2022年04月13日
アガリビト2
普通びっくりすると思うけど超田舎だったから皮を真っ裸で泳ぐ人ってのは近所じゃ珍しくなかったのね。
んで俺は「あ、こんにちは」って言ったの。そしたらその人はにっこりわらってこっちを見てるから、悪い人じゃないなって思った。
一緒に探してくれるのかなって思って「ルアーがどこかにいってしまって」と言ったら「ンー」と言いながら近づいてきた。
俺は周りをキョロキョロしながら歩いてたんだけど、その人は俺の周りを「ンー」って言いながらグルグル歩き始めた。
今思い出したら、アシモみたいな歩き方だった。
んでその人が「ンー」とか言いながら岩をふっとどかしたのね。
岩の下を覗き込むようにしながら岩を大切そうに持ち上げたの。
俺は「いやいや、そんなとこにはないですよ(笑)」って突っ込んだら、その人は「ンンー」って言いながらニコニコ笑って俺に岩を投げた。
頭の横スレスレを横切った岩の意味を理解するのに2秒くらいかかった。
その人の顔を見ると目にぜんぜん覇気がないって言うかギラギラとした目で、すごく怖かった、まさにこんな感じ→<●><●>
俺が身構えるとその人は「ギャー」みたいな感じでわけのわからない奇声を出した。
そしたら周りから声が聞こえた。「ンー」「ンー」って沢山。
わぁああああってなった。
いつの間にか裸の人が沢山こっちにあつまってくるような音がした。
ペキペキペキって枝を折るような音が沢山周りから聞こえた。
逃げ回ってどっちから自分が来たのか全然わかんなくなった。
怖くなってガタガタ震えてたら遠くでキラキラ光るものを見つけた。
俺のスケルトンGだった。
俺はルアーの糸をたぐって川までたどり着き、びしょびしょになりながら家に帰った。
今思い出すと胃の辺りがむかむかする。
んでばあちゃんに事のあらましを話したら「坊、それはアガリビトだっちゃ」と教えてくれた。
すまん方言は適当、でもだいたいこんな感じ。
アガリビトは、イノシシが山を下りて豚になって人間に食われるようになったみたいに人間が山を「上がって」自然に帰った姿なんだそうだ。
でも生まれつき自然と一緒の動物と違って、人間の知恵と自然の力を持つようになった。
つまり人から1ランク上がった存在だから神様みたいなものなんだ、と教えてくれた。
その地方の人たちはアガリビトを本気で進行してる人もいるから、もう行っちゃダメだと言われた。
普通アガリビトは山奥のほうに住んでるもんなんだけど、まだ中途半端ないわゆる「半アガリビト」状態の人は、境界線の周りをウロウロすることもあるらしい。
「中途半端なアガリさんでよかったねー本物をみると怖いから」とばあちゃんは俺に教えてくれた。
どうなるの?って聞いたら「あがっちゃう」とだけばあちゃんは簡潔に言った。
そこからは村のルーツとか起源の話だったから退屈で聞いてなかったけど、今思うと惜しい事をしたと思う。
この話を書きながら中学の時の事を思い出すと、今でも後ろから枝を折るようなペキペキって音と「ンー」が聞こえてくるみたいで、ぞわっとする。
なんか明け方のテンションにまかせた支離滅裂な文ですまんかった。
俺も久しぶりにばあちゃんに電話してみる。
っつーか俺今日から出張で(笑)九州行くんだ(笑)2日くらい。
だからもしかしてばあちゃんと直接話せるかもしれないし俺なりにリサーチしてみる。
もしもまた来れたらこの垢で続き書くから待っててくれ。
それと聞いてくれた人ありがとう。
あんまりはなしちゃいけないとか言われたけどアレだ、なんかの被害者みたいな人たちかもって俺は個人的に思ってる。部落的な?
まぁ山は怖いです。
仕事行ってくる。
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