在であり、陸地にあがることはできないがケイオスタイドを津波にように大地に押し寄せることによって、上陸することが出来た。
角のデザインは、緑色で丸みを帯びたもの。

  • 固有スキル

・生命の海
子を産み出すことが可能な、黒泥。真エーテルをたえず循環させているため、海の中では無限の魔力を有している。この海の中に落とされた存在はランダムに「増殖」や「融合」などのスキルが付与されるだけでなく、細胞レベルで遺伝子が改造され、強制的にティアマトの眷属となる。

・自己封印
自己を縛り付けるスキル。我が子である神々に「いらない」と存在を否定されたティアマトであるが、そのことについて「仕方ない」と甘んじ、最後の最後は人類の庇護にまわりたいと思っていた。しかし頭脳体が破壊されたことにより、理性と本能でせめぎ合っていた均衡状態が崩れることになる。

・仔よ、創世の理に従え
詳細不明。効果は「全体攻撃及び自己強化無効」。

・ネガジェネシス
固有結界の超上位変換。旧来の生命体を否定し、生態系を崩壊させる。正式な人類史におけるサーヴァントの宝具を無力化する、膨張する概念結界。


ビーストV 随喜自在第三外法改楽天 殺生院キアラ(ラプチャー)
愛欲(自己愛)の理を持ち、人を最短に救う大災害。
密教にして邪教、真言立川流の破戒僧。立川流の禁忌を全て破り、髑髏本山を奪い独自に使徒を増やしていた。ちなみに彼女の信者はキアラに愛されるために狂態を演じ財産さえ擲つも、キアラに愛されないことを悟った信者はいずれも自殺による末路を迎えている。
なお、キアラが人と定義しているのは己自身のみで、他の人類については有象無象の虫や動物のようにしか捉えていない。すべての生命体の愛を受け入れるべく、地球の性感帯になろうと海底から地表に現れようとした。キアラが受ける愛情は何でもよく、究極のマゾヒストにして絶対のサディストである。快楽があれば己の死さえも良しとするなど、常人には理解できない思考回路をしている。
CCCではムーンセルと同調していたために、自身がなぜ敗北したのか分からなかった。キアラのサーヴァントであったアンデルセン曰く、「パッションリップ、メルトリリス(双方恋心を抱いていた)存在を取り込み、勝てるものと思っていたのか馬鹿者め!」と、罵倒されている。更に「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は恋の前では無力になる」と叱責されている。余談だが、散り際のキアラとアンデルセンの会話は見ものである。
FGO内でのキアラは、最初は真っ当なセラピストで聖人として相応しい人格者であった。しかし、魔神柱の残党であるセパルに善性を封印され、意識を乗っ取られる最中、魔神柱は肉欲の快楽を知り、キアラに教えを乞うことになる。その内に、双方の立場が逆転し、セパルの意識や存在は指先程度のものしか残っていなかった(キアラが意図的に爪先程度の立場を与えていた)。
鈴鹿御前が助けを呼ぶマスターの声により召喚に応じたのであるが、実はこれ、コフィン(棺桶)内でキアラにより何度も戦い合いが行われる状況を楽しみ、本人いわく「コフィン内の人間が擦り切れる」まで楽しんでいた。それゆえ「助けて」の声は戦いにおける救難信号ではなく、終わりの見えない苦痛に耐えかねてサーヴァントの存在を必要としていたのであった。
なお、ビーストTのゲーティアでもなしえなかった主人公の殺害に成功している(時間が巻き戻る空間なので、主人公の死はなかったことになっている)。
角のデザインは、魔人柱。ゲームでの攻撃モーションの際、セパルの残骸と思わしき黒いものが見えることから、残骸になっても手放さず使用しているものと思われる。

  • 固有スキル

・ロゴイースター
知性を持つものに対して強力な特攻を持つスキル。キアラの姿、声などに少しでも美しいと微塵でも思った時点でアウト。

・万色悠滞
精神や魂を丸裸にさせ精神的なケアを行う医療ソフトであったが、それは建前で「済度(救済)」と騙りながら、自身の信徒を増やしていた。

・カルマファージ
かつてBBが「愛情なぞ不要」と判断し切り離し、パッションリップ・メルトリリスを造った技術を自己流に改造したもの。具体的な効果は性感帯や五感を他者に分け与えるといったものである。

・ネガメサイヤ
救世主(セイヴァー)の資格を持ちながら、人は己のみと定め多くの人類を救済することのなかったビーストの末路。セイヴァー、ルーラークラスの攻撃を無力化するだけでなく、強烈なバフ効果を振りまく。


ビーストV カーマ/マーラ(ラプス)
愛欲(他者愛)の理を持ち、人を広域に救う大災害。
徳川廻天迷宮大奥にて登場した、ビーストVの片割れ。
キアラの片割れとあると同時に、同じ依り代(桜)のパールヴァーティの善悪における「悪」の部分である。カーマとマーラの比率は6:4でカーマ成分が多い。本来は男性神であるが、依り代の肉体が女性なので、女神となっている。
カーマはかつて、瞑想の修行を行っていたシヴァにより第三の目により焼き殺されたが、宇宙の化身といっても過言ではない存在に殺されたことから、宇宙の如く無限を有する肉体を有するようになった。それゆえ、星屑と同様(もはや無限)の自身が存在しており、個々人に対して、愛情を注ぐことが出来る。
唯一愛せないのは自分であるとのことだが、カーマは人間が嫌いであったとしても愛することが出来、人間のあらゆる行為・行動を許容する。その愛欲の対象になった存在は堕落することになる。具体的な例をあげるなら連続殺人犯の行いを許し愛するなど、ヒキニートを外に出すことなく、その状態を維持するなどといったものだろうか。
カーマの愛として特徴的なのは愛したことにより堕落したのではなく、堕落させるために人間を愛する。その他に特徴的な点として、第三者を愛することをさせない共依存のような関係にさせるのである。
角のデザインは、後光や王冠を彷彿とさせるもの。

  • 固有スキル

・万欲応体
あらゆる人間の煩悩や欲望に応じるため、あらゆる望みや欲を満たすように変化自在の対応力を見せる。個々人を愛し、万人が受け入れられない欲望であったとしても許容し、寄り添い、甘やかせて堕落させる。

・メガデザイヤ
煩悩の化身であるカーマが持つ、抗いがたい耽溺スキル。あらゆる人間の煩悩を無限に等しい愛を以て叶えさせることは、煩悩を消失させるものに等しい。三毒五蓋のない状況は人間の思考停止にも等しい。


ビーストW キャスパリーグ(プライミッツ・マーダー)
比較の理を持つ、人類の絶対的な殺害権利を持つ獣。
人間の妬みや闘争心を糧に成長し、相手よりも強くなる特徴を持っている。人類の殺害速度はORTと匹敵する脅威の獣である。本来の姿は大型の犬のような見た目をしており、アルトリアいわく「どこか既視感がある」とのこと。
ちなみにアーサー王伝説では、アーサーもしくはケイ卿により盾によって倒されたとある。
FGO内での活躍は初期から登場し、基本的に「フォウ」としか鳴かないが人語の入り混じった発言をしている。マーリンの使い魔であったが幽閉塔から突き落とされた。その後、カルデア施設内でマシュに拾われ呼び名を与えられ、主人公との特異点修復の旅路の中で善性に触れることにより、時間神殿ソロモンでマシュを救い、キャスパリーグは理性を失った。1.5部では「フォウフォウ」としか鳴かない状態になっていたが、二部では徐々に理性を取り戻しているような様子が度々散見される。
プライミッツ・マーダーにおける立場では、死徒二十七祖の中に加えられているが、吸血種でないのにも関わらず死徒の一員として数えられているのは、『月姫』の登場人物である、真祖アルクェイドの吸血鬼行為を真似していたため、死徒の仲間入りをしたものだと思われる。
角のデザインは、ウサギのような耳の形をした青いもの。
FGO内ではサーヴァントの能力(体力・力)を向上させるアイテムとして、重宝されている。


・ビーストX
未登場。


・ビーストY
プロトアーサーがLの瘴気と、Rの残り香を追跡して、カルデアに到着した。沙条愛歌がプロトアーサーに恋をし、ブリテン復刻のためビーストを召喚したものの、願いが間違いであることを悟ったアーサーの手により沙条愛歌は殺され、大聖杯にくべられたものの、ビーストのマスターとして復活している。
ネガメサイヤなるスキルを持っているが、詳細不明。


・ビーストZ 
終局を告げる獣。
ギルガメッシュの口から「ビーストZはすでに顕現済み」であると不穏な発言がなされているが、その他に情報が開示されていない。
が、オリュンポスの最終局で「愛玩」の理を持つビースト共に登場した。

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