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2022年10月04日

10の14乗分の1



10の14乗分の1とは洒落怖のひとつである。


【内容】



人間って、壁をすり抜けたりする事ができるの知ってました?
10の14乗分の1くらいの確率で。
なんか、細胞を形成している素粒子に、透過性があるかららしいんだけど。

たまたまこないだテレビで見て知ったんだけど、それを見てもう15年くらい前の出来事を思い出してしまって、あの時の減少はそういう事だったのかな…と思って書いてみる事にしました。

俺は珍走団って訳じゃないけど、バイクが大好きで、仲間とつるんで土曜の夜に走るのが好きだったんだけど、同時に心霊スポットも大好きだったんです。

ある土曜日に、有名なトンネルに仲間と行ってみた。
そこは入り口付近に桜の木があって、こう書いてある。

『コノキニノボリシモノノロイアリ』

この木に登りし者呪い有り、という意味で、おそらく近所の人が、たむろする若者を迷惑に思って刻んだのだろうと推測できるのだけど、ほとんどの奴は怖くて登らない。
そんな中一人だけ、上半身裸で木に登って、上着を振り回している奴がいた。
そいつが今回の話の主人公、ヨッシーって奴なんだ。

ヨッシーは時代遅れの改造バイクに乗って、シンナーを吸引しているような痛い奴で、仲間内では浮いているほうだった。
みんなヨッシーを無視して、トンネルの写真を撮ったりしていた。
携帯とか無くてインスタントカメラで撮っていたんだけど、撮影者がおかしな事を言い出した。

「あれ?フィルムが巻けない」

3枚くらい撮った後、カメラが壊れたらしい。

「おいおい心霊現象かよ?」

みんなが騒ぎだした時、ドサッ!
暗闇で音がした。

「いててて…」

なんとヨッシーが桜の木から落ちてた。
みんなは爆笑して場が和んで、その場はうむやむになって帰宅した。


一週間後、カメラの持主が厄介な問題を持ち込んできた。
3枚撮れたトンネルの写真を現像したら、とんでもないモノが写ったと言う。
とりあえず家に呼んで見せてもらったら、焦った。
トンネルの地面に、無数の頭蓋骨が写っていたから。
そのトンネルは朝鮮人労働者が何人も死んだという噂があって、出口から差し込む光が2つ写るといって『GORO』という雑誌に掲載されてから、一躍有名になったトンネルなんだけど、頭蓋骨の山が写った話は聞いた事がない。
数千はあろうかという頭蓋骨を見て怯えているところに、我が家の電話が鳴った。

『事故った!迎えに来てくれないか?』

偶然にも、一緒にトンネルに行った奴から。
迎えに行く準備をしていると、又電話が鳴った。

『ごめん、迎えに来て!事故ってバイクが駄目になった』

またまたトンネルに行った奴から。
するともう一度、『バイクが動かない』。
なんと、3人もトンネルに行った奴から電話が。

この時はまだ恐ろしいとは思っていないから、仕方なく全員迎えに行く事にしたんだけど、最初の電話があった奴の所に向かう途中に、今度は俺が事故った。
前の日に交換したクラッチワイヤーが切れたんだ。
ちょっと不吉なモノを感じた。

で、改めて家に集合したら、事故った奴らは皆とても不自然な事故だったと言う。
頭蓋骨の写真を見せたら全員怯えてた。
一人が言った。

「おい、事故は偶然じゃないよ!ぜってぇ祟りだよ!〇〇のババアに見てもらおうぜ!」

〇〇のババアとは、当時有名な霊能者と言われていた人で、お寺に住んでいて、なんと悩み事を言わないのに答えだけくれるという噂の人だった。
見料は5千円。
ま、不気味な写真を処分してもらうだけでもいいかと、代表者3人でババアの所に行ってみる事にした。
ババアの住む寺は田舎だったけど、人だかりがあってすぐに分かった。
二時間位待ってようやく寺の中に入れたんだけど、ババアの部屋は相談者であふれている。
驚いた事に、ババアは人が沢山いるのに相談に答えていた。
でも、相談者は何も語っていない。
何も語っていないのに、相談者の関係者の名前を言ったりしている。
どうやら、離婚の縁切り相談なんかもやっているようだった。
周りの人は名前は聞こえるが、イマイチ内容は理解できず、プライバシーは守られている。
このババア…本物か?そう思った時、ババアがこちらを向いて舌打ちをした。

「この野郎ども!厄介なモノ持ってきやがって!肝試しなんかやるもんじゃないよ」

アシスタント誰一人いない。アポも取っていない。俺は何も喋っていない。
だのにババアは、すべてを見抜いたような口振りだった。

「いいか、よく聞けよ。今から札書いてやる。それを持って、肝試しに行った8人全員で川に行って、ドクロと札を一緒に流せ!絶対後ろ振り向くなよ!分かったか?五千円置いてとっとと帰れ!」

ババアは、チラシの裏に妙な梵字みたいなのを書いてよこした。
俺達は狐につつまれたようにキョトンとしたまま五千円を置いて、一言も喋らないまま寺を出た。


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