2022年12月12日
団地での新聞配達 2
素早く404の前に行き郵便受けに新聞を入れようとするが郵便受けに何か郵便物が詰まっている!
たまにこういうことがあるんだな。
こういう場合は、一度郵便物を取り出して新聞を束にして入れるか、郵便物を避けて新聞を入れ込むしかない。
新聞を中途半端に出した状態で入れると以前に、確かに入れたはずなのに配られていないということがあった。
新聞屋の人に
「よその新聞屋が評判を落とすために縫い手いくというからちゃんと入れ込め!バッキャロー」
と大目玉を喰らったことがあった。
その時は
「チックショー!」
って抜いた奴を怨んだね。
それ以来俺はよその配達員を敵視するようになった。
たまに出くわして挨拶されても無視してたし、睨み付けて呪ってやったりもしたぞ。
だから奴の恐怖もあるが新聞をちゃんと入れ込まないといけないという義務感もあった。
奴はいよいよ402のドアの前まで来ているし焦る。
もうでもでいい。
無理やり新聞をねじ込み入れてやった。
郵便物がくしゃくしゃになったのが分かったが、それどころじゃないよ!
一目散に、ガクガクになった足で、6号室の階段に逃げた。
階段を4,5段抜きで飛び降りるように1階まで降り、自転車の所まで走った。
まだ、302と401を配っていない。
明るくなって、あとから入れにいけばいいんだが、その時はそんなこと思いつかなかった。
くそーーどおしよー。
1号室目の階段から上がることにした。
逃げの態勢を作りながら、ゆっくり階段を上がって行く。
さっきと同じように、踊り場に着いたところで怪談を見上げてみる…
「よし!いないな!」
また逃げの姿勢で、ゆっくり上がり3階に着いた。
3階の通路を確認…………いない。
ついでに4階への階段を覗きこむ……
…いない!
「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
安堵の鼻息を出して忍び足で302の前に行き、郵便受けに新聞を入れ、また警戒しながら、1号室側から4階までのぼった。
4階に着き、そっと通路をのぞくと向こうの方で立っているのが見えた。
「あれは404の部屋の前だ!」
ドアの方を向いて立っていた。
401のドアはすぐそこだが、奴が怖くて階段の陰に隠れて様子を見てた。
すると、くるっとこっちを向いた。
いや?向こうを向いたのか?
暗いからよく分からない。
だが片手に買い物袋のようなものを持ってる!
そしてまた珍妙な歩き方を始めた。
どうやら向こうへ6号室の階段のほうへ行っているようだ。
奴が通路から見えなくなるのを待って、401の郵便受けに新聞を入れた。
「ふーやっと配り終えた…」
階段を降りようとしたけど奴のことだから、いきなり下から上がって来るかもしれない。
そう思うと怖くなり、また階段を飛び降りるようにして降りた。
奴がやって来てもいいように、とび蹴り喰らわすつもりで、タンッ、タンッ、タンっ、アチョー!っと一回飛び降りる度に足の裏が痛いw
3階の踊り場、3階、2階の踊り場と飛び降りて、2階の階段から、1階の階段に降りようと通路のほう(建物の内側)を剥いたときだった!!
201のドアの前に、奴が立っていたのだ!!!
「フオアッ!!」
びっくりして叫び声を出しながら急いでそのまま階段を駆け降りようとしたらバランスを崩してコケそうになった。
踊り場の壁に手を突いたからコケはしなかったが。
そして、そのまま1階まで駆け戻り、すぐさま自転車に乗り、街灯のあるところまで漕ぎ出したところで遠くから柳沢慎吾…いや…救急車両のサイレンの音が聞こえてきた?
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