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2022年05月25日

危険な好奇心21


警官『自宅前でパトロールしてると玄関に人影が見えまして、あの女なんですけど、、しゃがみ込んでライターで火を点けていたんですよ。玄関先に古新聞置いてますよね?』
母『いえ、置いてないですけど・・・?』
警官『じゃあこれも【あの女】が用意したんですかねー?』

と指差した。
そこには新聞の束があった。確かにうちがちっている新聞社の物では無かった。
警察が『ん?』
と何かに気付き、新聞紙の束の中から何かを取り出した。
【木の板】
それには《〇〇〇焼死祈願》と俺のフルネームが彫られていた。
俺は全身に鳥肌が立った。やはり俺の名前を調べ上げていたんだ。
もし警察がパトロールしてなかったら‥と、少し気が遠くなった。
母は泣きだし、俺を抱き締めて頭を撫で回してきった。
警察はしばらく黙っていたが

『実は、あの女、、、少し精神的に病んでまして。。。〇〇町にすんでいるんですけど、結構苦情、、、まぁ、同情の声というのもあるんですがねぇ…』

と、中年女の事を語りだした。

警官『あの女、二年前に王痛事故で主人と息子を亡くしまして。。。それ以来、情緒不安定と精神分裂症というか。。まぁ近所との揉め事なども出てきだしましてね。山で発見された【少女の写真】であの女の特定は出来ていたんですよ。二年前の交通事故…あの少女が道路に飛び出したのをハンドルをきって壁に衝突して主人と息子が亡くなったんですよ。。。飛び出した少女は無傷で助かったんですが…以来、あの少女の家にも散々嫌がらせをしているんですよ。ただ事故が事故なだけに少女の家からは被害届はでていないんですが。。。あの少女を相当怨んでいるんでしょうね。。。』

と。
俺はその話を聞き、同情などは一切出来なかった。
むしろ【中年女】の執念深さがヒシヒシ、と伝わってきた。
何よりも警官も認める『情緒不安定・精神分裂症』
これでは、すぐ釈放になるのではないか?
その後、又『中年女』の存在に怯え生きていかなければならないのか?
警察の話を聞き、『安堵感』よりも『絶望感』が心に広がった。


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