2020年05月12日
魅力的なお兄ちゃん系キャラクター 2
次に紹介するキャラクターは、るろうに剣心の作者である和月伸宏によって、2003年〜2005年に渡ってジャンプで連載された漫画「武装錬金」の登場人物である、蝶人パピヨンこと、蝶野攻爵である。
武装錬金で有名なのは連載打ち切り後アニメ化及びゲームなどメディア展開を遂げた事と、錬金術を世に知らしめたといっても過言ではない鋼の錬金術師のパクリではないかと一部の読者が騒ぎ立てていた点である。
錬金術は、ちょっとしたオカルトマニアなら誰でも知っているもので、深く突っ込んでいけば、四代元素を研究する中、現代の基礎となる化学への発展。賢者の石やカバラ思想における宗教(セフィロトやクリフォトの樹)、ゴーレムやホムンクルスなど、特にアニメやマンガに詳しくない人でも一度は耳にした経験があるのではないだろうか。
少し話がズレたが閑話休題、軌道修正して武装錬金の話に戻ると、その内容はジャンプらしくバリバリのバトルモノである。お世辞ながらにもストーリー及びキャラクターの多くは陳腐かつ既視感にあふれたものであり、全てにおいてかなり好き嫌いが分かれる作品。
今回紹介する蝶人パピヨンもそうであるが、彼が好きか嫌いかで作品を読む読まないかの判断が真っ二つに分かれるほど。個人的に最早、武装錬金はパピヨンのみでアニメ化に成功したのではないかと思えるほどである。私はパピヨン見たさで作品を読んでいたぐらいである。
さて、そんな武装錬金の連載の要であったパピヨンの紹介に移りたいと思う。
舞台は学園モノで、
むしろ、頭脳面では天才といえるほどのものであり、入学試験では全ての教科を満点で合格するレベルであるが、銀成学園高校の偏差値が不明かつ、学園の登場人物が赤点を取るなど、そこまで学力の高い学校ではないことが垣間見える。しかし、攻爵は作中終盤で二度と造れないといわれた物品を、研究データを基にしつつも独自に開発するだけではなく、ゲーム版では新しい元素(パピオニウム)を発見するなど、賢さは本物の様子。
そもそも前提的に、彼の実家は
少ない情報量を基にホムンクルスになる発明した攻爵であるが、その目的は病弱な肉体を捨てることにある。しかしホムンクルスになれば、人外になる存在としてよくありがちな設定であるが、人食いの衝動に襲われる。
それゆえホムンクルスを狩る存在として、ヒロインの津村トキコが学園内にホムンクルスを製造している犯人がいると踏んで、潜入捜査することになるのだが、攻爵の狡猾な立ち回りで見つからなかったが、トキコが犯人は「少なくとも数日間休んでいる」と踏み、職員室に忍び込み出席簿を確認することで、ようやく犯人が割れる。
銀成学園高校は寮制であり攻爵の寮室に行くと、ホムンクルス製造機があった。当然のことながらトキコは、攻爵の懇願を聞き入れず製造機を破壊しようとするが、本命前(自分用)の試験作として、ホムンクルスの幼体を寄生済みである鷲尾に邪魔され、機器の破壊は未遂に終わる。
それから攻爵は、ホムンクルスの幼体の入ったフラスコ片手に家に戻り、倉の中で過ごすも、蝶野家に訪れたカズキと対峙することになるが、二人とも満身創痍の状態なので名を叫び合ったところで両者、吐血。
それから間もなく、攻爵の双子の如くそっくりである次郎が倉に訪れるのだが、兄同様賢いのか、立ち聞きしただけの内容で状況を把握し、フラスコを破壊。黒服に拘束を命じさせて、自ら病身の兄をぶん殴る。
実はこの兄弟の仲は相当折り合いが悪く、攻爵が病気になる前まで弟は不遇の身の上であった。まず名前からして適当に命名され、兄が好待遇であるのに対して普通の学校に通学させる他、攻爵は冷遇される実弟には基本的に無関心であり(でも弟の自由さが少し羨ましかった可能性がある)、恨まれるのは当然だったりする。
フラスコから出た幼体のホムンクルスは、動物や人間に寄生していないと一日待たずして死亡してしまう。特に攻爵が造っていたホムンクルスの幼体は不完全な状態であり、みるみる衰えていくのであるが、攻爵の妄執じみた「来い!」の叫び声に共鳴するかのように、火事場のクソ力を見せて、攻爵に寄生するのであった。
ホムンクルスの幼体は脳に届かない限り完全な寄生できないが、いきなりマッハで額から寄生した幼体ゆえ、攻爵のホムンクルス化は早かった。そして次郎は「BBBBBBB」と進化キャンセルボタン連打したことだろうが、時すでに遅し、あらゆる意味で変態化は終了していたのであった。
演出なのか不明だが、ホムンクルス化したと同時に弾け飛ぶ服。
ブーメランパンツ一丁(蝶のデザイン入り)。
歓喜ゆえかハイテンションで蝶のマスクを装着する攻爵こと、パピヨン。
往来のホムンクルスの例にもれず人食いの衝動に襲われるのだが、ダイソンもびっくりな手の平の孔による吸引力によって、一番最初に実弟を食い、はじめての堪能した人間の味の感想をコーヒーの名言である「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」を元にした食レポをしながら、黒服を捕食していく。
パピヨンは父親の元へ向かっていくのだが、その道中、大量捕食する人物を攻爵ではなく次郎だと認識されていた点であろう。たった数年で自分の存在が掻き消えたシリアスなシーンのはずなのにパンツ一丁と蝶マスクの所為で、泣いていいのか笑っていいのか最早分からないシュールな展開が続いていく。
そして遂に父親の元へたどり着いたパピヨンだが、父曰く、パン一姿が「素敵なルックスだ、次郎」だと賞賛後、黒服同様殺されてしまう。パピヨンの服装(?????)の褒め言葉だが、爆爵も色違いとは言えども、独特のセンスを有した全身タイツを渡していることから、とち狂ったファッションセンスは遺伝的なことが確信できる。
父親殺害後、パピヨンは実の父にさえ「次郎」と認識されていたことに、どこか思うところがあったのか、「自分を受け入れなかった世界を破壊する」ことを定めてしまう。要は人外による大量殺人が決行されるのだが、その前にカズキが現れる。肉体的に蝶☆サイコーなパピヨンであるが、戦闘中、生前抱えていた病魔が彼を襲う。
トキコ曰く「ホムンクルスの幼体を造る際、様々なアクシデント発生し不完全なモノだった」らしく、不死身の身の上でありながら生前の病気を抱えたまま生き続けなくてはいけなくなったなど、因果応報を甘んじることになった。
しかし、この不完全さはホムンクルスとして体力面や運動能力は低いものの、「人食い」をしなくて良いという、人間・ホムンクルスといった二つの存在から離れた第三の存在となる。ホムンクルスの人食いの衝動は公式的な設定としては、「人間に戻りたい願望」の現れであるらしいが、パピヨンの場合、心からホムンクルスになったので、人間に戻りたい未練などないなどの要素が加わっている。むしろ、この意識こそが人食いをしなくて良い要かもしれない。
死闘を繰り広げる中で、病魔により大幅な弱体化で敗北してしまうも、パピヨンを殺す際、謝罪されるも、唯一自分を見てくれた存在に対して、パピヨンがトドメを刺される前に発した言葉は
「謝るなよ、偽善者」
である。
個人的にこのシーンでパピヨンを好きになったのだが、結構突き刺さる言葉だと思う。
身体が霧散し死亡したかと思われたパピヨンであるが、祖先である爆爵により密かに助けられ、培養液みたいなものに浸って、コッソリ復活していた。パピヨン復活がなければ武装錬金は更に早く打ち切りの目にあっていたと思われる。
その後の展開におけるパピヨンは、爆爵と離反し、精神的ダメージは基本といわんばかりの能力によって苦戦するも、既にトラウマや劣等感などホムンクルス化する際に克服した彼は精神世界から自力で抜け出した。精神世界内でマスクを取られた際、「あ〜ん、待って〜」など、随所随所おかしいところがあるがパピヨンだから是非もないよネ。
その後の動向としては、ハイセンスすぎる水着を着用し海辺をざわつかせる、戦闘の桶を股間にぶら下げたまま両腕を腰に当てて闊歩する、「BINBIN」とか言いながら股間ズームインからの奇怪な動き、お嬢様学校では蝶々の妖精さんなど認識されるなど、人間時代では考えられないフレンドリーかつハイテンションっぷりを見せている。自重という言葉がないのか、やたらフリーダム。
ライバルであるカズキがヴィクター化なるホムンクルスとはさらに進化した人外になるなどの展開を迎えた時には失望の感情を隠せなかったが、彼を人間に戻すなどの貢献ぶりを見せている。
漫画のラストでは「蝶☆サイコー」と叫び、自己顕示欲が十二分に満たされたのか、自分を受け入れることのなかった世界を破壊するつもりなどなくなったのか、危険な行動を行うことはなかった。
というか、人殺しは家族と黒服だけにとどまっており、ゲーム版では自分の資産を投資して危険生物が出ないように配慮するなど、良心的な行動をしているだけではなく、ゲーム版の怒涛のネタバレになるが、カズキとトキコの子供を預けられ、男手一人で育てるなど初登場時どころか終盤でさえ考えられなかった驚きの事実が発覚する。
家族仲の折り合いは悪かったが、母にはきちんと財産分与するなど真っ当な行いをしている、変態であるがわりと常識人だったりする。
アニメ版では、EDはパピヨン一色に統一し乗っ取られるだけではなく、
パピヨンに対する愛はアニメ監督とパピヨンの声優であった
なお、ニコ動ではプリキュア5GOGOの六人目としてMAD動画が作られ、回を重ねるごとに違和感が仕事をしなくなる。むしろパピヨンがいないのが不自然なほどであり、完成度はかなり高い。
まとめとして、蝶人パピヨンは単なる敵役からダークヒーローと化したキャラであり、かなり癖と灰汁が強いものの、好きな人は好きなキャラクターである。
魅力的なお兄ちゃん系キャラについて紹介3に移る。
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