アフィリエイト広告を利用しています
写真ギャラリー
検索

広告

posted by fanblog

2022年06月03日

危険な好奇心28



『さて、とりあえず一件落着したし、俺帰るわ!』
『おぅ!また暇な時来てや!』

と言葉を交わし、俺は病室を出て家路に着いた。
家に帰る途中。俺は慎の事を思い出した。
アイツにもこの事を伝えてやろうと。
アイツも今回の話を聞かせてやれば、きっと『あの日のトラウマ』が無くなるのでは無いか、と。
家に帰り早速、慎と同じサッカー部だった奴に電話をかけ、慎の電話番号を聞いた。
そして慎の携帯に電話を掛けた。

『おう!ひさしぶり!』

なつかしい慎の声。
俺はしばし慎と、最近どうよ?的な話をした後、淳が事故って入院したこと、その病院に『中年女』が、清掃員として働いていること、中年女が昔と別人のように心を入れ替えている事を話した。
慎は『中年女』が謝罪してきたことに対し、たいそう驚いていた。
そして最後に慎は

『淳が退院したら三人を快気祝いをしよう』

と、言った。
もちろん俺は賛成し、淳の退院のメドが着き次第連絡する。と伝えた。
その翌日、俺はB票院に行き淳に『慎がおまえの退院が決まり次第、こっちに帰って来て快気祝いしようってよ!』と伝えた。
淳はたいそう喜んでいた。

それから一週間程、病院に見舞いには行っていなかった。
別に理由は無いが、新学期も始まり、なかなか行く時間が無かったというのもある。
それに『中年女』が更生(?)しているようだったので、失敗も、以前ほどしていなかった。何かあれば淳から電話があるだろうと思っていた。

そんなある日、淳から電話が掛かってきた。
内容は『来週退院する!』との事だった。
俺は『良かったな!』と祝福の言葉と共に、『中年女』の動向を聞いたが、『普通にゴミ回収の仕事をしている。特に何もない。』との事だった。

そして、更に一週間が経ち、淳は退院した。
俺は学校帰りに淳の家に立ち寄った。
チャイムを押すと、松葉杖をつきながら淳が出てきた。

『おぅ!上がれよ!』

足にはギプスをはめたままだったが、すっかり元気そうだった。淳の部屋でしばし雑談をした。
夕方になり俺は帰宅し、夕飯を喰った後、慎に電話をした。

『淳、退院したぜ!』
『まぢ!そっか、じゃあ快気祝いしなくちゃな!すぎにでも行きたいけど部活が忙しいから月末頃そっち行くよ!』

との事だった。

そして月末の土曜日。
俺、慎、淳。。。
小学校以来、久しぶりの三人での再会だった。
昼に駅前のマクドで落ち合った。
久しぶりに会った慎は冬なのに浅黒く日焼けし、少しギャル男気味だった。

まぁ、それはさておき、夕方まで色々と語った。
それぞれの高校の話。
恋の話。
昔の思い出話。。。
もちろん『中年女』の話題も出てきた。
あの時それぞれが何よりも怖ろしく感じていた『中年女』も、居間となればゴミ回収のおばさん。
病院での出来事を俺と淳がまことに詳しく話してやると、慎は

『あの頃と違って、今ならアイツが襲って来てもブッ飛ばせるしな!』

と笑いとばした。
もう俺達にとって『中年女』は過去の人物、遠い昔話で、トラウマでも無くなっていた。

夕方になり、俺達はカラオケBOXに行った。
久しぶりの『三人』での再会と言うこともあり、俺達は再会を祝して『酒』を注文した。
まぁ酒と言っても酎ハイだが。。。
当時の俺達は充分に酔えた。各々、4.5杯ぐらい飲み、皆ほろ酔いだった。
いい気分で歌を歌い、かなりHIGHテンションだった。
そして二時間が経ち、歌にも開き出した時、慎がある提案をした。

『よーし、今から秘密基地に行くぞ!あの時、見捨てちまったハッピーとタッチの供養をしに行くぞ!』と。


危険な好奇心29へ
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11199407
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
<< 2024年06月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。