アフィリエイト広告を利用しています
写真ギャラリー
検索

広告

posted by fanblog

2022年06月11日

危険な好奇心26


俺は『この女』の発言の意味が判らなかった。
何なんだ?
俺をコケにしているのか?
恐怖に引きつる俺を馬鹿にしているのか?
何なんだ?
俺の反応を楽しんでいるのか?

俺が黙っていると

『お友達も大きくなったねぇ、、、淳くん。。可哀想に骨折してるけど。。。お兄ちゃんも気付けなあかんよ!』

と言ってきた。
もう、意味が全く解らなかった。数年前、俺達に何をしたのか忘れているのか?俺達に『恐怖のトラウマ』を植え付けた本人の言葉とは思えない。
『女』は尚もニヤニヤしながら

『もう一人いた‥あの子、元気か?色黒の子いたやん?』

!!慎の事だ!
何なんだコイツは!
まるで久しぶりに出会った旧友のように。。
普通じゃない。。わざとなのか。。?
何か目的があってこんな態度を取っているのか?
俺は『中年女』から目を逸らさず、その動向に注意を払った。

【こいつ、何言っているのか解っているのか?】

『あの時はごめんね…許してくれる?』

と中年女は言いながら俺に近づいてくる。
俺は返す言葉が見つからず、ただ無言で少し後退りした。

『ほんまやったら‥もっと早くあやまらなあかんかってけど‥』

俺は耳を疑った。
こいつ、本気で謝罪しているのか。。?それとも何か企んでいるのか・。。?
ついに『中年女』は手を伸ばせば届く範囲にまで近づいてきた。

『三人にキチンと謝るつもりやったんやで‥ほんまやで。。。』

と言いながら、ますます近づいてくる!
もう息がかかる程の距離にまで近づいた。
『あの時』とは違い、俺の方が20センチ程高く、体格的にも勿論勝っている。
俺は『中年女』に指一本でも触れられたら、ブッ飛ばしてやる!と考えていた。
『中年女』は俺を見上げるような形で、俺の目を凝視してくる。
しかし、その目から『怨み』『憎しみ』『怒り』などは感じられない。真っ直ぐに俺の目だけを見てくる。

『あの時はどうかしててねぇ、酷い事したねぇー。。』

と『中年女』は謝罪の言葉を並べる。
俺はもう、その場の『緊張感』に耐えられず、ついに走りだし、その場を去った。
走ってる途中、『もし追い掛けられたら…』と後ろを振り向いたが『中年女』の姿は無く、或る意味拍子抜けた。
走るのを止め、立ち止まり、考えた。
さっきのは本当に本心から謝っていたのか?
俺は中年女を信じることが出来なかった。疑う事しか出来なかった。まぁ、『あの事件』の事があるから当たり前だが。

俺は小走りで先程の場所近くに戻ってみた。
そこには再びゴム手袋をはめ、大量のゴミの分別をする『中年女』の姿があった。

こいつ、本当に改心したのか?

必死に作業する姿を見ると、昔の『中年女』とは思えない。
とりあえず、その日はそのまま帰宅した。


危険な好奇心27へ
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11199287
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
<< 2024年06月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。