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2022年04月12日

アガリビト



アガリビトとは山に生息する元人間と思わしき生命体のことである。
種類を大雑把に区分するならば、くねくねや山姥に近いものであり、ヒトとして開放されてはいけない部分が解放された人である。
後半、かなり創作臭がする話でもある。


【内容】



山は怖い。
何が怖いって幽霊とか動物とか天候とか色々あるけど、一番怖いのは人間。
お前ら山とかいって開放的になるだろ?すがすがしいな〜ってなるだろ?
あれは一種のボーダーラインを越えそうになってるから。
町とか村とか人間が作った物に守られ続けてる人間ほど開放的になりやすい。
それってつまりタガが外れるってことだろ?
どんなにすがすがしくても、町のど真ん中で背伸びしたりすがすがしいなんて思わないだろ?
ゴミとか落ちてる山とかはまだいい。人工物があればなんとか留まれる。
でも100%の自然はダメだ。狂うってか戻っちゃう、動物に。
野外でHとかする人はまさにそれ、当てられちゃってんの山とか森の雰囲気に。


遭難とかしちゃうと最悪、無意識に「助けが来ないかも、死ぬかも」って思う。
それは動物として当たり前の事なんだけど、人間としては戻れなくなる。
コカコーラの炭酸が徐々に抜けていくみたいに、常識とかモラルがどんどん抜けてく。
そこで死んじゃうのはまだいい。
生き延びると、もうひどい。
だからお前らがもしも万が一人間の手が入っていない山で、真っ裸の人間を見たら逃げた方がいい。
俺のばあちゃんとかは「アガリビト」って呼んでた。
ばあちゃんの住んでるとこでは神様なんだそうだ。
だから未解決事件の行方不明になった人とかって、そういう人も中にはいるんじゃないのかなとふと思った。


ばあちゃん曰くむしろ自殺とかしちゃう都会の人間の方が狂ってると言ってた。
確かに俺が見たのが、あうあうあーな感じではなくもっと穏やかな感じ。
ちょっと嫌な言い方だけど電車とかで騒いでいるような人みたいなのじゃない。
多分人間の世界から自然の世界への以降みたいなのが重要なんかないかな。
田しかゴータマッシタールダさんとかも王子だったけど野生の王国に身を落として悟りを開いたって言うじゃない、ばあちゃんが言う「アガリビト」ってのはそんなイメージじゃないかな。


俺もけっこう興味があって調べたんだけどね、ぜんぜんダメ。
ヤフーの知恵袋とかで質問したことあるんだけどなぜか消えちゃうのさ。
つーかばあちゃんばあちゃん言ってて申し訳ないんだがばあちゃんはその単語を、口に出す事もけっこうためらってる感じだった。
多分俺がココでこんな事書いてるって知ったらめちゃくちゃ怒られる(笑)


スレチだったらもうしわけないんだが書くわ、少し長文になるけど勘弁してくれ。
正直俺も秘密を秘密にしておくのは辛い、正直喋りたくて仕方ない。うん。
まぁ特定されない程度に書くけどばあちゃんは九州の人間で「古賀」って苗字なんだけど、その地方ではやたらと「古賀」って苗字が多いい場所とだけ書いておく。
なんかその地方のけっこうルーツにまつわる話で「古賀」の他にも「新賀」ってのもあったような……気がするんだけど忘れた、中学のときの話だから勘弁してほしい。


んで遡ること中学のときなんだけど近所の渓流で俺は当時はやってたルアーフィッシングをやってたのさ。
ばあちゃんの家に遊びに行ってるときなんて釣りくらいしかやることないから流石に飽きてきた俺は、お気に入りのスケルトンGをおもいっきり投げたら向こう岸の林にまで飛んでっちゃってそれを取りに岩を渡って取りに行ったのさ。
今考えればその川がばあちゃんの言ってた「境界線」だったんだと思う。


んで向こう岸までついてスケルトンGを探したんだけど見つからない。
向こう岸の竿から糸をたどっていけばすぐ見つかりそうなんだけど不思議となかなか見つからないのね。
当時小遣いが月1000円だったから2000円のルアーはおれにとっては宝物だったから1時間くらい森の中をウロウロしてたと思う。
河からあんまり離れると遭難するから川の音が聞こえる程度のとこをさがしてたんだけれどみつからない。
すると後ろからパキパキって枝の折れる音がした。
なぜか熊とあの野生動物とじゃないかとか不安には思わなかった。
むしろなぜかってそこにいないはずの十ちゃんとかばあちゃんが、俺を捜しにきてくれたのかな?ってふと思ったのが不思議。そんなはず絶対ないのに。
んで振り向いたら人が立ってた。全裸の。


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