2021年12月13日
寝る子は育つ(銀魂) 2
まるで妊婦の如く全ての飯を食らい尽くしてしまった神楽であるが、また運動すれば眠くなるのではないかと思いフルマラソンを開始しようとするも、負のループを止める銀時である。
そこで妥協策として出されたのは、音を小さめにした深夜ラジオで流れて来た内容は……。
最初のお便り紹介します
ラジオネーム トムさんからのお便りですね
「ごめんね ジェリー」
ラジオネーム トムさんからのお便りですね
「ごめんね ジェリー」
私に初めて友達ができたのは忘れもしない十年前の秋
引っ込み思案でいつもポツンと遊んでいた私を気遣い
父が連れて来た友達
それがジェリーだった
私とジェリーはいつも一緒
どこへくにも一緒
何をするにも一緒
まるで本当の友達のようだった
色んな芸を教えた
ジェリー十八番は「待て」
どんな御馳走を前にしても私が一度待てと言えば
ジェリーはまいつまでも待っていた
ジェリー以外に友達なんていらない
当時そんなことを思ってた私だったが
そんな思いとは裏腹にジェリーに興味を持った子供達が
私の周りには増え続け いつの間にかジェリー以外にも友達が沢山できていた
それから
私の興味がジェリーから他にうつるのにそう時間はかからなかった
引っ込み思案でいつもポツンと遊んでいた私を気遣い
父が連れて来た友達
それがジェリーだった
私とジェリーはいつも一緒
どこへくにも一緒
何をするにも一緒
まるで本当の友達のようだった
色んな芸を教えた
ジェリー十八番は「待て」
どんな御馳走を前にしても私が一度待てと言えば
ジェリーはまいつまでも待っていた
ジェリー以外に友達なんていらない
当時そんなことを思ってた私だったが
そんな思いとは裏腹にジェリーに興味を持った子供達が
私の周りには増え続け いつの間にかジェリー以外にも友達が沢山できていた
それから
私の興味がジェリーから他にうつるのにそう時間はかからなかった
以前のように私と一緒に遊びたがるジェリー
そんな時 彼の十八番が役に立った
私はジェリーに一言
「待て」
ジェリーはいつも私が帰って来るまでそこで待っていた
一歩も動かず
ただじっと動かず私の帰りを待っていた
そんな時 彼の十八番が役に立った
私はジェリーに一言
「待て」
ジェリーはいつも私が帰って来るまでそこで待っていた
一歩も動かず
ただじっと動かず私の帰りを待っていた
そんな折 父の店が倒産し
裕福だった私の家は一気に没落
私達は借金にとり追われ着の身着のまま夜逃げするハメになった
自分達の生活もままならないような状況の中
まっ先に切り捨てるべき対象は 子供の私にも理解できた
自分の運命を察したのか
手足がちぎれんばかりに追いすがるジェリーに
私はいつもの一言を冷徹に浴びさせた
「待て」
私は一度も振り返ることなく ジェリーの前を去った
裕福だった私の家は一気に没落
私達は借金にとり追われ着の身着のまま夜逃げするハメになった
自分達の生活もままならないような状況の中
まっ先に切り捨てるべき対象は 子供の私にも理解できた
自分の運命を察したのか
手足がちぎれんばかりに追いすがるジェリーに
私はいつもの一言を冷徹に浴びさせた
「待て」
私は一度も振り返ることなく ジェリーの前を去った
それから数か月
私の足はあの場所へと向かっていた
既に遠い街に引っ越していた私であったが
どうしてもジェリーのことが頭から離れなかった
ジェリーならきっと大丈夫
きっと誰かが拾っていてくれてるはず
きっと生きているはず
私は早く安心したかった
私には罪はない事を
私は非道い人間ではないことを
ジェリーの生きている姿を見る事で
それを早く確認したかった
ジェリーは誰のものにも
亡骸にもなっていなかった
ジェリーは いつものようにそこで待っていた
一歩も動かずにただじっと私の帰りを待っていた
「ひどいもんじゃろう
二月程前にそこに捨てられておってのう
親切な人が連れて行こうとしたり
エサやろうとしたり色々しとったんだが
こ奴 どういう訳か頑として一歩も動かなくてな
そのうち 誰も相手にしなくなってしもうた
まさか主人が戻ってくるとでも思って待っておったのかのう
いずれにしても哀れな話じゃ」
そっと手を伸ばし頭をなでると
微かに開いた虚ろな目で私を見る
ジェリーは微かに尻尾を振る素振りを見せると
それきり 動かなくなった
私の足はあの場所へと向かっていた
既に遠い街に引っ越していた私であったが
どうしてもジェリーのことが頭から離れなかった
ジェリーならきっと大丈夫
きっと誰かが拾っていてくれてるはず
きっと生きているはず
私は早く安心したかった
私には罪はない事を
私は非道い人間ではないことを
ジェリーの生きている姿を見る事で
それを早く確認したかった
ジェリーは誰のものにも
亡骸にもなっていなかった
ジェリーは いつものようにそこで待っていた
一歩も動かずにただじっと私の帰りを待っていた
「ひどいもんじゃろう
二月程前にそこに捨てられておってのう
親切な人が連れて行こうとしたり
エサやろうとしたり色々しとったんだが
こ奴 どういう訳か頑として一歩も動かなくてな
そのうち 誰も相手にしなくなってしもうた
まさか主人が戻ってくるとでも思って待っておったのかのう
いずれにしても哀れな話じゃ」
そっと手を伸ばし頭をなでると
微かに開いた虚ろな目で私を見る
ジェリーは微かに尻尾を振る素振りを見せると
それきり 動かなくなった
「お嬢ちゃん
…そうかアンタがこいつの御主人じゃったのか」
「ジェリーはいつもずっと私が帰ってくるのを待っていたのね
あの頃から…
ずっと…ずっと…
ジェリー!!
私はあなたに何て謝ればいい!!
何度謝ればいい!!
あなたは私にたくさんのものをくれた!
独りぼっちの私のさびしさを忘れさせてくれた
世界を広げてくれた
初めての…友達に…なってくれた
なのに…私は…私…はあなたには大切な…友達に何て事を…!!」
「わびることなど…ないさ
こ奴は…ずっとアンタを待っていた
そしてアンタはココに来た
それ以上に何がいる
最後に ぬしに会えてこ奴も幸せだったじゃろう
…そうかアンタがこいつの御主人じゃったのか」
「ジェリーはいつもずっと私が帰ってくるのを待っていたのね
あの頃から…
ずっと…ずっと…
ジェリー!!
私はあなたに何て謝ればいい!!
何度謝ればいい!!
あなたは私にたくさんのものをくれた!
独りぼっちの私のさびしさを忘れさせてくれた
世界を広げてくれた
初めての…友達に…なってくれた
なのに…私は…私…はあなたには大切な…友達に何て事を…!!」
「わびることなど…ないさ
こ奴は…ずっとアンタを待っていた
そしてアンタはココに来た
それ以上に何がいる
最後に ぬしに会えてこ奴も幸せだったじゃろう
「そんなことはない きっと恨んでいるわ!!
だってジェリーを死なせたのは他でもないこの私だもの!!」
「ジェリーは死んではおらん
ちゃんと生きておるよ」
「どこに
どこにいるっていうのよ」
「それは勿論…
お前の…
だってジェリーを死なせたのは他でもないこの私だもの!!」
「ジェリーは死んではおらん
ちゃんと生きておるよ」
「どこに
どこにいるっていうのよ」
「それは勿論…
お前の…
その後「ぎゃあああああああああ!」の悲鳴と共にラジオが銀時の手……というより足によって蹴り飛ばされるのだが、感動的な話からいきなり怪談になりラジオ放送をストップするのだが、神楽はすでに夢の中である。
ようやく眠れると思った銀時は布団の中に潜り込むのだが、ラジオのオチである「お前の後ろにだぁ!」が耳にこびりついてはなれなくなり、神楽の傍へ寄るもとうとう眠れることができず、朝日を迎えるのであった。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10863354
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック