2022年08月11日
リアル
リアルとは、やってはいけない行動を取ってしまった人間の恐怖体験である。
最後の方が非常に創作臭い。
【内容】
何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。
もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。
俺の場合は大2年半位。
一応、断っておくけど五体満足だし人並みに生活できてる。
ただ、残念ながら終わったかどうかって点は定かじゃない。
まずは始まりから書くことにする。
当時俺は23才。社会人一年目って事で新しい生活を過ごすのに精一杯な頃だな。会社が小さかったから当然同期も少ない、必然的に仲が良くなる。
その同期に東北出身の〇〇って奴がいて、こいつがまた色んな事を知ってたりやけに知り合いが多かったりした訳。
で、よくあれをしたら××がなるとか△△が来るとかって話あるじゃない?
あれ系の話はほとんどどガセだと思うけど、幾つかは本当にそうなってもおかしくないのがあるらしいよ。
そいつが言うには何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないかって。
俺の時は、まぁ悪ふざけが原因だろうな。
当時は車を買ってすぐだったし、一人暮らし始めて間もないし、何よりバイトとは比べ物にならない給料が入るんで週末は遊び呆けてた。
8月の頭に、難破して仲良くなった子達と〇〇、そして俺の計4人で所謂心霊スポットなる場所に肝試しに行ったわけさ。
その場は確かに怖かったし、寒気もしたし何かいるような気がしたりとかあったけども、特に何も起こらず、まぁスリルを満喫して帰った訳だ。
3日後だった。
当時の会社は上司が帰るまでは新人は帰れないって暗黙のルールがあって、毎日遅くなってた。
疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、部屋の入口にある姿見の前で、「してはいけないこと」をやったんだ。
試そうかと考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。
少し細かな説明をする。
当時の俺の部屋は駅から徒歩15分、八畳1R、玄関から入ると細い廊下がありその先に八畳分の部屋がある。姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いてあった。
俺が〇〇から聞いていたのは、鏡の前で△をしたたま右を見ると●が来るとかいう話だった。
体勢的にはちょっとお辞儀をしているような恰好になる。
「来るわけねぇよな」なんて呟きながら、お辞儀のまま右向いた時だった。
部屋の真ん中辺りに何かいた。
見た目は明らかに異常。
多分160センチ位だったと思う。髪はバッサバッサで腰まであって、簾みたに顔にかかってた。っつーか顔にはお札みたいなものが何枚も貼ってあって見えなかった。
なんて呼ぶのか分からないけど、亡くなった人に着せる白い和服を着て、小さなふり幅で左右に揺れていた。
俺はと言うと…、固まった。声も出なかったし一切体は動かなかったけど、頭の中では物凄い回転数で起きていることを理解しようとしてたと思う。
想像して欲しい。
狭い1Rに、音もない部屋の真ん中辺りに何かいるって状態を。
頭の中では原因は解りきっているのに起きている事象を理解出来ないって混乱が渦を巻いている。
とにかく異常だぞ?
灯りをつけてたけど、逆にそれが怖いんだ。いきなり出て来たそいつが見えるから。そいちの周りだけ青みがかかって見えた。
時間が止まったと錯覚するぐらい静かだったな。
とりあえず俺が出した結論は「部屋から出る」だった。足元にある鞄を、何故かゆっくりと、慎重に手に取った。
そいつから目が離せなかった。目を離したらヤバいと思った。
後退りをしながら廊下の半分(普通に歩いたら三歩くらいなのに、かなり時間がかかった)を過ぎた辺りでそいつが体を左右に振る動きが少しずつ大きくなり始めた。
と同時に何か呻き声みたいなのを出し始めた。
そこから先は、実はあんまり覚えてない。
気が付くと、駅前のコンビニに入ってた。
兎にも角にも、人のいるコンビニに着いて安心した。ただ頭の中は相変わらず混乱してて「何だよアレ」って怒りにも似た気持ちと「鍵閉め忘れた」って変なとこだけ冷静な自分がいた。
結局その日は部屋に戻る勇気は無くて一晩中ファミレスで朝を待った。
空が白み始めた頃、恐る恐る部屋のドアを開けた。良かった消えてた。
部屋に入る前に、もっかい外に出て缶コーヒーを飲みながら一服した。
実は何もいなかったんじゃないかって思い始めてた。本当にあんな有り得ないしね。
明るくなったってのと、もういないってので少し余裕出来たんだろうね。さっきよりはやや大胆に部屋に入った。
「よし、いない」何て思いながら、カーテンが閉まってるせいで薄暗い部屋の電気を点けた。
昨晩の出来事を裏付ける光景が目に入ってきた。
昨日、アイツがいた辺りの床に物凄く臭いを放つ泥(多分ヘドロだと思う)が、そても足跡ってレベルを超えた量で残ってた。
起きた事を事実と再認識するまで、時間はかからなまった。
ハッと気付いてますますおあにっくになったんだけど、俺、電気消してねーよ…ははっ・
スイッチ押した左手見たらこっちにも泥がついてんの。
しばらくどんよりした気持ちから抜けられなかったが、出ちまったもんは仕方ねーと思えて来た。
まぁここら辺が俺がAB型である典型的なとこなんだけど、そんな状態にありながら泥を掃除してシャワーを浴びて出社した。
臭いが消えてなくてむかついたし、こっちはこっちで大問題だから会社を休むことも一大事だったからね。
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